タバコの煙の有害性|副流煙の有害性と受動喫煙対策

2024.6.3 喫煙問題

タバコの煙の有害性|副流煙の有害性と受動喫煙対策

「タバコの煙は人の健康に悪影響を及ぼす」ということは、喫煙者の方のみならず喫煙しない方や未成年の方もよくご存じでしょう。しかし、人がタバコを吸っているときに出る煙にはいくつかの種類があり、性質も異なる場合があります。

この記事では、タバコの煙の種類についてご説明しながら、タバコの煙が及ぼす健康への悪影響、受動喫煙への対策などをご紹介します。

副流煙における受動喫煙

タバコの煙は、吸っている本人に及ぶものと、周囲にいる人に及ぶものとでは性質が異なります。タバコの煙の種類や、それぞれに含まれる有害な成分についてご説明します。


◇タバコの煙の種類
喫煙時に出るタバコの煙は、煙の出る場所によって以下の3種類に分けられます。ここでは、タバコの煙の種類についてくわしくご説明します。

・主流煙
タバコを吸う人が、フィルター経由で直接タバコから吸い込む煙を指します。

・呼出煙
タバコを吸う人が、一旦吸ってから吐き出す煙を指します。

・副流煙
タバコの火がついている部分から立ち上る煙を指します。

喫煙者がタバコを吸っている室内や周辺の空気中には「呼出煙」と「副流煙」とが混ざり合って漂い、その煙は「環境たばこ煙」と呼ばれています。また、上記3種類の煙のいずれにも有害物質が含まれています。
特に、タバコの火がついた箇所から直接出る「副流煙」は、タバコのフィルターを通すことなく出る煙であるため、有害物質の含有量も多いとされています。


◇副流煙は主流煙よりも有害?
主流煙と副流煙は煙の発生地点が違うことをご説明しましたが、その性質も異なります。

主流煙が酸性であるのに対し、副流煙はアルカリ性です。これには、タバコの燃焼温度の違いが関係しています。主流煙が発生する際のタバコの燃焼温度は高い状態ですが、副流煙が発生する際のタバコの燃焼温度は比較的低く、不完全燃焼を起こします。不完全燃焼の状態ではより多く有害物質が発生するため、主流煙に比べて副流煙のほうが有害物質の含有量が多いとされています。

また副流煙は、タバコを吸っていない人でも体に取り込んでしまう煙であり、このように他人のタバコの煙を吸ってしまうことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙により肺がんや脳卒中などの疾患につながるリスクがあることは、厚生労働省の「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」をはじめとした複数の研究や調査で報告されています。

参考:喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書(厚生労働省)


◇三次喫煙の懸念も
三次喫煙とは、周囲にタバコを吸っている人がいなくても、煙が付着した物を介して身体に有害物質を取り込んでしまうことをいいます。タバコを吸っていた人の服や髪などからタバコの臭いを感じたことがある人もいるでしょう。このほかに、タバコの煙はカーテンや壁紙などにも付着します。

衣服やソファー、カーテン、壁紙などに付着したタバコの有害物質は、空気中のほかの物質と結びついて発がん性物質に変化してしまいます。物に付着した有害物質は換気などで取り除くことが難しいため、健康被害につながるリスクがより長期的になると考えられています。


◇加熱式タバコなら大丈夫?
近年は、加熱式タバコと電子タバコなど、紙タバコ以外のアイテムも多く流通しています。加熱式タバコは「タバコ葉」を使用しているのに対し、電子タバコは「充填液」を使用しているのが大きな違いです。このようにタバコ葉を使用しないことから、電子タバコはたばこ事業法の対象にはなっていません。

加熱式タバコと電子タバコから出るのは霧状の蒸気です。紙タバコのような煙は出ず、臭いも少ないため身体に安全だと思われるかもしれませんが、有害物質を含んでいないわけではありません。

特に、加熱式タバコは紙タバコと同じように多くの有害物質を含み、紙タバコと同等またはそれ以上の量のニコチンを含むとされています。受動喫煙であれば有害物質の影響はある程度減少すると考えられているものの、ゼロではありません。

電子タバコによる健康被害はあまり明らかになってはいませんが、アレルギーを引き起こすおそれのある有害物質の発生が確認されているため、安全だとはいえない状態です。

タバコの煙の有害成分



タバコの煙には5,300種類以上もの化学物質が含まれ、そのうち約70種類が発がん性のある有害物質といわれています。ここでは、タバコの煙に含まれるおもな有害物質について、その特徴や含有量などをご説明します。

【タバコの煙に含まれる三大有害物質】
・ニコチン
ニコチンは、タバコが持つ依存性に大きくかかわる有害物質です。タバコを吸うことで血液中のニコチン濃度が高くなり、その影響で依存が生じます。タバコを吸えば吸った分だけ依存性は高くなり、喫煙により上昇した血液中のニコチン濃度は2時間程度で半減します。ニコチン依存に陥ると、血液中のニコチン濃度を維持するため、ひっきりなしにタバコを吸い続けたくなってしまいます。

ニコチンは依存の形成以外にも、血圧を上げたり血管を収縮させたりするなど、さまざまな健康への悪影響を及ぼす原因になるとされています。特に心臓への負担が大きくなるとされるほか、ニコチン代謝物が発がん性を持っていることも分かっています。

・タール
タバコの煙に含まれる粒子状成分のうち、一酸化炭素やガス状成分以外の物質を総じて「タール」と呼びます。タールは、ニコチンをはじめとする有害物質や発がん性を持つ物質を含むとされています。

・一酸化炭素
有機物(炭素を含む物質)が不完全燃焼する際に発生するガスで、タバコの燃焼によっても発生します。タバコの煙における一酸化炭素の含有量は3%ほどとされますが、非常に毒性が強いため注意が必要です。

一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと非常に結びつきやすく、呼吸により酸素がヘモグロビンと結びついて血液中に運ばれることを強く阻害します。このため、喫煙した人の血中では酸素濃度が急激に低下し、酸素の不足により起こるさまざまな症状の原因となります。

【その他の有害物質】
三大有害物質と呼ばれるニコチン・タール・一酸化炭素以外にも、タバコの煙には数多くの有害物質が含まれています。たとえば、殺虫剤に含まれるヒ素や溶剤として使われるトルエン、塗装の剥離剤として利用されるアセトン、自動車のバッテリーに使用されるカドミウムなどが挙げられます。

これらはいずれも人体に対して強い毒性を持つ物質であり、これら以外にもタバコの煙は200種を超える有害物質を含むとされています。


◇主流煙と副流煙の含有量比較
タバコの煙に含まれる有害物質の量は、副流煙のほうが主流煙より多いとされています。次の表はその一例です。

有害物質の名称 有害物質の説明 主流煙に対する副流煙の量
ニコチン 依存を起こす要因の物質。殺虫剤に使用される。 2.8~19.6倍
タール 「ヤニ」とも呼ばれる発がん性物質。 1.2~10.1倍
一酸化炭素 酸素を運ぶ機能を阻害する物質。 3.4~21.4倍
アンモニア 悪臭物質。目や鼻などの粘膜を刺激する。 294.2~2,565.5倍
ホルムアルデヒド シックハウス症候群の代表的な原因物質。目や鼻などの粘膜を刺激する。 6.2~121.4倍

表内の数字は市販のタバコ7種類の最小値と最大値であり、銘柄によってばらつきがあることが分かります。

上表のうち、銘柄による差が最も大きいのが、目や鼻などの粘膜を刺激する悪臭物質のアンモニアです。次いで差が大きいホルムアルデヒドは樹脂や溶剤などに使用される物質で、吸入により鼻の粘膜を刺激するほか、喘息性の不調を引き起こすとされています。

喫煙が引き起こす病気



喫煙によって健康を損ないやすくなることは、多くの人に知られています。ここでは喫煙によって引き起こされる、さまざまな病気についてご説明します。

【喫煙者が引き起こしやすいがん】
タバコの煙には多くの有害物質や、発がん性を持つ物質が含まれています。人体のさまざまな部位に発生するがんのなかで、喫煙との因果関係があるものはおもに以下のとおりです。

・肺がん
・胃がん
・喉頭がん、口腔がん
・食道がん
・鼻腔・副鼻腔がん
・肝臓がん
・すい臓がん
・膀胱がん
・子宮頸がん

上記のがんのなかには、細菌やウイルスの感染が原因の一つとされているものもありますが、喫煙との因果関係も明らかになっています。

【受動喫煙による病気のリスク】
受動喫煙によって引き起こされる症状には、急性的な影響と慢性的な影響によるものがあります。

急性的な影響による症状としては、タバコの煙で粘膜が刺激されたり、煙を吸い込んだりして起こるものが挙げられます。具体的には、涙やかゆみなどの目の症状、くしゃみや鼻汁などの鼻症状、さらにはせきや頭痛、心拍増加などです。

一方、受動喫煙の慢性的な影響によって起こる病気例は以下のとおりです。

・肺がん
・脳卒中
・虚血性心疾患

たとえば肺がんでは、喫煙者の配偶者のほうが非喫煙者の配偶者よりも死亡率が高く、喫煙量が高いほど死亡率も高くなるとされています。

上記以外に、まだ確実に明らかになってはいませんが、鼻腔・副鼻腔がんや乳がんも受動喫煙の影響との因果関係がある可能性が指摘されています。


◇妊婦や乳幼児への影響
妊婦がタバコの煙を体内に取り込むと、流産や早産、低体重児の出産など、胎児や新生児に影響する可能性があります。特に早産や低体重児の出産などは、妊婦が喫煙した場合だけでなく、受動喫煙した場合にもリスクが高まると考えられています。

また、乳幼児や小児がタバコの煙を体内に取り込むと、肺炎などの呼吸器疾患や喘息、中耳炎などを引き起こすおそれがあります。さらに、小児期がんや注意欠陥多動性障害(ADHD)などにつながるリスクもはらんでいます。

受動喫煙対策にクリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビン



受動喫煙によって悪影響を受ける可能性がある人のなかには、本来たばこを吸わない未成年者も含まれます。このため、近年は「健康増進法」という法律の改正によって、受動喫煙を防止するための対策が徹底されるようになりました。

2020年4月1日からは改正健康増進法が全面施行され、「多数の者が利用する施設における喫煙の禁止等」の項目などによって、望まない受動喫煙の防止がこれまで以上に強化されています。

・受動喫煙対策には喫煙ブースの活用がおすすめ
改正健康増進法に基づき飲食店などの施設内でも、受動喫煙防止のために経過措置対象となる一部施設を除いて分煙化が義務付けられました。現在は経過措置対象となっている施設についても、今後分煙が義務化される可能性があると考えられます。法令に基づいて分煙化を図るためには、大掛かりな改装が必要となる場合も少なくありません。改装を最小限に抑えて法令に準拠した分煙化を行うためには、分煙キャビンの活用も一案です。

クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、厚生労働省が定める「脱煙機能付き喫煙ブース」の技術基準に適合しています。空きスペースに設置するだけで、効果的な分煙が可能です。

<厚生労働省が定める脱煙機能付き喫煙ブース(分煙キャビン)の技術的基準>
1. 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上であること
2. 当該装置により浄化され、室外に排出される空気中の浮遊粉じん量が0.015mg/m3以下であること
3. 出入口で、室内に向かう気流が0.2m/秒以上であること
参考:職場における受動喫煙防止のためのガイドライン(厚生労働省)

<クリーンエア・スカンジナビアの導入によるおもなメリット>
・捕集が難しいとされるガス状成分をほぼ100%除去する
・限られたスペースに工事不要で設置でき、工事コストがかからない
・クリーンエアが3ヶ月ごとに法律要件に則した計測・レポートを実施するため、安心して継続使用できる
・喫煙の有無による休憩スペースの垣根をなくし、コミュニケーションを円滑にする

分煙キャビンのサイズは2人用から8人用まであり、さまざまな施設やニーズに対応可能です。導入後には、専門スタッフが定期的に訪問点検を行うため、継続して安心して使用していただけます。

クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンについてはこちら
https://www.qleanair.jp/

まとめ

この記事では、たばこによるさまざまな健康への悪影響についてご説明するとともに、たばこの煙に含まれる有害物質や受動喫煙を防ぐための対策をご紹介しました。
たばこを吸う人だけではなく、吸わない人も受動喫煙によって深刻な健康被害が引き起こされる可能性があります。店舗などの多くの人が集まる施設では適正な分煙化を図り、訪れる人たちの健康を守るための対策を積極的に実施することが求められるでしょう。