加熱式タバコの副流煙は有害?健康への影響について解説

2022.11.8 喫煙問題

加熱式タバコの副流煙は有害?健康への影響について解説

加熱式タバコは、従来の紙巻きタバコに代わり急速に普及しています。

加熱式タバコは、タバコ葉を直接火で燃やさず、加熱して蒸気を吸うため臭いが少なく、煙や灰が出ない点が特徴です。また、紙巻きタバコと比べ有害物質が少ないといわれていますが、健康に影響はあるのでしょうか。

この記事では、加熱式タバコの主流煙・副流煙に含まれる有害物質や、健康に与える影響などを解説します。

アイコスをはじめとする加熱式タバコについて

加熱式タバコには、さまざまな種類があります。例えば、アイコスやプルームテック、グローが主な商品です。

これらの加熱式タバコの概要と、紙巻きタバコや電子タバコとの違いを説明します。

◇加熱式タバコとは
加熱式タバコは、タバコ葉を詰めたカプセルを加熱し、発生する蒸気を吸うタイプのタバコです。

従来の紙巻きタバコのように、タバコ葉を火で燃やさないため火災のリスクが低い他、主流煙・副流煙が目に見えず臭いも比較的少ないとされています。灰が出ないため灰皿が不要で、部屋や衣服が汚れる心配もありません。

また、紙巻きタバコが吸える喫煙専用室では飲食ができませんが、加熱式タバコ専用の喫煙室では飲食も可能です。

加熱式タバコはタバコ葉を使用しているため、葉の香りや味をしっかり感じられます。ただし、紙巻きタバコよりも少ないとはいえ、加熱式タバコにもある程度の有害物質が含まれているため、健康に影響がないとはいいきれません。

◇電子タバコとの違い
電子タバコとは、タバコ葉を使用せず、専用カートリッジ内の液体を加熱し、発生する蒸気を吸うタイプのタバコです。液体にニコチンが含まれていないのが特徴で、日本では「タバコ製品」ではなく「タバコ類似品」として販売されています。

ただし、アメリカといった諸外国で販売されている電子タバコには、ニコチンを含んでいる製品もあるため注意が必要です。

なお、電子タバコの安全性は不明な点が多く、厚生労働省からも電子タバコの使用について注意喚起がなされています。

アイコスなどの加熱式タバコの副流煙にも害はある?



加熱式タバコは、蒸気を吸うため紙巻きタバコのような目立つ煙は発生しませんが、目に見えない主流煙や副流煙が発生していることを忘れてはなりません。ここでは、加熱式タバコの主流煙や副流煙に含まれる有害物質について説明します。

◇加熱式タバコの主流煙に含まれる有害物質
アイコスなどの加熱式タバコの主流煙には、ニコチン、メントール、グリセリン、ジアセチル、アクロレイン、アセトアルデヒド、グリシドールなどの有害物質が含まれています。

紙巻きタバコと比較すると主要な発がん性物質は少ないとされていますが、ニコチンはほぼ同じ含有量です。

◇加熱式タバコの副流煙に含まれる有害物質
加熱式タバコの副流煙には、発がん性物質のアセトアルデヒドや呼吸器疾患を引き起こすジアセチルに加えて、グリシドール、ベンゼンなど33種類の有害物質が含まれています。

紙巻きタバコと比較すると有害物質の含有量が少ないのは事実ですが、多種の有害物質を含んでいることに変わりはありません。

◇紙巻きタバコと同じ扱いとされている
前述のとおり、加熱式タバコのアイコスには、紙巻きタバコよりは少ないながら有害物質が含まれています。

また、日本で加熱式タバコが発売されたのは2013年12月で、販売開始から年月が浅いため、科学的な知見が少なく受動喫煙リスクを断定できない状態です。

安全性が明確でない以上、加熱式タバコも紙巻きタバコと同様の受動喫煙対策が必要となるでしょう。現に国も、加熱式タバコを紙巻きタバコと同じように規制して、健康被害を防ごうとしています。

加熱式タバコを利用する際のルール

アイコスなどの加熱式タバコに関する喫煙ルールは、紙巻きタバコのルールと異なる点もあるため、しっかりと把握しておきましょう。

◇改正健康増進法によるタバコのルール
改正健康増進法では、受動喫煙を防止するため事務所や工場、ホテルなどの施設では原則屋内禁煙とされました。屋内での喫煙を認める場合は、喫煙専用室や加熱式タバコ専用喫煙室を設置する必要があります。加熱式タバコ専用の喫煙室は、喫煙室内での飲食が可能です。

また、経営規模が小さい既存の飲食店は経過措置として、喫煙可能な場所である旨を掲示すれば、店内の喫煙が認められます。経営規模が小さい既存の店舗とは、客席面積100m2以下かつ資本金5,000万円以下で、2020年3月31日までに開業している店舗です。

その他、「喫煙を主目的とするバー・スナック」に該当する店舗は喫煙目的施設に当たるため、店内で喫煙できます。

◇標識で確認を
飲食店の屋内で喫煙できる場所は、目的や以下のように分類されており、喫煙可能場所には標識の表示が義務付けられています※。

・喫煙専用室
・加熱式たばこ専用喫煙室
・喫煙目的室
・喫煙可能室

それぞれの施設に適した標識を掲示することで、利用者が喫煙可否を判断できるようになります。

※厚生労働省「なくそう!望まない受動喫煙。」

◇定期的な風速測定が求められる
前述した改正健康増進法の施行により、喫煙室の出入口の風速の測定とレポート提出が求められています。

喫煙専用室、指定たばこ専用喫煙室、喫煙可能室、喫煙目的室では出入口における風速0.2m毎秒以上の気流を確保しなければなりません。

喫煙専用室が作れなければ分煙キャビンがおすすめ



喫煙専用室の設置を検討しても、部屋の確保が難しい場合や、建物の構造上、既定の風速を満たす排気設備工事ができない場合もあるでしょう。

法律の基準では、喫煙ブース・分煙キャビンを屋内に設置する場合、下記の3条件を満たして、タバコの煙を浄化することが求められています。

1.総揮発性有機化合物の除去率が95%以上
2.当該施設により浄化され、室外に排気される空気中の浮遊粉じん量が0.015mg/m3以下
3.出入口で、室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/秒以上

出典:厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」

クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは100Vの電源が確保できれば、どこにでも工事不要で設置できます。上記の基準を満たすのはもちろんのこと、従来は除去が困難だったタバコのガス状成分も、ほぼ100%取り除けるのが特徴です。また、基準を満たしている旨を記載するレポート作成も、クリーンエア・スカンジナビアが代行いたします。

さらに、設置後も定期的に専門スタッフが点検し、クリーンな空気環境を提供し続けます。設置後の手入れを怠った喫煙専用室のように、ヤニが付着したり、臭いが漏れたりする心配もありません。

分煙キャビンの導入を検討する際には、ぜひクリーンエア・スカンジナビアの製品をご検討ください。

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まとめ

加熱式タバコは従来の紙巻きタバコに比べて臭いが少なく、健康への影響もあまりないとされ、広く人気を集めています。

しかし、実際には、加熱式タバコであっても主流煙や副流煙に有害物質が含まれており、特に主流煙に含まれるニコチン量は紙巻きタバコと同程度です。さらに現時点では、加熱式タバコの健康リスクがどの程度なのかも正確にはわかっていません。

そのため、加熱式タバコも紙巻きタバコと同様の受動喫煙対策を行なうことが求められます。積極的に喫煙専用室や分煙キャビンを利用して、職場の受動喫煙を防ぎましょう。