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2019年02月28日

喫煙室の設置に向けて助成金・補助金の申請方法と受取までの流れを知ろう!

喫煙室の設置をお考えなら、国や都道府県で設けられている助成金・補助金制度の活用を検討するのも1つの手です。そこでこの記事では、喫煙室の設置が対象となっている分煙化推進を目的とした助成金・補助金制度についてご紹介します。制度の種類や申請の流れについて、あらかじめ理解しておきましょう。

喫煙室設置における助成金・補助金の種類

ここでは、喫煙室を新たに設置する際に申請が可能な助成金・補助金制度についてご紹介します。

・厚生労働省(国)の「受動喫煙防止対策助成金制度」

喫煙室の設置に際して、国から受けられる助成金制度です。受動喫煙防止対策の推進に向け、中小企業事業主を対象として設けられた制度で、以下のような条件が定められています。

<対象事業主>

労働者災害補償保険の適用事業主で、以下の条件に該当する中小企業事業主

  • 卸売業:常時雇用の従業員が100人以下、または資本規模が1億円以下であること
  • 小売業:常時雇用の従業員が50人以下、または資本金規模が5,000万円以下であること
  • サービス業:常時雇用の従業員が100人以下、または資本金規模が5,000万円以下であること
  • それ以外の業種:常時雇用の従業員が300人以下、または資本金規模が3億円以下であること

<助成の対象となる費用>

喫煙室の設置工事にかかった工事費用、設備費用、備品費用、機械装置に関する費用など

<助成の内容>

かかった費用全体の1/2(喫煙室の設置場所が飲食店である場合は2/3)まで、もしくは上限額100万円まで

・東京都の「分煙環境整備補助金」

こちらは東京都が設けた補助金制度で、東京都内の宿泊施設及び飲食店が対象です。2020年の東京五輪開催に備え、多くの外国人来訪者に宿泊施設や飲食店を気持ちよく利用してもらえるよう、分煙化の推進を目的として設けられました。対象となる事業主や補助の詳細は、以下のとおりです。

<対象事業主>

多言語対応(外国語による案内など)に取り組んでいるか今後取り組む意思があり、喫煙室等の設置後にも都が要請する調査や視察、事業PRなどに協力できる事業主が対象。また、業種別に以下の条件も設けられています。

  • 宿泊施設:ロビーなどの多くの人が利用できる箇所への設置であること
  • 飲食店:常勤の従業員が50人以下で、資本金が5,000万円以下であること

<補助の対象となる費用>

喫煙室の設置にかかる費用のうち建築工事費、吸排気設備費、電気工事費などです。

<補助の内容>

かかった費用全体の4/5まで、または上限額300万円までが支給されます。

<補助対象となる分煙化の種類>

喫煙室の設置のほか、壁などで区切る「エリア分煙」や、上階と下の階で分煙を図る「フロア分煙」などの分煙化も補助の対象となります。

助成金・補助金の申請から助成金受取までの流れ

ここでは、先にご紹介した厚生労働省(国)の「受動喫煙防止対策助成金制度」と、東京都の「分煙環境整備補助金」について、それぞれの申請手続きの流れをご紹介します。

厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金制度」 東京都「分煙環境整備補助金」
1.検討
制度の内容を把握し、申請書類や資料を準備する
1.分煙コンサルタントの派遣
分煙化と補助金申請に関するアドバイスを受ける
2.交付申請
申請書類各2部を、所轄の労働局へ提出
2.交付申請書提出
東京都産業労働局へ申請書類を提出
3.交付決定通知書
労働局で交付が決定し、通知書を受け取る
3.交付申請書受理
提出した申請書が受理される
4.工事発注
交付内容に沿って工事の発注をおこなう
4.現地調査・書類審査
都による現地調査と書類審査が行われる
5.工事費用支払い
工事完了後、費用を支払って領収書と明細を受領
5.交付決定
申請書提出から約3週間で交付が決まる
6.事業実績報告
報告書類各2部を所轄労働局へ提出
6.工事の契約、発注、施工
工事を実施し、完了後代金を支払って領収書と明細を受領
7.助成交付額決定
助成金交付が最終決定され、通知書が発行される
7.東京都による検査・測定
工事完了後に都が分煙の効果について検査・測定する
8.請求書の提出
所定の様式に記入し、所轄労働局へ提出する
8.実績報告書提出・受理
所定の報告書類に記入の上、東京都産業労働局へ提出
9.受取
請求書に指定の口座に、助成金が振り込まれる
9.補助金額の確定
実績報告書の提出から2~3週間で補助金額が確定する
10.消費税仕入控除税額の確定と返還
完了の翌々年度6月30日までに所轄労働局へ提出
10.補助金の請求書提出
所定の様式に記入し、東京都産業労働局へ提出
11.実施状況報告
交付確定時の指示通りに、所轄労働局へ報告
11.補助金の交付
請求書に指定の口座に、補助金が振り込まれる
助成金・補助金の申請に必要な書類

ここでは、厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金」を例に挙げ、助成金の申請・実績報告に必要な書類についてご紹介します。かなり多くの書類を必要としますので、早めに準備しておきましょう。

・交付申請に必要な書類

1.受動喫煙防止対策助成金交付申請書(所定の様式)

2.受動喫煙防止対策についての事業計画(所定の様式)

3.交付要件に該当する旨及び不交付要件には該当しない旨の申立を行う書類(所定の様式)

4.措置を講じる場所の工事前の写真(申請日より3か月以内の撮影)

5.設置を予定している喫煙室や換気装置の場所など助成事業の詳細を確認できる資料

6.講じる措置が要件を満たして設計されていることが確認できる資料

7.事業場の室内とそれに準ずる環境で、措置を講じる区域以外での喫煙を禁止する旨を説明する書類

8.講じる措置に関する施工業者からの見積書の写し(2つ以上の業者から見積を取ること)

9.その他都道府県労働局長が必要と認める書類

・事業実績報告に必要な書類

1.受動喫煙防止対策助成金事業実績報告書(所定の様式)

2.受動喫煙防止対策についての事業結果概要報告書(所定の様式)

3.受動喫煙防止対策助成金交付決定通知書の写し

4.交付決定内容について変更をおこなった場合には、受動喫煙防止対策助成金交付決定内容変更承認通知書の写し(複数回変更をおこなっているなら、すべての写し)

5.工事に関する領収書や、経費に関する内訳を記載したものの写し

6.措置を講じた場所や、受動喫煙防止のための設備・備品に関する詳細を確認可能な写真(工事終了後すぐ撮影したもの)

7.交付決定を受けた内容と実際に実施した事業が相違ないことを説明する書類

8.講じた措置が要件を満たしていることが確認できる資料

9.その他都道府県労働局長が必要と認める書類

助成金・補助金を申請、受取る上での注意点

申請者の方は、あらかじめ助成金・補助金の交付要綱や交付要領、その他の規定など制度の内容を理解したうえで申請することが大事です。また、工事の実施前に申請が必要となる点にも注意が必要。特に気をつけたいのは、助成金・補助金は「後払い」である点。かかった費用をいったん一括で支払わなければ、助成・補助の対象にはなりません。それに際して融資などを受ける必要があるなら、その準備から始める必要があります。

まとめ

この記事では、喫煙室の設置をはじめとした分煙化を図る際に受けられる助成金・補助金制度についてご説明しました。助成金・補助金は申請してから受け取れるまで数か月単位の期間がかかり、申請や実績報告にもそれなりの手間がかかります。準備なども周到に行う必要があるため、まずはスケジュールを把握して計画的に動きましょう。