工場における換気の必要性とは？目的に合わせた換気方法を知ろう

工場の換気が難しい理由

工場は天井が高く、広い空間を持つ建物が多く、内部に大量の空気を含む密閉空間といえます。窓や換気扇が設置されている壁面から中心部までは距離があるため、窓を開けたり換気扇を回したりするだけでは十分な換気はできません。

また、窓や換気扇周辺の空気だけが入れ替わるショートサーキットという現象が起きることもあります。換気扇が設置されていても、換気計画に基づいて設置されていなかったり老朽化していたりすると効果的な換気は難しいでしょう。

工場には上記のような状況が内在しているために換気が難しくなっているのです。


◇工場に必要な換気量
建物内で必要な換気量は、建築基準法で「1時間につき20立方メートル」と定められています。ただし、2020年4月には新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、厚生労働省は「1時間につき30立方メートル」を推奨しました。

何を取り扱う工場かによって、具体的な必要換気回数は異なります。

工場における換気の必要性

工場で換気が必要なおもな理由は、工場で働く労働者の健康を守り、安全を確保するためです。

ここでは、労働者の健康を阻害する要因にはどのようなものがあるのか、また工場における換気の必要性について詳しく見ていきましょう。


◇有害物質の蔓延を防ぐため
工場ではさまざまな原材料が加工され、製品が製造されています。工場で扱う物質のなかでも一酸化炭素や有機溶剤、特定化学物質などの有害物質は適切に排出されなければ空気中に拡散し、工場で働く労働者に健康被害をもたらす危険があります。

そうした事態を避けるためには、換気によって有害物質を排出することが必要です。


◇感染症を防ぐため
「換気の悪い密閉空間」は感染症への感染リスク要因の一つです。換気が不十分な工場はこの密閉空間に相当し、労働者の感染リスクは高まる傾向にあります。

感染の蔓延を防いで安全な職場とするためには、工場を密閉空間としないように十分な換気が必要です。


◇熱中症を防ぐため
工場の建物には外気の熱や直射日光の影響を受けやすく、高温になりやすい特性があります。さらに、内部の製造工程でも熱を扱うことが多く、労働者が熱中症になりやすい環境といえるでしょう。

熱中症を防ぐためには、換気によって内部の熱を外部に排出して工場内に熱が蓄積しないようにすることが重要です。


◇カビ対策のため
工場内部は湿気やほこりがたまりやすい環境です。このような条件が重なるとカビが発生し製品や工場内の設備に悪影響を与えるだけでなく、労働者が吸い込むことで健康被害をもたらします。

カビの対策には、十分な換気をして工場内が高温・高湿度になることを防ぎ、ほこりを排出することが効果的です。


◇室温管理のため
工場内は熱が発生しやすくこもりやすい環境であるため、換気によって室温を適正に管理することが重要です。

室温が管理されていると高温にともなうさまざまな悪影響を抑制でき、労働者の健康維持や製品の品質管理においても良い効果が期待できます。

3種類の代表的な機械換気

工場には広い空間に大量の空気が存在しているため、窓や出入り口を開放する自然換気では十分に換気することが難しく、換気扇を使った機械換気が必要です。

換気扇の設置場所によって、機械換気はおもに次の3種類に分けられます。


◇第1種換気
第1種換気は、給気と排気ともに換気扇を用いる方式です。給気量と排気量のどちらも計画できるため、効率的な換気方法といえます。

さらに熱交換型の換気扇を用いると、室内温度が外気に影響されにくくなり空調の省エネ効果もあります。ただし設備数が多くなりがちで、メンテナンスも必要になることから費用的には高くなるでしょう。


◇第2種換気
第2種換気は、給気だけに換気扇を用いて、排気は自然換気で行なう方式です。給気は換気扇によって行なわれるため、建物内部は外部より気圧が高い正圧状態となり、その圧力を利用して自然に排気が行なわれます。


◇第3種換気
第3種換気は、排気だけに換気扇を用いて、給気は自然に行なう方式です。排気は換気扇によって行なわれるため、建物内部は外部より気圧が低い負圧状態となり、その圧力によって自然に外気を取り入れます。

目的に合わせた換気方法

工場では目的に応じていくつかの換気方法があります。ここでは代表的な換気方法を4種類紹介します。


◇局所換気
有害物質が発生している場所に排気口を設置して排出する方法です。有害物質を拡散させることなく直接排出できるので、特定の場所には有効です。ただし、建物全体の換気については別の方法を検討する必要があります。

またこの方式を採用するには、排気口を設置するスペースの確保が必要です。


◇プッシュプル換気
空気の吹き出し口と吸い込み口を設置し、吹き出し口から送り出された（プッシュ）空気によって有害物質を押し流し、吸い込み口に吸い込んで（プル）排出する方法です。

この換気方法は、排気口を設置するスペースがない場合などに使用されます。


◇置換換気
建物内部よりも低温の外気を取り入れ、有害物質を含んだ空気を上昇させ排気する方法です。低温の気体が下部にたまる性質を利用して、建物内の温まった空気と置換します。


◇希釈換気
外部から取り込んだ空気によって、建物内部の有害物質を希釈して排気する方法です。建物全体を換気できます。

換気が難しい工場の空気質向上にクリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機

機械換気を導入するには、工場の建物仕様や作業内容などの情報をもとに、換気計画を考える必要があります。ただし検討の結果、換気扇の設置場所がなかったり想定以上に大規模になったりするなど、機械換気の導入が難しい場合もあるでしょう。

そうした場合は、簡単に導入できるクリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機がおすすめです。

クリーンエア・スカンジナビアは、スウェーデン・ストックホルムに本社を構える企業です。空気清浄に特化し、空気品質における卓越した技術により開発された製品を、世界30ヵ国以上に提供しています。

なかでも「QleanAir FS 70」は、製造業・倉庫・物流など室内における空気の品質管理が必要である事業者のために開発された、汎用性の高い空気清浄機です。「QleanAir FS 70」には以下のような特徴があります。


◇高い空気清浄能力
機体前面に配置された大きな吸気口から大量の空気を吸い込み、階層式のフィルターによって有害な粉塵や汚染物質を除去することで空気の浄化を行ないます。毎時3,000立方メートルの処理風量を確保しています。


◇浄化された空気を再循環
浄化された空気は、機体上部の排気口から室内に戻されます。排気口にダクトを取り付ければ特定のエリアに空気を送ることも可能です。


◇現場の問題に対応したカスタマイズが可能
フィルターや付属品のカスタマイズによって、より微細な粉塵の除去などに対応できます。病院や処置室など空気浄化が欠かせない場所に向いています。


◇設置場所を選ばず移設も可能
電源とスペースがあれば簡単に導入できます。また、状況に応じて設置場所の変更も可能です。

機械換気に替わる方策として、導入しやすく、高い空気浄化能力を備えた「QleanAir FS 70」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

QleanAir FS 70

まとめ

工場は一般的なイメージよりもはるかに空気や熱が滞留しやすく、それにともなうリスクの多い環境です。工場における換気の必要性について十分に理解したうえで、適切な対策を行ないましょう。換気が難しい場合には空気清浄機の活用がおすすめです。

クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機「QleanAir FS 70」は、高い空気浄化能力を備えており、電源とスペースがあれば簡単に導入できます。機械換気の導入を予定している場合は選択肢の一つとして検討してみてください。