「工場・製造現場での粉じん対策とは?発生・拡散・吸入防止の方法を解説」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2026.10.5 工場空気

工場・製造現場での粉じん対策とは?発生・拡散・吸入防止の方法を解説

工場では、製品を加工する各工程で粉じん(粉塵)が発生することがあります。工場内の空気中に漂う粉じんを作業者が吸い込むと健康に悪影響があるほか、製品や製造設備に付着・混入すると、製品の品質低下や製造設備の劣化・故障につながります。

そのため、粉じんが発生する工場では、「発生を抑える」「拡散を防ぐ」「吸入を防ぐ」という3つの観点から対策を講じることが不可欠です。

この記事では、粉じんがどのようなものなのかを紹介したうえで、対策が必要な理由や、工場・製造現場での具体的な対策方法を詳しく解説します。工場の管理業務に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。

※右の画像は、工場内で発生した金属粉を撮影したものです。

粉じん(粉塵)とは?

粉じんとは、破砕・選別・研磨・切断・レーザー加工、堆積物の取り扱い、粉体の計量・投入・充填などによって発生・飛散する粒子状物質です。

金属加工や木材加工、研磨、粉体原料の投入・搬送、鉱物・セメント・樹脂などを取り扱う工程では、粉じんが発生する可能性があります。粒径が小さい粉じんほど空気中に長く浮遊しやすく、作業者が吸入するリスクが高いため、注意が必要です。

国際基準の「ISO 7708」では、吸入した場合の呼吸器への到達の程度に応じて、以下の3種類に分類されています。

● 吸引性粉じん(Inhalable convention):大気中から鼻や口を通って体に取り込まれる粒子
● 咽頭通過性粉じん(Thoracic convention):咽頭を通過して肺に向かう粒子
● 吸入性粉じん(Respirable convention):肺胞まで到達する粒子

大気汚染防止法では、石綿(アスベスト)は「特定粉じん」、それ以外の粉じんは「一般粉じん」に区分されています。

なお、工場で製品を「製造」する際には、特定粉じんである石綿(アスベスト)への対策を検討する必要はありません。現在では、石綿(アスベスト)を含む製品を新規に製造することが全面的に禁止されているためです。ただし、過去に建築・製造された建物・機器には、石綿を含有する材料が用いられている場合があります。それらを「解体・廃棄」する際には対策が必要です。

一般粉じんが発生する施設で、大気汚染防止法施行令で定められた条件に該当する場合、同法令の基準を遵守しなければなりません。具体的には、大気汚染防止法施行令の第3条や別表第2で、一般粉じん発生施設の類型別に詳しい構造・使用・管理基準が示されています。

また、粉じんが発生する工場では、従業員の健康リスクを低減するために、以下に示す法令を遵守することも求められます。

● 労働安全衛生法
● 労働安全衛生法施行令
● 粉じん障害防止規則
● じん肺法

なお、粉じん障害防止規則は、労働安全衛生法や労働安全衛生法施行令に基づいて定められています。詳細は、厚生労働省公式Webサイトでご確認ください。

◇粉じん濃度の目安・許容濃度

日本産業衛生学会では、一般粉じんの種類に応じた許容濃度の勧告を実施しています。許容濃度は、労働環境における健康障害リスクを評価するための目安として用いられます。実際の管理では、粉じんの種類・粒径・作業時間・ばく露状況などを踏まえ、総合的に判断しなければなりません。

下表に、粉じんの種類と許容濃度の関係をまとめました。

種類 許容濃度
吸入性粉じん 総粉じん
第1種粉じん ろう石・葉ろう石、アルミニウム、アルミナ、珪藻土、硫化鉱、硫化焼鉱、ベントナイト、カオリナイト、活性炭、黒鉛 0.5mg/㎥ 2mg/㎥
第2種粉じん 酸化鉄、カーボンブラック、石炭、ポートランドセメント、大理石、線香材料粉じん、穀粉、綿塵、革粉、コルク粉、べークライト 1mg/㎥ 4mg/㎥
第3種粉じん 石灰石、そのほかの無機および有機粉じん 2mg/㎥ 8mg/㎥


上表のほか、結晶質シリカの吸入性粉じんの許容濃度は0.03mg/㎥とされています。なお、上表の内容は、日本産業衛生学会が2025年5月に公表した「許容濃度等の勧告(2025年度)」に基づきます。最新の情報は、日本産業衛生学会の公式Webサイトなどでご確認ください。

粉じん対策が必要な理由



工場で粉じんが発生する作業を遂行する場合は、以下に示す理由により、粉じん対策を実施する必要があります。

● 各種法令・規制を遵守するため
● 工場で働く従業員の健康被害を防止するため
● 製造設備の劣化・故障や製品の品質低下を防止するため

それぞれの詳細を説明します。

◇各種法令・規制を遵守するため

粉じんが発生する工程が含まれる場合は、各種法令(大気汚染防止法・労働安全衛生法・粉じん障害防止規則・じん肺法など)をご確認ください。作業内容や設備の種類、粉じんの種類によって、必要な措置や届出の有無が異なります。例えば、大気汚染防止法では、一般粉じん発生施設の管理基準などが定められています。

コンプライアンス(法令遵守)の観点から、粉じん対策を講じることは企業にとって不可欠です。法令で定められている粉じん対策を怠ると、行政指導を受けて改善対応や作業停止を余儀なくされるかもしれません。そのことが取引先・顧客に知られた場合、企業の信用失墜につながる可能性があります。

◇工場で働く従業員の健康被害を防止するため

粉じんが発生している工場で、対策なしで作業者が製造業務に従事すると、吸入によって健康に悪影響がおよぶ場合があります。粒径が小さい粉じんは呼吸器の奥まで到達しやすく、じん肺などの発症につながりかねません。じん肺とは、肺の組織が線維化し、硬くなって弾力性を失い、呼吸困難などを引き起こす病気です。

粉じんによる健康被害ではすぐに症状が現れるとは限らず、長期間ばく露が続いた結果、健康診断で異常が見つかるケースも見受けられます。従業員の健康を守るために、「発生抑制」「拡散防止」「吸入防止(呼吸用保護具の着用)」を組み合わせて粉じん対策を講じましょう。また、じん肺健康診断を実施することも重要です。

◇製造設備の劣化・故障や製品の品質低下を防止するため

工場の空気中に粉じんが浮遊している状態では、製造設備・制御盤・センサー・搬送ラインなどに付着・堆積する可能性があります。その結果、設備の劣化や動作不良・故障が発生したり、清掃負担が増加したりするかもしれません。

例えば、レーザー加工や粉体の計量・投入・充填などを行う工程では、発生した微細な粉じんが設備内部や周辺機器に入り込むことがあります。センサーや駆動部分などに粉じんが付着すると、機械の誤作動や精度低下、チョコ停を引き起こす場合があります。

機械の誤作動や精度低下によって、製品の品質に影響するケースもあるでしょう。食品・医薬品・化粧品・精密機器などの製造現場では、粉じんの混入・付着が品質不良や衛生上の問題、顧客からのクレームにつながりかねません。

粉じん対策は、「作業者の健康を守る」という観点だけではなく、「設備保全・生産性維持・品質管理」の観点からも不可欠です。

工場・製造現場で実施するべき粉じん対策

工場・製造現場で実施するべき粉じん対策は、以下の3段階に整理できます。

1. 粉じんの発生を抑える
2. 粉じんの拡散を防ぐ
3. 粉じんの吸入を防ぐ

上記の対策を講じたうえで、粉じん濃度の測定や健康診断によって効果を継続的に確認することも欠かせません。それぞれの詳細を説明します。

◇対策①粉じんの発生を抑える

まずは、作業を実施する段階で、粉じんの発生量を低減するための対策を講じることが重要です。粉じんの発生量が少なければ、後述する拡散対策や吸入防止対策の負担が軽減されます。具体的には、「作業方法の変更」や「原材料の見直し」といった対策を検討しましょう。

例えば、粉体の計量・投入・充填工程では、粉じんの舞い上がりを防止するために、投入速度や落下高さを調整してください。原料を勢いよく投入したり、高い位置から落下させたりしてはいけません。また、粉体を取り扱う容器や設備を密閉し、計量・投入・充填作業を自動化することも有効です。

そのほか、水分によって影響が生じない工程では、乾式作業から湿式作業へ変更しましょう。散水などで湿潤化すれば、粉じんの舞い上がりを抑制できます。ただし、製品品質や設備への影響がないことを事前にご確認ください。

◇対策②粉じんの拡散を防ぐ

発生量を低減するための対策を講じても、作業内容によってはゼロにすることが困難な場合もあるでしょう。

発生した粉じんが工場全体に拡散しないように、発生源の付近に集塵機・局所排気装置を設置し、吸引・除去してください。レーザー加工機や粉体の計量・投入・充填設備を稼働している場合は、粉じんが発生する位置に合わせて吸引口やフードを設置しましょう。ビニールカーテンやブースなどで作業場所を区切り(ゾーニング)、粉じんの拡散範囲を限定することも重要です。

粉じんが発生しやすい工程は、密閉化・自動化・遠隔化することもご検討ください。特に粉体の計量・投入・充填工程では、設備の密閉化によって粉じんの飛散が抑制されます。また、自動化によって作業者が発生源に接近する機会が減り、ばく露リスクの低下につながります。

そのほか、拡散抑制では、気流の流れも無視できません。換気・空調によって粉じんが作業エリア全体に広がる場合があるため、設置場所や気流の方向を確認しましょう。

◇対策③粉じんの吸入を防ぐ

発生量を低減して拡散を抑制しても、作業者の周囲に微量の粉じんが漂う可能性があります。そのため、呼吸用保護具を着用して粉じんの吸入を防止することが、作業者の健康を守るうえで不可欠です。呼吸用保護具としては、防塵マスクや電動ファン付き呼吸用保護具があります。作業内容や粉じん濃度に応じて、適切な呼吸用保護具を選定しましょう。

呼吸用保護具を正しく装着できていない(顔に密着していない)場合、十分な効果を得られません。装着する際は、以下に示すいずれかの方法でフィットチェック(密着性の確認)を実施してください。

陰圧法 ・マスクの給気口を手でおおって、ゆっくりと息を吸い込む
→面体が吸い寄せられる場合(または息苦しい場合):フィットしている
→吸い寄せられない場合:面体の位置や紐を締める強さを調整する
陽圧法 ・マスクの給気口を手でおおって、息を吐く
→膨張する場合:面体からの漏れがなく、フィットしている
→膨張しない場合:面体の位置や紐を締める強さを調整する


また、フィルターを交換するタイプの呼吸用保護具の場合、フィルターの交換も忘れてはなりません。交換せずに利用し続けると、十分な効果を得られないおそれがあります。

なお、呼吸用保護具は「最後の砦」であり、上述した発生源対策や拡散防止策と組み合わせることが重要です。

◇対策④効果測定と健康診断を行う

「施策を実施したら、それで終わり」ではなく、効果を継続的にモニタリングしましょう。具体的には、粉じん濃度の計測装置などを用いて対策前後の粉じん濃度を比較し、十分な効果を得られているかどうかを確認してください。濃度が低下しない場合の原因としては、「集塵機の性能不足」「設置位置が不適切」「気流の乱れ」「清掃不足」などが考えられます。

作業内容や工程を変更すると、粉じんの発生状況が変化することもあります。設備更新・レイアウト変更・原材料変更のタイミングで、粉じん濃度や対策内容を再確認してください。最初に決めた施策を継続するのではなく、定期的に見直しを実施し、PDCAサイクルを回しながら改善しましょう。

また、粉じんが発生する作業に常時従事する従業員などに対して、健康診断(じん肺健康診断)を実施することも必要です。作業環境の改善と健康管理をセットで実施することで、従業員の健康リスクを継続的に把握・低減できます。

じん肺健康診断の詳細(対象者や実施頻度など)は、じん肺法で定められています。診断結果によっては、作業転換や療養など、従業員の健康を守るための措置を講じなければなりません。

集塵機で除去しきれない粉じんには空気清浄機も有効

集塵機や局所排気装置は、粉じんを発生源付近で捕集するための重要な設備です。ただし、発生源付近で捕集しきれなかった微細な粉じんが、工場全体の空気中に漂い続ける場合があります。

ゾーニングしていても、作業者の出入りやビニールシートの隙間、空調の気流などが原因で、粉じんが周辺エリアに拡散する可能性があります。そのため、集塵機・局所排気装置による発生源対策に加えて、工場用空気清浄機で空間中に浮遊する粉じんを捕集することも検討しましょう。

工場用空気清浄機は、工場全体または特定エリアの空気を循環させ、粉じん濃度の低減をサポートする設備として活用できます。

工場の粉じん対策はクリーンエア・スカンジナビアに相談を

工場で粉じんによる空気環境悪化にお悩みの場合、クリーンエア・スカンジナビアの工場用空気清浄機「QleanAir FS 70」がおすすめです。発生源付近での集塵機・局所排気装置による対策を講じたうえで、空間全体に浮遊する粉じんを捕集するためにご活用ください。

1台でテニスコート1面分の広さに対応できます。広さが200㎡で天井までの高さが5mの空間であれば、1時間に3回(20分おきに)エリア内のすべての空気が入れ替わる性能があります。確かなフィルターシステムで、集塵機では捕集が難しい25μm以下の浮遊粉じんまでしっかり捕集することが可能です。

設置場所の課題やニーズに応じて、製品バリエーションの中から最適なフィルターや付属品を選べます。設置場所の広さや用途を踏まえて設置台数を提案できるので、ぜひご相談ください。

【クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機の導入事例】

◇スリーケ株式会社
金属表面処理を行うスリーケ株式会社様では、「ショットブラスト」の工程で金属粉じんが飛散することが長年の悩みでした。ショットブラストとは、金属表面に鉄粉などの研磨材を吹き付けて表面を粗くする処理です。

展示会に参加した際にクリーンエア・スカンジナビアの工場用空気清浄機を知り、「QleanAir FS 70」の導入を決断していただきました。導入した結果、「現場で鉄のニオイを感じなくなった」「作業終了後にマスクが以前ほど黒くならなくなった」とのことです。また、「粉じんで困っている同業者がいれば、10点満点でおすすめする」というお声も頂戴しております。

まとめ

工場では、研磨・切断・レーザー加工・破砕・搬送、堆積物の取り扱い、粉体の計量・投入・充填などにより、粉じんが発生することがあります。空気中を漂う粉じんを放置すると、法令違反や作業者の健康被害、設備の劣化・故障および製品品質の低下につながりかねません。

粉じんが発生する可能性がある作業を実施する場合は、「発生を抑える」「拡散を防ぐ」「吸入を防ぐ」という3つの段階・観点で対策を講じましょう。

発生源対策を集塵機や局所排気装置で実施したうえで、工場の空間全体に浮遊する粉じんへの対策には工場用空気清浄機の活用が有効です。おすすめの工場用空気清浄機は、クリーンエア・スカンジナビアの「QleanAir FS 70」です。粉じん対策でお悩みの場合は、お気軽にご相談ください。

QleanAir FS 70

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