浮遊菌対策とは?食品工場などでできる対策方法を解説

食品工場などでは、施設内の空気中を漂う浮遊菌(浮遊カビ・浮遊ウイルス)への対策が不可欠です。浮遊菌は、空調設備や作業者・物体の移動、ドアの開閉、製造工程で生じる気流によって拡散する場合があります。食品や容器・包装材・製造設備に付着すると、製品の汚染や品質不良につながりかねません。
浮遊菌対策には、工場用空気清浄機の導入が有効です。ただし、単体ではなく、清浄区域の管理、空調・換気設備の管理、清掃・消毒、温湿度管理、浮遊菌検査などを組み合わせて実施する必要があります。
この記事では、浮遊菌の概要や、製品汚染につながる経路、食品工場などで実施できる対策方法を解説します。工場の管理業務に携わっている方は、ぜひ参考にしてください。
浮遊菌(浮遊カビ・浮遊ウイルス)とは
浮遊菌とは、空気中を浮遊している菌です。「菌」とは、細菌(原核生物)および真菌(キノコ・カビ・酵母などの真核生物)の総称です。文脈によっては、空中を浮遊している微生物(細菌・カビ・ウイルスなど)の総称として「浮遊菌」という単語が用いられることもあります。
浮遊菌は、空調設備や人の移動、ドアの開閉、作業工程における気流などによって周囲に拡散し、単体ではなく、唾液などの飛沫やホコリなどと一緒に浮遊しているケースが多く見受けられます。
◇落下して物体に付着したものは付着菌(付着カビ・付着ウイルス)
浮遊菌(浮遊カビ・浮遊ウイルス)は、いつまでも空気中を漂い続けるわけではありません。時間が経過すると、落下して物体(床・机など)に付着します。物体に付着した微生物は「付着菌(付着カビ・付着ウイルス)」と呼ばれます。
食品工場などでは、菌が食品や容器・包装材に落下・付着すると、製品汚染や品質低下に直結します。製品の安全性を保つためにも、定期的に浮遊菌検査を実施し、万が一基準値を超えた場合には速やかな原因追求と改善対応を行うことが重要です。
また、設備や作業台などに付着した菌が、作業者の手指や器具を介して製品へ移る場合もあります。そのため、空気中の菌などへの対策だけではなく、手指衛生・清掃・消毒や接触頻度の高い場所の管理も実施しなければなりません。
浮遊菌による製品汚染を防止するための対策

食品工場などにおける浮遊菌対策では、空気だけでなく、設備や作業者、原材料、容器、包装材などを介した製品汚染のリスクを低下させることも重要です。
空気清浄、空調管理、清掃・消毒、温湿度管理、ゾーニング、作業者・物体の動線管理などを組み合わせて総合的に対策を講じましょう。また、浮遊菌検査を定期的に実施し、工場内の状態が管理基準を満たしているかどうかを確認してください。
食品工場などで実施できる主な浮遊菌対策は、以下の6つに整理できます。
1. 空調・換気設備を適切に管理する
2. 空気清浄機で浮遊粒子を捕集する
3. 温湿度を管理してカビの増殖を防ぐ
4. 紫外線照射・オゾンなどを適切に活用する
5. 清潔区域の管理を徹底する
6. 浮遊菌検査で効果を確認する
◇対策①空調・換気設備を適切に管理する
食品工場などでは、害虫・害獣・異物の侵入を防ぐために、窓や出入口を不用意に開放して外気を取り込むことは避けてください。また、一般的な換気扇による換気も避け、空調・換気設備によって空気環境をコントロールしましょう。
清浄区域には必要な清浄度を満たした空気を供給し、汚染度の高い区域から空気が流れ込まないように対応しなければなりません。具体的には、給気口・排気口の位置や風量、室内の気流を確認し、浮遊菌を含むホコリなどが作業場所へ流れないように管理する必要があります。
また、空調フィルターに汚れが蓄積すると処理能力の低下や汚染物質の拡散につながる可能性があるため、定期的に点検・清掃・交換を実施しましょう。空調設備だけで十分な清浄度を維持できない場合は、工場用空気清浄機の併用もご検討ください。
◇対策②空気清浄機で浮遊粒子を捕集する
浮遊菌は飛沫やホコリなどに付着して漂うこともあるため、工場用空気清浄機で空気を吸い込んでフィルターで粒子を捕集することは有効な対策です。工場の清浄区域、包装工程、検品工程など、浮遊菌の低減が求められる場所で補助的に活用しましょう。また、換気が難しい場所や人員の出入りが多い場所でも役立ちます。
食品工場などでは、清潔作業区域を設け、区域内に空気清浄機を通過した清浄な空気を供給することも選択肢のひとつです。
ただし、工場用空気清浄機だけで製品汚染を完全に防げるわけではありません。空調管理、清掃、手指などの消毒、温湿度管理、ゾーニングなどと組み合わせることが重要です。
◇対策③温湿度を管理してカビの増殖を防ぐ
カビは、天然有機物や人工有機物のほか、無機物や鉱物までも栄養源にして発育し、大きな集落を形成することがあります。工場内にホコリや粉体、食品残さ、原材料のくずなどの栄養源があり、温度などの条件が整うと、カビが増殖する可能性があります。
しかし、空気中をカビの胞子が漂っていても、水分・酸素・栄養源が存在せず、温度条件が整っていない環境では発芽・増殖できません。なお、カビの生育可能温度領域は0~40℃、生育最適温度は25~28℃とされています。
カビ対策には、栄養源を減少させるほか、生育しにくい温度や湿度に調整する(結露や高湿度の状態を回避する)ことが有効です。天井・壁・床・設備などは、ホコリや汚れを残さないように定期的に清掃・消毒してください。
工場用空気清浄機を設置することも、カビ対策の手段として検討しましょう。空気中を漂うカビの胞子と、栄養源であるホコリや粉体を捕集すれば、カビが増殖する要因が低減されます。ただし、すでに設備や建材にカビが増殖している場合、工場用空気清浄機の設置のみでは不十分で、清掃・除去や漏水・結露の改善などが必要です。
関連記事:食品工場でのカビ対策を解説!そもそもカビはなぜ生える?
◇対策④紫外線照射・オゾンなどを適切に活用する
紫外線照射機器やオゾン発生機器、プラズマ放電を発生させる機器を設置することも、浮遊菌や付着菌の不活化(感染性を失わせること)・殺菌・低減・除去に有効です。
紫外線を照射すると微生物内部で活性酸素が生成され、活性酸素が各種分子(DNAやRNAなど)を破壊することで不活化されます。また、オゾンでもDNAやRNAなどが破壊され、不活化されます。プラズマ放電では、高エネルギー電子と空気中の中性分子が衝突して活性物質が生じ、微生物のタンパク分子が変性することで不活化される仕組みです。
照射条件や濃度などによって効果や安全性が変わるため、製品仕様や利用環境を踏まえて運用ルールを策定する必要があります。製品への影響や使用可能な工程の把握も欠かせません。
紫外線照射機器を利用する場合は、安全な運用ルール(「人体への直接照射を避ける」など)を策定してください。それ以外の機器を利用する場合も、人体への影響や製品・設備への影響を考慮し、作業者がいる空間での利用の可否や換気条件などを確認しましょう。
◇対策⑤清潔区域の管理を徹底する
工場内で浮遊菌が製品・容器・包装材などに付着すると、汚染や製品不良を引き起こす可能性があります。「持ち込まない・増やさない・付着させない」という観点で対策を講じましょう。空気だけではなく、物品の清掃・消毒、温湿度管理、作業者の手洗い・服装管理、設備の衛生管理も必要です。
まず、製造工程の衛生度や要求される清浄度に応じて、エリアを区分してください。清浄区域には、清浄な空気を供給しましょう。必要に応じて、工場用空気清浄機を通した空気を供給することもご検討ください。
そして、清浄区域に入場する際のルール(作業着や手袋の交換、手洗い・消毒、粘着ローラーやエアシャワーの使用など)を定めましょう。ホコリや菌を持ち込む可能性がある資材(ダンボールなど)を清浄区域外で開梱するルールも策定してください。そのほか、作業者・原材料・部材・容器・包装材・廃棄物の動線が交差しないように管理することも欠かせません。
◇対策⑥浮遊菌検査で効果を確認する
上述した浮遊菌対策を実施したら、浮遊菌検査によって効果を確認しましょう。代表的な検査方法としては、「落下菌試験法」や「エアーサンプラー法」があります。
落下菌試験法とは、寒天平板培地などのフタを一定時間解放し、落下した菌を培養してから計測する方法です。エアーサンプラー法とは、一定量の空気を吸引してシャーレで捕捉し、寒天培地などで菌を培養してから計測する方法です。
一度だけではなく、検査場所・検査頻度・採取方法・管理基準値を定め、同じ条件で継続的に測定することが重要です。検査結果が基準値を上回った場合は、製造状況を把握したうえで、以下に示す対応を迅速に実施しましょう。なお、基準値は製品の種類ごとに異なるため、詳細は厚生労働省や事業者団体が作成した衛生規範・手引書などをご覧ください。
• 製品への影響範囲の分析
• 製造区域や設備の清掃・消毒
• 空調設備や空気清浄機のフィルター、運転状況の把握
• 温湿度、作業人数、ドアの開閉、動線などの確認
原因を踏まえて改善を実施したら、再検査で基準値以内に戻ったことを確認しましょう。検査結果の記録が蓄積されると、季節変動や工程変更による浮遊菌数の変化を把握することが可能です。
浮遊菌対策にはクリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機
食品工場などで浮遊菌を含む粒子や粉じんを低減したい場合は、工場用空気清浄機の導入をご検討ください。
細菌やカビの胞子は、ホコリや粉体などの微粒子に付着して空気中を漂うことがあるため、空気清浄機を設置すれば、空気中を漂う細菌やカビの胞子を捕集することが可能です。また、栄養源であるホコリや粉体を捕集すれば、カビなどが増殖する要因の低減にもつながります。
おすすめの工場用空気清浄機は、クリーンエア・スカンジナビアの「QleanAir FS 70」です。1台でテニスコート1面分の広さに対応できます。広さが200㎡で天井までの高さが5mの空間であれば、1時間に3回(20分おきに)エリア内のすべての空気が入れ替わる性能があります。確かなフィルターシステムで、集塵機では捕集が難しい25μm以下の浮遊粉じんまでしっかり捕集することが可能です。
設置場所の課題やニーズに応じて、製品バリエーションの中から最適なフィルターや付属品を選べます。設置場所の広さや用途を踏まえて設置台数を提案できるので、ぜひお気軽にご相談ください。
◇デンリー社
ドイツのオーガニック食品卸売会社デンリー社では、チーズ包装製造エリアにおける空気衛生改善(浮遊菌の除去)が課題でした。そこで、クリーンエア・スカンジナビアの工場用空気清浄機「QleanAir FS 70」を導入していただきました。
導入後に測定を実施した結果、クリーンルームレベルの空気品質の実現と、浮遊菌や微小粒子の除去という効果が確認されたとのことです。また、「メンテナンスにより、常に空気清浄機の品質が担保される」「大掛かりな工事が不要で対応も迅速」といったお声を頂戴しております。
まとめ
浮遊菌とは、空気中を浮遊している菌(細菌や真菌)です。文脈によっては、浮遊カビ・浮遊ウイルスも含む浮遊微生物の総称として用いられることもあります。食品工場などでは、浮遊菌が食品や容器・包装材・設備に付着し、製品汚染や品質不良につながる場合があります。
浮遊菌対策では、空調設備・空気清浄機、清掃・消毒、ゾーニング、温湿度管理、作業者・物体の動線管理などを組み合わせることが重要です。
細菌やカビの増殖を抑えるためには、温度・湿度を厳重に管理しなければなりません。また、工場用空気清浄機を設置して、空気中を漂う細菌やカビの胞子、栄養源であるホコリ・粉体を低減することも必要です。そのほか、定期的な浮遊菌検査も欠かせません。検査で基準値を超えた場合は、原因調査・改善・再検査を実施しましょう。
食品工場などにおすすめの工場用空気清浄機は、クリーンエア・スカンジナビアの「QleanAir FS 70」です。不明点や疑問点がある場合は、お気軽にお問い合わせください。
QleanAir FS 70
お問い合わせはこちら


