バグフィルターとは?構造や仕組み、用途を紹介

2022.6.24 空気環境

バグフィルターとは?構造や仕組み、用途を紹介

バグフィルターは代表的なろ過式集じん装置の一つで、さまざまな産業設備で利用されています。

バグフィルターの特徴の一つは、その汎用性の高さにあります。フィルター(ろ布)の素材を変えることで、さまざまな温度や性状のダストに対応が可能です。

しかし一方で、バグフィルターでは捕集できない粉じんもあり、利用すれば安全な環境が作れるとは断言できません。

この記事では、バグフィルターの概要と構造、用途に加え、ろ布の素材による機能の違いについて解説します。さらに、バグフィルター以外に粉じんの捕集に有用な商品を紹介するので、バグフィルターについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

バグフィルターとは



バグフィルターは、排ガス中のダストを集じんするろ過式の機械です。機械全体ではなく、この機械の内部で使われるフィルター(ろ布)のことを、バグフィルターと呼ぶ場合もあります。

ろ布の素材を変えることで、さまざまな温度や性状のダストに対応できるため、バグフィルターは多くの産業設備に用いられています。

ろ布の素材はポリエステルやコットンが主流となっていますが、ナイロンやガラス繊維でできたものもあります。

各素材の特徴は以下のとおりです。

素材 特徴
ポリエステル 耐熱性や酸化還元への抵抗性があり、最も幅広く使われています。ただし、高温、高湿度の環境下では加水分解してしまうため注意が必要です。
コットン 価格は安いものの耐久性が低いため、特殊なダストをろ過しない一般的な集じん機に使用されます。
ナイロン 耐摩耗性に優れており、耐熱性のものは120度前後でも使用できます。
ガラス繊維 耐熱性に優れています。
PPS 耐酸性、耐アルカリ性に優れており、耐熱性も比較的高くなっています。
ポリイミド 高温下での耐熱性、耐酸性に優れており、集じん効率が高いという特徴があります。

集じん機にはバグフィルター以外に、サイクロンという装置を利用する方法もあります。

サイクロンは遠心力を利用して粉体を分離収集する装置で、バグフィルターよりも本体が小型で安価であることから、小さいスペースしかない場合などに利用されます。

ただし、サイクロンはサブミクロン以下の粒子の集じんには向いていません。それぞれの特徴をふまえて、最適な集じん装置を選ぶとよいでしょう。

なお、さまざまなサイズの粒子を同時に集じんするために、バグフィルターとサイクロンを連結させて使用する場合もあります。

バグフィルターはさまざまなダストに対応できるため、汎用性が高い集じん機だといえます。

バグフィルターの構造

バグフィルターは、その内部に円筒状または平板状に加工されたフィルター(ろ布)が吊り下げられた構造となっています。ダストを含んだ排ガスがろ布を通過することで、ダストがろ布表面に付着し、ろ布を通過した清浄なガスが外部に排出されるという仕組みです。

バグフィルターのろ過効率を高めるには、ろ布のメンテナンスが欠かせません。ろ布表面に粉じんが堆積すると、ガスがろ布を通過しづらくなり、ろ過の効率が悪くなってしまいます。ろ布が破損したり劣化したりしてしまうと、ダストがもれて外気を汚染する可能性もあります。

バグフィルターのメンテナンス方法

ろ布のメンテナンス方法は、定期的にろ布についた粉じんを落とす方法と、ろ布自体を交換する方法があります。

ろ布についた粉じんを落とす方法には、「パルスジェット式」「逆圧式」「振動式」などがあり、製品によって使用している方法が異なります。

ろ布に異常がないか確認するには、バグフィルターにダストモニターを設置するのがおすすめです。ダストモニターは、ダスト濃度を計測できる装置です。この装置を用いると、ろ布に異常があった場合に素早く対応できるでしょう。

ダストモニターはろ布の交換を判断する際にも役立ちます。ろ布の交換タイミングはろ布の素材やろ過対象によってさまざまですが、交換のタイミングを見極めれば、メンテナンスコストを減らすことにもつながります。

またメンテナンスと併せてろ過風速を調節することで、バグフィルターの集じん率を上げることもできます。ろ過風速とは、ろ布を通過するガスの平均風速のことです。ろ過風速が低くなると、集じん率は高くなりますが、風速が低すぎるとろ過に時間がかかってしまうため、最適なろ過風速を選択することが大切だといえるでしょう。

バグフィルターの用途と注意点



バグフィルターはその機能を使って、集じん以外にもさまざまな用途に利用されています。バグフィルターのおもな用途は以下のとおりです。

・粉体の捕集
・乾燥機排気
・粉砕品の回収
・空気輸送の気抜き
・局所集じん
・黒煙除去
・外気取り入れ

上記のように、集じん以外のさまざまな用途にも利用できることから、バグフィルターは非常に汎用性の高い機械だといえるでしょう。

ただし、バグフィルターや換気設備だけでは、粉じんやカビ胞子を除去しきれない場合がある点は注意が必要です。

浮遊粉じんを除去できないと、粉じんが設備に堆積して不具合が発生する可能性があるほか、粉じん混入による歩留まり減少や、カビの繁殖を引き起こす場合があります。

そして、機械設備に不具合を起こすだけではなく、人体にも悪影響を及ぼします(※)

1マイクロメートル以下から100ナノメートル以上の粒子が人体に吸入されると、半分以上が呼気とともに吐き出されます。しかし、粒子が小さくなるにしたがって気管支や肺に沈着しやすくなる傾向があります。

20ナノメートル以下の粒子は血液中に入りやすいだけではなく、炎症や血栓が生じやすくなるだけではなく、心臓や肝臓などの臓器にも影響を与えるといわれています。

(※)独立行政法人 国立環境研究所「環境儀」微小粒子の健康影響

そのため、バグフィルターだけではなく、微小な粉じんも捕集できる空気清浄機を活用するのも1つの方法です。

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それぞれ、日本のJIS(日本産業企画)よりも厳格なヨーロッパの統一規格であるEN基準を満たしたHEPA14フィルターを活用しています。99.995%以上のろ過効率で0.1~0.2マイクロメートルの粒子を捕集できるため、きれいな空気環境が求められる病院やオフィスでも活用されています。

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まとめ

バグフィルターは代表的な集じん装置の一つです。フィルター(ろ布)の素材を変化させることでさまざまなダストに対応できるため、バグフィルターは多くの設備に用いられています。

バグフィルターの性能を最大限発揮させるには、ろ布の素材の選定やメンテナンス、ろ過風速の調節などが欠かせません。ただし、バグフィルターでは微小な粒子を捕集できない場合もあります。

捕集しきれなかった粒子が含まれる空気を吸い込んだ結果、体内に粒子が沈着し悪影響を及ぼす可能性も考慮しなくてはなりません。

クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機はさまざまな現場で使用でき、屋内での集じんに最適です。

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