有圧換気扇とは?業務用換気扇との違いや選び方について解説

2024.4.26 空気環境

有圧換気扇とは?業務用換気扇との違いや選び方について解説

工場や倉庫、飲食店などでは、排気・換気の問題に頭を悩ませている方も多いでしょう。そのような方におすすめなのが、有圧換気扇です。有圧換気扇は、通常の業務用換気扇よりも高効率かつ大容量の換気ができます。

ただし、選ぶ際にはいくつか気を付けるべきポイントがあるため注意が必要です。この記事では、有圧換気扇と業務用換気扇の違いや選び方、利用する際の注意点などについて詳しく解説します。

有圧換気扇とは?

有圧換気扇は、おもに工場や倉庫、飲食店といった場所に設置されている一般的な換気扇よりも高性能の換気扇です。工場や倉庫、飲食店でよく設置されている理由は、有圧換気扇であれば通常の業務用換気扇のように外気の影響を受けることなく、多くの空気を入れ替えできるからです。例えば、工場や飲食店では熱やガス、煙、臭いなどが発生します。有圧換気扇は、いつでもこれらを短時間で大量に外部に排出できる、というわけです。

有圧換気扇と業務用換気扇の違い



有圧換気扇と通常の業務用換気扇の違いは、静圧の有無にあります。静圧とは、空気が周囲を押し出す力のことです。空気がいっぱい詰まった風船を思い浮かべるとよいでしょう。

有圧換気扇は、空気の流れを整えるベルマウスというプロペラ周りにある部品を装着することで、室内を空気が詰まった風船のような状態にできるのです。この風船に穴をあけると、中の空気が一気に外へ出ます。同じような原理で、有圧換気扇は短時間で大量の空気を入れ替えることができるわけです。

また、ベルマウスがない通常の業務用換気扇は、ファンを回転させることで空気を吸い出したり押し出したりします。しかし、この方式では風圧や気圧の影響によって換気効率が低下する可能性があります。

風の強い日などは、排気できる量が少なくなってしまうことがあるのです。しかし、ベルマウスを装着した有圧換気扇では、ファンが空気に圧力をかけることで外気の影響を受けずに換気を行うことができます。

有圧換気扇の選び方



有圧換気扇といっても、さまざまな種類があります。ここからは、シチュエーション別にどのような有圧換気扇を選べばよいのか、詳しく解説します。


◇人目につく場所で使う場合
飲食店やオフィス、学校、公共施設などは、換気扇が人目につきやすいです。そのような場所では、デザイン性と機能性を兼ね備えたインテリア型有圧換気扇を選びましょう。

インテリア型有圧換気扇は、有圧換気扇の機能を持ちながら、デザイン性や施工性が一般換気扇と同じようなタイプです。プロペラ部分のカバーが格子タイプになっているものやメッシュタイプのもの、ガードタイプのものなどがあります。


◇工場や倉庫で使う場合
工場や倉庫、作業場のような仕事場で有圧換気扇を使用する場合、音がうるさいと仕事の邪魔になってしまいます。そのような場所では、できる限り音が出ない低騒音形を選びましょう。

例えば、低騒音形の有圧換気扇のなかにはプロペラの形状を工夫することで低騒音化を実現しているものがあります。そのほか、プロペラ部分にフィルターを付けることでも音を減らせます。


◇湿度の高い場所で使う場合
温泉施設や屋内プールなど、湿度の高い場所に有圧換気扇を設置した場合、湿度によって換気扇が錆びてしまう可能性があります。部品が錆びると換気扇の性能が落ちるうえ、最悪の場合、錆びが原因で故障や事故につながる危険性もあります。

そうした場所に設置するならば、防錆素材のものやステンレス製になっているものを選びましょう。ステンレスは、表面に不動態皮膜と呼ばれる膜を張ることで錆びにくい性質を持っています。厨房のように油が多い場所や化学工場など、湿度や塩素の影響を受けてしまう場所にもステンレス製がおすすめです。


◇広い空間で使う場合
大きな工場や作業場のような広い空間に設置する場合、重要なポイントとなるのが換気扇の風量やパワーです。広い場所で使用する場合には、排気や給気を大容量でしてくれるタイプを選びましょう。換気パワー不足だと室内に有害物質や粉塵などが多くなり、人体に悪影響をおよぼしてしまう危険性があります。

有圧換気扇のパワーは、搭載しているモーターによって異なります。例えば、有圧換気扇のモーターには4Pと6Pがありますが、風量とパワーがより強いのは4Pです。ただし、風量とパワーが強いと、その分作動音も大きくなるため、注意が必要です。

有圧換気扇を利用する際の注意点

有圧換気扇を利用する際に注意すべき2つのポイントを解説します。


◇近隣に煙や臭い、騒音が届きやすい
有圧換気扇は壁に設置することから、壁伝いに煙や臭い、騒音が伝わりやすい特徴があります。そのため、設置する際には近隣の住宅や店舗への影響などを考慮しなければなりません。例えば、設置場所は風向や風速を考慮し、煙や臭いが直接近隣に伝わらない場所を選びましょう。

また、騒音が伝わりにくい場所に設置することも大切です。そのほかの騒音対策としては、排気ダクトに防音パネルを使用するとよいでしょう。夜間や早朝は使用を控えることも検討すべきです。

臭い対策としてまず挙げられるのは、脱臭フィルターの使用です。排気口周辺を清潔に保つことも効果があります。

そのほか、必要であれば設置前に近隣に挨拶し、説明を行ないましょう。苦情があった場合は速やかに対応することも重要なポイントです。


◇設置、取り付けは専門業者へ依頼する
有圧換気扇は、一般的な換気扇よりも高所に設置することが多いです。また、換気設備は設置場所や風量によっては建築基準法に抵触する可能性があることから、適切な風量計算を行なわなければなりません。そのため、安全かつ確実に設置するためには専門的な知識と技術が必要になります。設置・取り付けの際は専門業者に依頼するのがおすすめです。

専門業者であれば、高所作業や電気工事といった専門的な知識と技術が必要な作業を安全かつ確実に行なってくれますし、適切な設置場所の選定や風量計算も任せられます。また、建築基準法や消防法・火災予防条例などの法令に基づいた設置をしてくれるのもうれしいポイントです。

油・煙の多い厨房の換気問題にクリーンエア・スカンジナビアのQleanAir ESP

排気口から出る臭いを抑えたい方におすすめなのが、厨房用電気集塵機のQlean Air ESPシリーズです。

QleanAir ESPシリーズは、ダクト部分にインラインで設置するタイプの集塵機です。イオナイザーと集塵プレートで油や煙の粒子を最大99%除去するため、きれいな空気を外に排出します。0.01ミクロンの微粒子まで処理でき、油や煙だけでなく、臭い対策にも効果が期待できます。

最小サイズのQleanAir ESP 1500から最大サイズのQleanAir ESP 6000まで4タイプの大きさがあり、それぞれモジュール構造となっています。そのため、油煙の発生量や濃度に応じて必要な分だけユニットを水平、垂直に組み合わせることが可能です。また、IP65レーティングを取得しており、屋外に設置できます。定期的な清掃やメンテナンスはメーカーが対応してくれるため、自身で行なう必要はありません。

QleanAir ESPシリーズは焼肉店や焼鳥屋、中華料理店のように油煙が多く出る飲食店や食品工場の排気・換気問題解決に大きく寄与するでしょう。

本製品の詳細は以下のページでご確認ください。
QleanAir ESPシリーズ

まとめ

有圧換気扇は、ベルマウスを装着することで圧力を高める換気扇です。一般的な業務用換気扇とは異なり、外気の影響を受けずに大量の排気や給気が行なえます。さまざまなタイプのものがあるため、設置したい場所に合ったものを選びましょう。また、設置する際には近隣住民への影響を考慮する必要があります。換気扇から排出される臭いを抑えたい方には、クリーンエア・スカンジナビアのQleanAir ESPがおすすめです。