換気システムの必要性とは?種類別のメリットとデメリットも解説

2022.6.24 空気環境

換気システムの必要性とは?種類別のメリットとデメリットも解説

近年の建築物は気密性が向上していますが、一方でシックハウス症候群が問題となっています。そのため2003年に改正された建築基準法で、すべての建築物で換気システムの導入が義務づけられました。また近年、換気システムはシックハウス症候群対策だけではなく、新型コロナウイルスなど感染症対策としても注目されています。

この記事では、換気システムの必要性や種類別のメリット・デメリットを解説します。換気システムと空気清浄機との違いや併用のメリットなどもお伝えしますので、換気システムについて興味のある方は参考にしてください。

換気システムとは

換気と聞くと、窓を開けて空気を入れ替えるイメージがありますが、換気システムは窓を開けることなく機械を用いて換気する仕組みです。換気システムは「24時間換気システム」や「常期換気」とも呼ばれます。

台所や浴室などに設置された換気扇も換気システムの一部ですが、換気扇は「局所換気」と呼ばれ、湿気や臭いなどを一気に排出するものです。一方で建物全体を換気する「常期換気」では、建物内全体の空気をゆっくり入れ替えていくことを目的としています。

2003年7月の建築基準法改正によって、住宅やオフィスなどすべての建築物で換気システムの設置が義務づけられました。住宅の場合は、換気回数0.5回/1時間となり、1時間で部屋の空気の半分が入れ替えられる設備が必要です。

換気システムの必要性



換気システムの設置が義務化されたおもな理由は、シックハウス症候群を防ぐためです。

シックハウス症候群とは、建材の接着剤などに含まれるホルムアルデヒドやアセトアルデヒドといった化学物質による健康被害のことです。シックハウス症候群は、化学物質以外にも結露によるカビやダニ、一酸化炭素や二酸化炭素、PM2.5などが原因で起きることがあります。

換気システムを導入すれば、建物内の有害物質の濃度を下げることができ、屋内の空気が動くことによって、結露やカビを抑えることも可能です。また、給気口にフィルターを設置すれば、花粉やチリ、PM2.5など外気中の有害物質の侵入も防げます。

また、最近では新型コロナウイルスなどの感染症対策でも注目されています。集団感染が生じた場所で共通する3条件、いわゆる3密の一つである“換気の悪い密閉空間”を防ぐ目的でも換気システムは有効です。

3つの換気方法



換気システムには、第一種換気・第二種換気・第三種換気の3方式があります。それぞれどういった方式なのかを確認していきましょう。

◇第一種換気
第一種換気とは、給気と排気をどちらとも機械で行う換気方式です。部屋ごとに機械を設置して換気を行う「分散型」と、各部屋をダクトで結んで給排気を1台の機械で行う「集中型」があります。

給気・排気とも機械でコントロールするため、3方式のなかでは最も空気の流れを制御しやすく、建物の気密性が低くても効果が得られやすいのが特徴です。給気側へのフィルター設置で、外気中のPM2.5など有害物質の侵入も防げます。

さらに、第一種換気では換気と省エネの両立が可能です。窓を開けて換気をした場合、冬は寒く夏は暑い外気が入ってくるため、光熱費がかさんでしまいがちです。しかし第一種換気の場合、熱交換器を使えば、排気の熱を回収して給気の熱として与えられるため、外気と屋内の気温差を抑えることが可能です。製品によっては、熱交換率が最大90%になるものもあり、冷暖房効率を妨げることがありません。

デメリットとしては、給気・排気ともに機械の設置が必要であるため、導入コストが高くなってしまうことが挙げられます。

◇第二種換気
第二種換気とは、給気のみを機械で行い、排気は自然に任せる方式です。強制的に給気するため室内の気圧が外気よりも高くなり、外部からチリやほこり、有害物質などが侵入しにくくなります。また、機械の設置が給気側のみであるため、導入コストが抑えられる点もメリットの一つです。

一方でデメリットとしては、屋内の湿気が壁の中に入り込み、内部結露の原因になってしまうことが挙げられます。また、第一種換気のような熱交換器は使えないため、冬の寒い空気や夏の暑い空気がそのまま給気されるのも欠点といえるでしょう。

こういった特徴から、第二種換気は一般住宅ではあまり導入されておらず、無菌室やクリーンルームでおもに採用されています。

◇第三種換気
第三種換気は、排気のみを機械で行い、給気は給気口から自然に入ってくる方式です。メリットとしては、気密性が高い建築物では換気効果が高いことや、導入コストが低いことなどです。

一方で気密性の低い家は、天井など意図しない場所から外気が入るため、部屋によって換気が不十分になる可能性があるほか、冷暖房効率が悪い点がデメリットです。また、熱交換器やフィルターを設置できない点も欠点でしょう。

換気システムと空気清浄機の併用が有効

換気システムと空気清浄機は同じもののように思われるかもしれませんが、役割はまったく異なります。換気システムは給気口にフィルターを設置する場合などを除いて、空気自体をきれいにする機能はありません。一方で空気清浄機は、外気と屋内の空気の入れ替えはできませんが、有害物質を取り除くことができます。そのため、換気システムと空気清浄機のどちらかを選ぶのではなく、両方を併用するのがベストです。

特に感染症対策では、空気清浄機と換気システムの併用が効果的です。感染症を防ぐためには、1時間に6~12回の換気が必要とされています。しかし、一般的なオフィスでの換気能力は1時間あたり1~2回程度でしょう(※)。そういった職場では、換気不足を補うために空気清浄機が有用です。

※参照:換気回数の計算方法とは?1日、どれくらい換気をすれば良いのか │ 分煙・空気清浄機のクリーンエア (qleanair.jp)

換気システムと併せて導入したい、おすすめの空気清浄機

クリーンエア・スカンジナビアの「QleanAir FS 30 HEPA」は、オフィス向けの空気清浄機です。欧州のフィルター規格「EN1822」のH14グレードをクリアしている「HEPA14フィルター」を使用しています。

日本で一般的にHEPAフィルターと呼ばれているものはJIS規格で、0.3μmの粒子を99.97%以上で捕集するものです。しかし、ウイルスの大きさは0.1~0.2μmであるため、十分に捕集できるとはいえません。一方で「HEPA14フィルター」は、MPPSと呼ばれる0.1~0.2μmサイズの粒子を99.995%以上で捕集でき、ウイルスに対しても有効です。

「QleanAir FS 30 HEPA」は1台で1時間あたり740㎥の処理風量があります。オフィスが広い場合は、さらに処理風量の多い「QleanAir FS 70 HEPA」がおすすめです。

「QleanAir FS 70 HEPA」であれば、1時間あたりの処理風量が2000㎥であるため、広い空間でも対応できます。オフィスでの感染症対策に「QleanAir FS 30 HEPA」や「QleanAir FS 70 HEPA」の導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機について詳しく見る

まとめ

換気システムは、建築基準法で設置が義務づけられており、シックハウス症候群を防止する意味でも必要な設備です。さらに近年では、新型コロナウイルスなどの感染症対策としても、換気システムが注目を集めています。

換気システムと空気清浄機は役割が異なるため、どちらか片方を導入すれば良いというものではありません。二つを併用して使うのがベストです。

クリーンエア・スカンジナビアの空気清浄機「QleanAir FS 30 HEPA」や「QleanAir FS 70 HEPA」であれば、ウイルスなど0.1~0.2μmのごく微少な粒子も捕集できます。換気システムと併せてお使いいただき、オフィスでの感染症対策を行ってください。