ラウンジの喫煙ブース対策とは?設置時のルールや注意点を解説

空港やホテル、商業施設などにある休憩用ラウンジでは、適切な受動喫煙防止対策が求められます。しかし、自施設のラウンジが法令上どの区分に該当し、どのような基準を満たすべきか、判断に迷う施設担当者の方もいるでしょう。
この記事では、休憩用ラウンジの法令上の位置づけをはじめ、設置できる喫煙室・喫煙ブースの基準や設置時の注意点をわかりやすく解説します。
ラウンジに求められる受動喫煙防止対策
空港やホテル、商業施設などにある休憩用ラウンジには、仕事の合間の休憩や商談、一時滞在など、さまざまな目的を持つ利用者が訪れます。喫煙者・非喫煙者の双方が利用する空間であるため、誰もが快適に過ごせる環境づくりが欠かせません。
2020年4月に全面施行された改正健康増進法では、これらのラウンジも規制対象となっており、施設管理者は法令に沿った受動喫煙防止対策(分煙対策)を推進することが求められています。
◇空港ラウンジでも進む喫煙所の見直し
利用者が長時間滞在する施設では、受動喫煙防止対策の徹底や環境改善を目的として、喫煙所の設置や構造の見直しがおこなわれています。羽田空港旅客ターミナルでは、厚生労働省のガイドラインに基づき、第1・第2旅客ターミナルの喫煙室を再配置した実績があります。
タバコの煙やニオイの流出を抑える構造への刷新や適切な配置への見直しは、空港に限らず、多くの人が利用する休憩用ラウンジ全般に共通する対応といえるでしょう。
空港やホテルなどのラウンジは法令上の「第二種施設」に該当する
空港やホテル、商業施設などに併設され、休憩などを主目的とするラウンジは、改正健康増進法において「第二種施設」に分類されます。
| 施設区分 | 定義 | 具体例 | 屋内での喫煙ルール |
| 第一種施設 | 主に受動喫煙によって健康を損なうおそれが高い者が利用する施設 | 学校、児童福祉施設、病院、診療所、行政機関の庁舎など | 原則敷地内禁煙 屋内喫煙は全面的に禁止 屋外喫煙は受動喫煙しないように配慮された「特定屋外喫煙場所」を設置すれば可能 |
| 第二種施設 | 第一種施設・喫煙目的施設以外の多数の者が利用する施設(個人の自宅やホテルの客室など、「人の居住の用に供する場所」は適用対象外) | 事務所、工場、ホテル(客室以外)、飲食店、国会、裁判所、旅客運送事業船舶、鉄道、スポーツ施設など | 原則屋内禁煙 ただし、技術的基準を満たす「喫煙専用室」などを設置すれば、例外的に屋内喫煙が可能 |
| 喫煙目的施設 | 喫煙してもらうことを主な目的とする施設(「タバコ販売店資格がある」「主食を提供していない」といった条件を満たす場合) | 喫煙を主目的とするバーやスナック、店内で喫煙可能なタバコ販売店、公衆喫煙所など | 屋内喫煙が可能 技術的基準を満たす「喫煙目的室」などの設置が必要 |
第二種施設に該当する休憩用ラウンジは原則屋内禁煙ですが、技術的基準を満たす「喫煙専用室」や「脱煙機能付き喫煙ブース(分煙キャビン)」を設置すれば、経営判断によって屋内での喫煙所の確保が可能です。
「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」はラウンジに設置可能

第二種施設であるラウンジに設置できる喫煙設備は、主に「喫煙専用室」と「加熱式たばこ専用喫煙室」の2種類です。
| 喫煙専用室 | ● 喫煙可能(紙巻きタバコ・加熱式タバコ) ● 飲食などは認められない ● 一般的な事業者が設置可能 |
| 加熱式たばこ専用喫煙室 | ● 喫煙可能(加熱式タバコのみ) ● 飲食など可能 ● 一般的な事業者が設置可能(経過措置) |
なお、喫煙専用室の設置要件を満たせない場合は、要件を満たす「脱煙機能付き喫煙ブース」の設置で代用できる場合があります。
ラウンジに喫煙室・喫煙ブースを設置する際に守るべきルール
ラウンジに喫煙室・喫煙ブースを設置する場合、タバコの煙の流出を防ぐための技術的基準をはじめ、標識の掲示や年齢制限といった複数のルールを満たす必要があります。以下では、設置時に守るべき主なルールを詳しく解説します。
◇タバコの煙の流出を防ぐ技術的基準
ラウンジ内に喫煙専用室を設置する場合、原則として以下の技術的基準を全て満たす必要があります。
● 出入口で室外から室内へ流入する空気の気流が、入口の上中下3ヶ所で0.2m/s以上ある
● タバコの煙(蒸気を含む)が室内から室外に流出しないように壁・天井などで区画されている
● タバコの煙が屋外または外部に排気される
ただし、既存の建築物で構造上(管理権原者の責めに帰することができない事由があって)ダクトを通じた屋外排気が困難な場合は、「脱煙機能付き喫煙ブース」の設置による代替が認められています。この場合、以下の3つの基準を全て満たすことが求められます。
● 出入口で室外から室内へ流入する空気の気流が、入口の上中下3ヶ所で0.2m/s以上ある
● 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上ある
● 装置によって浄化され、室外に排気される空気中の浮遊粉じん量が0.015mg/㎥以下である
設置後は、測定やフィルター交換などを実施して適切に運用しましょう。測定方法などの詳細は、厚生労働省の公式Webサイトでご確認ください。
出典:たばこ煙の流出防止措置の効果を確認するための測定方法の例|厚生労働省
出典:脱煙機能付き喫煙ブースの性能を確認するための測定方法の例|厚生労働省
関連記事:喫煙専用室とは?設置基準や助成金受給の条件などを解説
関連記事:喫煙室のタイプや設置基準を解説。バーやレストランで喫煙はできる?
◇標識の掲示と20歳未満の立ち入り制限
喫煙可能な設備を設置した施設は、喫煙室の種類に応じて定められた標識を掲示することが義務付けられています。紛らわしい標識の掲示や、標識が汚損・破損した状態での放置は禁止されており、違反した場合は罰則の対象となる点にも注意が必要です。
また、20歳未満の方は来店客・従業員を問わず、喫煙エリアへの立ち入りが一切禁止されています。空港やホテルなどのラウンジは幅広い年齢層の方が利用するため、視認性の高い標識掲示と立ち入り制限の徹底が不可欠です。
改正健康増進法に違反した場合のペナルティ
改正健康増進法で定められている受動喫煙防止対策などの義務に違反した場合、さまざまなペナルティを受ける可能性があります。
まず行政から指導・助言が行われ、それでも改善が見られない場合には、勧告・命令の対象となります。是正命令に従わない場合は、社名公表や過料の対象となる規定となっているため注意が必要です。
過料の金額として、喫煙禁止場所で喫煙した本人には30万円以下、標識の未掲示や基準不適合といった施設側の不備に対しては、管理権原者に50万円以下の過料が科されることがあります。
スムーズな施設運営を行うためにも、計画段階で技術基準や運用ルールを正しく把握しておきましょう。
関連記事:改正健康増進法の違反で罰則を受けないために!改正によるポイントや義務付けられたことを解説
休憩用ラウンジに喫煙室・喫煙ブースを設置する際の注意点
休憩用ラウンジにおける分煙対策では、単に法令上の技術的基準をクリアするだけでなく、空間の快適性や利用シーンに応じた配慮も欠かせません。具体的には、以下の5つのポイントを押さえて計画を進めることが大切です。
◇多様な利用シーンへの配慮
空港やホテルなどのラウンジには、短時間の待ち合わせから仕事、食事まで、さまざまな目的の利用者が訪れます。例えば、ゆったり食事を楽しむ人と短時間利用の人とでは、タバコの煙やニオイに対する感度も異なります。多様なシーンに対応するためには、単に喫煙スペースを設置するだけでなく、ラウンジ全体の利用体験を考慮した配置計画が求められます。
◇設置場所と動線への配慮
出入口や人通りの多い主要通路の近くに喫煙室や喫煙ブースを配置すると、出入りの際にタバコの煙やニオイが漏れやすくなります。非喫煙者の動線から適度に離した場所を選び、混雑時の待機列が通行の妨げにならないよう配慮することが重要です。
◇空間デザインへの配慮
休憩用ラウンジの魅力を損なわないためには、既存の内装や空間全体の雰囲気に馴染む設備を選ぶことが大切です。大掛かりな改修工事を行わずに設置する場合でも、ラウンジのデザインを崩さない仕様・配置を検討することで、施設が持つ上質な空間価値を維持しやすくなります。
◇飲食店に該当する場合のルール
空港やホテルのラウンジ内で飲食物を提供している場合、以下の要件を満たす「既存特定飲食提供施設」であれば、経過措置の適用対象となる場合があります。
● 2020年4月1日時点で営業している飲食店
● 資本金または出資の総額が5,000万円以下
● 客席面積が100㎡以下
既存特定飲食提供施設では、喫煙室内での飲食などのサービス提供が可能な「喫煙可能室」の設置が認められています。
ただし、自治体によっては「従業員を雇用しない施設」など、既存特定飲食提供施設に対して独自の基準を設けているケースもあるため(例:東京都)、所轄自治体への確認が必要です。
◇ビニールカーテンなど簡易対策の限界
ビニールカーテンなどの簡易な仕切りでは、気流方向や風速、完全な区画といった技術的基準を満たすことが難しいのが実情です。法令に適合した環境を整えるには、基準を満たした喫煙専用室や喫煙ブースの導入が必要です。
ラウンジの喫煙ブース対策はクリーンエア・スカンジナビアへご相談を
ラウンジ内に法律要件を満たした喫煙室を確保することが難しい場合や、メンテナンスに人手を割けない場合は、クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」がおすすめです。主な特長は以下のとおりです。
● 100Vのアース付き電源と空きスペースさえあれば屋内のどこにでも設置でき、喫煙専用室のように部屋を確保する必要がない
● 大規模な工事が不要で、高額な費用や長い工期をかけずに導入できる
● 定期的なメンテナンスが実施されており、いつも快適な喫煙環境を維持できる
● タバコの煙が拡散する前に捕集し、独自開発のガスフィルターによってほぼ100%除去※
● 改正健康増進法に則った法律要件の測定やレポートへの対応まで一括してサポート
設置のしやすさと高い除煙性能を兼ね備えており、ラウンジの分煙対策として幅広く活用できるでしょう。
※厳密には、粉塵の捕集率は99.99966%(0.87〜0.11μm)です(スウェーデン王立研究所が2004年3月26日に計測)。
まとめ
空港やホテルなどにある休憩用ラウンジでは、喫煙専用室などを適切に設置することで、屋内での喫煙環境を維持することが可能です。
屋外排気が困難な既存建物では、脱煙機能付き喫煙ブースで代用できる措置が用意されており、条件を満たす既存特定飲食提供施設には喫煙可能室という選択肢もあります。一方で、ビニールカーテンのような簡易な間仕切りでは技術的基準を満たすことが難しいため、法令に対応した設備の導入が現実的な解決策となるでしょう。
法律要件を満たす喫煙専用室の確保が難しい場合は、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンの導入をご検討ください。
クリーンエア・スカンジナビアの分煙機(キャビンソリューション)
お問い合わせはこちら







