ゴルフ場の分煙対策とは?喫煙所・喫煙ブースの設置ルールや注意点を解説

多くのゴルファーが訪れるゴルフ場では、喫煙者・非喫煙者の双方が快適に過ごせる環境づくりと、安全面への配慮が求められます。改正健康増進法の施行に伴い、多数の人が利用する施設での喫煙ルールは明確化されており、ゴルフ場も例外ではありません。
また、コース内における吸い殻の不始末による火災リスクを防ぐ観点からも、適切な喫煙スペースの整備は重要です。
この記事では、ゴルフ場の法令上の施設区分をはじめ、設置できる喫煙室の種類、火災予防のポイント、分煙対策の注意点を詳しく解説します。
ゴルフ場の法令上の施設区分は?
改正健康増進法では、多数の者が利用する施設を「第一種施設」「第二種施設」「喫煙目的施設」の3つに区分しています。ゴルフ場は「クラブハウス(屋内)」「コース(屋外)」「練習場(屋内・屋外)」で構成されており、エリアによって適用されるルールが異なります。
| 施設区分 | 定義 | 具体例 | 屋内での喫煙ルール |
| 第一種施設 | 主に受動喫煙によって健康を損なうおそれが高い者が利用する施設 | 学校、児童福祉施設、病院、診療所、行政機関の庁舎など | 原則敷地内禁煙 屋内喫煙は全面的に禁止 屋外喫煙は受動喫煙しないように配慮された「特定屋外喫煙場所」を設置すれば可能 |
| 第二種施設 | 第一種施設・喫煙目的施設以外の多数の者が利用する施設(個人の自宅やホテルの客室など、「人の居住の用に供する場所」は適用対象外) | 事務所、工場、ホテル(客室以外)、飲食店、国会、裁判所、旅客運送事業船舶、鉄道、スポーツ施設など | 原則屋内禁煙 ただし、技術的基準を満たす「喫煙専用室」などを設置すれば、例外的に屋内喫煙が可能 |
| 喫煙目的施設 | 喫煙してもらうことを主な目的とする施設(「タバコ販売店資格がある」「主食を提供していない」といった条件を満たす場合) | 喫煙を主目的とするバーやスナック、店内で喫煙可能なタバコ販売店、公衆喫煙所など | 屋内喫煙が可能 技術的基準を満たす「喫煙目的室」などの設置が必要 |
以下ではゴルフ場のそれぞれのエリアの区分を整理して紹介します。
◇ゴルフ場のクラブハウスは「第二種施設」
ゴルフ場のクラブハウスは屋内施設にあたるため、改正健康増進法上は「第二種施設」に区分されます。ゴルフ場はスポーツ・レジャーの提供を主目的とする施設であり、喫煙目的施設には該当しません。
そのため、クラブハウス内は原則屋内禁煙となります。ただし、条件を満たす「喫煙専用室」や「脱煙機能付き喫煙ブース」を設置した場合に限り、その室内でのみ喫煙が認められます。
◇ゴルフ場のコースは「屋外」扱い
ゴルフ場で実際にプレーを行うコースエリアは屋外にあたるため、改正健康増進法による屋内喫煙規制の直接の対象にはなりません。ただし、屋外であっても周囲への配慮義務が適用されます。
コース上に灰皿(喫煙所)を設置する際には、同伴プレイヤーや後続組、近隣への影響に十分配慮することが大切です。
※屋外でも、改正健康増進法第27条により、望まない受動喫煙が生じないよう周囲の状況への配慮が必要です。自治体の条例等で喫煙が規制される場合もあるため、設置前に所在地のルールを確認しましょう。
◇屋根付き練習場は「屋内」扱い・屋根のない練習場は「屋外」扱い
練習場の扱いは、その構造によって異なります。屋根と側壁の半分以上を覆う構造であれば「屋内」とみなされ、第二種施設として規制の対象となります。
一方、河川敷のような屋根のない開放的な練習場は「屋外」として扱われるため、直接の規制対象にはなりません。
同じ練習場であっても構造によってルールが変わるため、事前に自施設の仕様を確認しておきましょう。
ゴルフ場の屋内に設置できる喫煙スペース
第二種施設に該当するゴルフ場のクラブハウスや屋内練習場などのエリアでは、所定の要件を満たす喫煙室・喫煙ブースを設置することで屋内での喫煙スペースを確保できます。
一般的な事業者が設置できる喫煙室は、「喫煙専用室」と「加熱式たばこ専用喫煙室」の2種類です。
| 喫煙専用室 | ● 喫煙可能(紙巻きタバコ・加熱式タバコ) ● 飲食などは認められない ● 一般的な事業者が設置可能 |
| 加熱式たばこ専用喫煙室 | ● 喫煙可能(加熱式タバコのみ) ● 飲食など可能 ● 一般的な事業者が設置可能(経過措置) |
なお、喫煙専用室の設置要件を満たすことが難しい場合は、経過措置として要件を満たす「脱煙機能付き喫煙ブース(分煙キャビン)」の設置で代用できるケースがあります。
関連記事:喫煙室のタイプや設置基準を解説。バーやレストランで喫煙はできる?
ゴルフ場に喫煙室・喫煙ブースを設置する際に守るべきルール
ゴルフ場に喫煙室・喫煙ブースを設置する場合、法令で定められた技術的基準や標識の掲示義務を遵守する必要があります。設置にあたって押さえておくべき基準を、以下で詳しく解説します。
◇タバコの煙の流出を防ぐ技術的基準
ゴルフ場の屋内に設置する喫煙専用室は、原則として以下の技術的基準を全て満たす必要があります。
● 出入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/s以上ある
● タバコの煙(蒸気を含む)が室内から室外に流出しないように壁・天井などで区画されている
● タバコの煙が屋外または外部に排気される
ただし、既存の建築物で構造上(管理権原者の責めに帰することができない事由があって)ダクトを通じた屋外排気が困難な場合は、「脱煙機能付き喫煙ブース」の設置による代替が認められています。この場合、以下の3つの基準を全て満たすことが求められます。
● 出入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/s以上ある
● 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上ある
● 装置によって浄化され、室外に排気される空気中の浮遊粉じん量が0.015mg/㎥以下である
設置後は、測定やフィルター交換などを実施して適切に運用しましょう。測定方法などの詳細は、厚生労働省の公式Webサイトでご確認ください。
出典:たばこ煙の流出防止措置の効果を確認するための測定方法の例|厚生労働省
出典:脱煙機能付き喫煙ブースの性能を確認するための測定方法の例|厚生労働省
関連記事:喫煙専用室とは?設置基準や助成金受給の条件などを解説
関連記事:喫煙室のタイプや設置基準を解説。バーやレストランで喫煙はできる?
◇標識の掲示と20歳未満の立ち入り制限
喫煙可能な設備(喫煙室・喫煙ブース)を設置した施設には、喫煙室の種類に応じた標識の掲示が義務付けられています。紛らわしい標識の掲示や標識の汚損・破損などは禁止されており、利用者が一目で認識できる状態を維持しなければなりません。
また、20歳未満の方は来店客・従業員を問わず、喫煙スペースへの立ち入りが一切禁止されています。ジュニアゴルファーや家族連れの利用も多いゴルフ場では、視認性の高い標識掲示に加え、スタッフによる声かけや案内を徹底することが大切です。
コース内の喫煙が引き起こす火災リスク
ゴルフ場の分煙対策は、法令遵守だけでなく火災予防の観点からも重要性が高まっています。
特に芝が乾燥する季節においては、コース上に捨てられた吸い殻が火種となり、広大な敷地や山林へ火が燃え広がる重大な事故を引き起こしかねません。
そのため、安全管理や防災の観点から、敷地内での喫煙ルールを独自に厳格化したり、指定エリア以外での喫煙を禁止したりするゴルフ場が増えています。
◇加熱式・電子タバコでも油断は禁物
加熱式タバコは火を使わないものの、内部のヒーターや電池が高温になる製品もあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。電子タバコ(VAPE)についても同様に、コース上での使用・保管には安全面への配慮が求められます。
また、いずれの製品であっても指定場所以外での吸い殻のポイ捨てはマナー違反であり、思わぬトラブルの要因となります。「火を使わないから安全」と過信せず、指定された場所での利用を周知・徹底することが不可欠です。
ゴルフ施設の分煙対策で押さえておきたい注意点

ゴルフ場の分煙対策は、単に喫煙スペースを設けるだけでなく、プレー動線や利用者の快適性に配慮した配置が求められます。ここでは、特に押さえておきたい4つの注意点を紹介します。
◇喫煙者・非喫煙者双方への配慮
屋内に喫煙室・喫煙ブースを設置する際は、喫煙者が利用しやすい位置を選びつつ、非喫煙者の主動線からは十分に離す配慮が必要です。
例えば、クラブハウス内のロビーやラウンジなど、多くの利用者が行き交う場所に隣接させると、扉の開閉時に煙やニオイが漏れて非喫煙者に届きやすくなります。適度な距離を保つことが、来場者全員の満足度向上につながるでしょう。
◇プレーの動線・待機列を考慮した設置場所
ゴルフ場では、スタート前の待機時間やハーフターンの休憩時間など、利用者が一定の場所に滞留するタイミングを踏まえ、設置場所を検討することが大切です。
ロビー付近やハーフターン休憩所の近くなど、プレーの進行を妨げない位置に喫煙スペースを設けることで、利用者がスムーズに立ち寄れる快適な動線を確保できるでしょう。
◇コース内複数ヶ所への喫煙スペース設置
コース上は屋外のため法令の直接規制対象外ですが、指定の喫煙場所を明確にしておくことで、コース内での喫煙や吸い殻のポイ捨てを防ぐことができます。
コース内の適所に灰皿や喫煙所を設ける際は、乾燥した芝や植栽から離れた不燃性の場所を選ぶなど、火災予防の観点を取り入れましょう。
◇ティーイングエリアの灰皿設置は要注意
ティーイングエリアは、芝や植栽に近接しているため、灰皿を設置する場合は火災予防に十分配慮する必要があります。灰皿を設置する場合は、芝生から距離を取り、金属製などの不燃性容器を採用するなどの工夫が求められます。
場合によってはティーイングエリアへの灰皿設置を避け、クラブハウスや専用喫煙スペースへの誘導に限定する運用も、火災予防観点から有効な選択肢となります。
ゴルフ場で適切な分煙対策を行わない場合のリスク
ゴルフ場における喫煙室・喫煙ブースの導入や見直しを検討する際は、法令への対応だけでなく、火災防止や集客・顧客満足度の向上といった多角的な視点から計画を立てることが重要です。
適切な分煙対策を行わない場合、以下のような運営上の課題やリスクが生じやすくなります。
◇火災や苦情など施設運営上のトラブル
適切な喫煙スペースが整っていないと、指定外の場所での喫煙やポイ捨てが発生しやすくなります。前述したような吸い殻の不始末による火災リスクが高まるほか、非喫煙者から煙やニオイに関する苦情が寄せられ、施設の評判やブランドイメージに影響を与えるおそれもあります。
◇喫煙者ゴルファーの来場機会の損失
快適に喫煙できる環境が整っていない施設は、喫煙習慣のあるゴルファーから選ばれにくくなる可能性があります。特に会員制ゴルフ場においては、満足度の低下が利用頻度の減少やほか施設への流出につながることも考えられるため、幅広い層を受け入れられる分煙環境の整備が大切です。
◇法令違反による指導・罰則のリスク
屋内に喫煙室・喫煙ブースを設置するにあたっては、改正健康増進法で定められた技術的基準や標識掲示などのルールを正確に満たすことが求められます。
基準に適合しない状態で運用した場合、行政からの指導・勧告・命令の対象となり、是正に応じない場合は最終的に過料が科される規定となっているため注意が必要です。
具体的な過料の金額として、喫煙禁止場所で喫煙した本人には30万円以下、標識の未掲示や喫煙室の基準不適合といった施設側の対応不備に対しては、管理権原者に50万円以下の過料が科される場合があります。こうしたコストやペナルティを防ぐためにも、基準の順守は不可欠です。
また、国の法令とは別に自治体独自の受動喫煙防止条例が定められている地域もあり、国の基準を満たしていても条例に適合しないケースが考えられます。計画段階で所轄の自治体へ基準を事前に確認しておくことが大切です。
関連記事:改正健康増進法の違反で罰則を受けないために!改正によるポイントや義務付けられたことを解説
ゴルフ場の喫煙ブース対策はクリーンエア・スカンジナビアにご相談を
ゴルフ場において法律要件を満たした喫煙室を確保することが難しい場合や、メンテナンスに人手を割けない場合は、クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」がおすすめです。主な特長は以下のとおりです。
● 100Vのアース付き電源と空きスペースさえあれば屋内のどこにでも設置でき、喫煙専用室のように部屋を確保する必要がない
● 大規模な工事が不要で、高額な費用や長い工期をかけずに導入できる
● 定期的なメンテナンスが実施されており、いつも快適な喫煙環境を維持できる
● タバコの煙が拡散する前に捕集し、独自開発のガスフィルターによってほぼ100%除去※
● 改正健康増進法に則った法律要件の測定やレポートへの対応まで一括してサポート
基本的には屋内設置を想定した仕組みですが、屋外への設置についても相談が可能です。設置のしやすさと高い除煙性能を兼ね備えており、ゴルフ場の分煙対策として幅広く活用できるでしょう。
※厳密には、粉塵の捕集率は99.99966%(0.87〜0.11μm)です(スウェーデン王立研究所が2004年3月26日に計測)。
まとめ
ゴルフ場における分煙対策は、クラブハウス・コース・練習場という3つのエリアで法令上の扱いが異なります。クラブハウスは第二種施設として喫煙専用室などの設置が認められる一方、コース上は法令の直接規制対象外です。
ただし、コース上では吸い殻の不始末による火災リスクが存在するため、法令順守にとどまらず火災予防や安全管理の観点からの対策も欠かせません。
利用者の動線や設置場所への配慮、20歳未満の立ち入り制限といったルールを徹底し、快適な分煙環境を整えることが、トラブルの防止やゴルフ場全体の安全性・満足度向上につながります。
法律要件を満たす喫煙専用室の確保が難しい場合は、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンの導入をご検討ください。
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