バスターミナルの喫煙所・喫煙ブース対策|法律上の設置基準や注意点を解説

多くの人が行き交うバスターミナルでは、喫煙者と非喫煙者の双方が快適に利用できる適切な受動喫煙防止対策が求められます。改正健康増進法の施行により、多くの人が利用する施設における喫煙ルールは明確化されており、バスターミナルも例外ではありません。
これからバスターミナルの新規開設や設備のリニューアル、喫煙エリアの再配置を検討している場合、自施設が法令上どの区分に該当し、どのような基準を満たせばよいのかを正確に把握しておくことが重要です。この記事では、バスターミナルの法令上の位置づけや喫煙室・喫煙ブースの設置基準、違反した場合の罰則、受動喫煙防止対策を進めるうえでの注意点をまとめて解説します。
バスターミナルの法令上の施設区分
バスターミナルの喫煙ルールを正しく理解するためには、まず改正健康増進法の施設区分を把握しておくことが重要です。同法は多数の者が利用する施設を3つの区分に整理しており、区分によって適用されるルールが異なります。
| 施設区分 | 定義 | 具体例 | 屋内での喫煙ルール |
| 第一種施設 | 主に受動喫煙によって健康を損なうおそれが高い者が利用する施設 | 学校、児童福祉施設、病院、診療所、行政機関の庁舎など | 原則敷地内禁煙 屋内喫煙は全面的に禁止 屋外喫煙は受動喫煙しないように配慮された「特定屋外喫煙場所」を設置すれば可能 |
| 第二種施設 | 第一種施設・喫煙目的施設以外の多数の者が利用する施設(個人の自宅やホテルの客室など、「人の居住の用に供する場所」は適用対象外) | 事務所、工場、ホテル(客室以外)、飲食店、国会、裁判所、旅客運送事業船舶、鉄道、スポーツ施設など | 原則屋内禁煙 ただし、技術的基準を満たす「喫煙専用室」などを設置すれば、例外的に屋内喫煙が可能 |
| 喫煙目的施設 | 喫煙してもらうことを主な目的とする施設(「タバコ販売店資格がある」「主食を提供していない」といった条件を満たす場合) | 喫煙を主目的とするバーやスナック、店内で喫煙可能なタバコ販売店、公衆喫煙所など | 屋内喫煙が可能 技術的基準を満たす「喫煙目的室」などの設置が必要 |
まずはこの区分を理解したうえで、各施設に求められる対策を確認しましょう。
◇バスターミナルの建屋は「第二種施設」、バス車両内は「全面禁煙」
バスターミナルにおける受動喫煙防止対策を実施する際は、「建屋(待合室など)」と「バス車両」の施設区分の違いを押さえておくことが重要です。
| 建屋 (待合室・チケットカウンターなど) |
● 鉄道の駅や旅客船のターミナルと同様に「第二種施設」に区分され、原則屋内禁煙 ● 法令の技術的基準を満たす「喫煙専用室」や「脱煙機能付き喫煙ブース」を設置すれば、例外的に屋内での喫煙所確保が認められている |
| バス車両内 (高速バス・路線バスなど) |
● 建屋とは別に「旅客運送事業自動車等」として区分され、車内全体が全面禁煙(喫煙禁止場所) ● 喫煙専用室の設置といった例外措置も認められていない |
施設全体で快適な環境を維持するためには、建屋と車両それぞれのルールを明確に区別し、適切な看板表示や設備整備を行うことが大切です。
バスターミナルに設置できる喫煙所

上述のとおり、第二種施設に分類されるバスターミナルの建屋部分は原則屋内禁煙ですが、「喫煙専用室」または「加熱式たばこ専用喫煙室」、あるいはその両方を設置することで、施設内での喫煙に対応できます。
| 喫煙専用室 | ● 喫煙可能(紙巻きタバコ・加熱式タバコ) ● 飲食などは認められない ● 一般的な事業者が設置可能 |
| 加熱式たばこ専用喫煙室 | ● 喫煙可能(加熱式タバコのみ) ● 飲食など可能 ● 一般的な事業者が設置可能(経過措置) |
なお、既存の建築物で、管理権原者の責めに帰することができない事由により屋外排気が困難な場合には、一定の要件を満たす脱煙機能付き喫煙ブースを設置する経過措置が認められています。設置要件の詳細については後述します。
関連記事:喫煙室のタイプや設置基準を解説。バーやレストランで喫煙はできる?
◇公衆喫煙所(喫煙目的施設)を設置する選択肢も
バスターミナル(第二種施設)の建屋内ではなく、隣接する敷地(駅前広場や大型バスターミナル周辺など)に喫煙を主目的とする施設として「公衆喫煙所」を新設し、分煙を図る選択肢もあります。
建屋内に喫煙所を設けられない場合は、周辺道路の街頭喫煙・歩きタバコ対策の一環として、屋外公衆喫煙所の整備が有効な手段となります。
なお、独自の受動喫煙防止条例や計画が設けられている場合もあるため、設置にあたっては所轄の自治体へ事前に確認・ご相談ください。
バスターミナルに喫煙室・喫煙ブースを設置する際に守るべきルール
バスターミナルに喫煙室・喫煙ブースを設置する場合、法令で定められた技術的基準や標識の掲示義務を遵守する必要があります。以下では、設置時に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。
◇タバコの煙の流出を防ぐ技術的基準
バスターミナルに喫煙専用室を設置する場合、タバコの煙が室外へ流出しないよう原則として以下の技術的基準を全て満たす必要があります。
● 出入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/s以上ある
● タバコの煙(蒸気を含む)が室内から室外に流出しないように壁・天井などで区画されている
● タバコの煙が屋外または外部に排気される
ただし、既存の建築物で構造上(管理権原者の責めに帰することができない事由があって)ダクトを通じた屋外排気が困難な場合は、「脱煙機能付き喫煙ブース」の設置による代替が認められています。この場合、以下の3つの基準を全て満たすことが求められます。
● 出入口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2m/s以上ある
● 総揮発性有機化合物の除去率が95%以上ある
● 装置によって浄化され、室外に排気される空気中の浮遊粉じん量が0.015mg/㎥以下である
設置後は、測定やフィルター交換などを実施して適切に運用しましょう。測定方法などの詳細は、厚生労働省の公式Webサイトでご確認ください。
出典:たばこ煙の流出防止措置の効果を確認するための測定方法の例|厚生労働省
出典:脱煙機能付き喫煙ブースの性能を確認するための測定方法の例|厚生労働省
関連記事:喫煙専用室とは?設置基準や助成金受給の条件などを解説
関連記事:喫煙室のタイプや設置基準を解説。バーやレストランで喫煙はできる?
◇標識の掲示と20歳未満の立ち入り制限
喫煙可能な設備を設置した施設には、喫煙室の種類に応じた標識の掲示が義務付けられています。紛らわしい標識の掲示や標識の汚損などは禁止されており、違反した場合は罰則の対象となります。
また、20歳未満の方は来店客・従業員を問わず、喫煙エリアへの立ち入りが一切禁止されています。バスターミナルは通学・通勤利用者を含む幅広い年齢層が日常的に利用する施設であるため、わかりやすい標識の掲示と立ち入り制限の徹底が特に重要です。
年齢を問わず多くの人が行き交う環境だからこそ、運営側は標識の視認性と制限の実効性を意識的に管理する必要があるでしょう。
◇屋外喫煙所は配慮義務を踏まえた設置場所選びが重要
バスターミナルの喫煙所を屋外に設ける場合は、法令上の「配慮義務」を踏まえた設置場所の選定が重要です。施設の管理者は、受動喫煙が生じにくい場所に喫煙場所を配置する配慮義務を負っています。
待合室の出入口やバス乗降場のすぐそばに喫煙所を設置すると、タバコの煙が非喫煙者の主動線に流れ込みやすく、配慮義務を満たさないリスクが生じます。そのため、通行人の少ないエリアへ配置するなどの配慮が必要です。
また、単に仕切りのない灰皿を置くだけでは周囲への煙拡散を防ぎきれません。壁や屋根、集じん・脱臭機能を備えた屋外対応の喫煙ブースを活用することが、配慮義務をクリアしながら快適な環境を維持するための有効な選択肢となります。
改正健康増進法や自治体の条例に違反した場合の罰則
改正健康増進法に違反した場合、すぐに罰則が科されるわけではありません。まず行政による指導・勧告・命令というプロセスを経て、最終的に過料が科される仕組みになっています。管理権原者が勧告に応じない場合は、公表の対象になり得る点にも注意が必要です。
罰則内容として、喫煙禁止場所で喫煙した本人に対しては30万円以下の過料が定められています。一方、施設側の対応不備、例えば標識の未掲示や喫煙室の基準不適合といったケースでは、管理権原者に50万円以下の過料が科されることがあります。
さらに、改正健康増進法とは別に、自治体が独自の受動喫煙防止条例を定めている場合もあります。例えば千葉市では「千葉市受動喫煙の防止に関する条例」を設けており、国の法令に加えて独自の基準が課されています。
条例の内容は自治体ごとに異なるため、バスターミナルを設置・運営する所轄の自治体に対して、条例の有無や具体的な内容を事前に確認しておくことが重要です。
関連記事:改正健康増進法の違反で罰則を受けないために!改正によるポイントや義務付けられたことを解説
バスターミナルの喫煙ブース対策はクリーンエア・スカンジナビアにご相談を
バスターミナルでは、「既存建物の構造上、ダクトなどの大規模工事が難しい」「待合室の限られたスペースに新たな喫煙部屋を確保できない」といった理由から、一般的な喫煙専用室の設置が困難なケースが少なくありません。
そのような場合は、クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」がおすすめです。主な特長は以下のとおりです。
● 100Vのアース付き電源と空きスペースさえあれば屋内のどこにでも設置でき、喫煙専用室のように部屋を確保する必要がない
● 大規模な工事が不要で、高額な費用や長い工期をかけずに導入できる
● 定期的なメンテナンスが実施されており、いつも快適な喫煙環境を維持できる
● タバコの煙が拡散する前に捕集し、独自開発のガスフィルターによってほぼ100%除去※
● 改正健康増進法に則った法律要件の測定やレポートへの対応まで一括してサポート
基本的には屋内設置を想定した仕組みですが、屋外への設置についても相談が可能です。設置のしやすさと高い除煙性能を兼ね備えており、バスターミナルの分煙対策として幅広く活用できるでしょう。
※厳密には、粉塵の捕集率は99.99966%(0.87〜0.11μm)です(スウェーデン王立研究所が2004年3月26日に計測)。
まとめ
バスターミナルの建屋は第二種施設に区分されるため、喫煙専用室などを設置することで屋内での喫煙環境を整えることが可能です。ただし、バス車両内は旅客運送事業自動車等として全面禁煙となる点は忘れてはなりません。
喫煙専用室の設置にあたって行政への届出は不要ですが、技術的基準の遵守や標識の掲示、20歳未満の立ち入り禁止といったルールへの対応が求められます。さらに、屋外喫煙所の配慮義務や自治体独自の条例にも注意が必要です。
違反した場合には、喫煙者本人だけでなく施設側にも過料が科されることがあります。幅広い層の利用者が行き交うバスターミナルだからこそ、法令を正しく理解したうえで、運用面の工夫と丁寧な配慮が欠かせません。
法律要件を満たす喫煙専用室の確保が難しい場合は、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンの導入をご検討ください。
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