空気環境測定とは?測定内容や基準について解説

2022.1.26 空気環境

空気環境測定とは?測定内容や基準について解説

新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、医療機関や学校、オフィスはもちろん、一般家庭でも、室内の空気環境について考える機会が増えたのではないでしょうか。

空気中の微細な有害物質を目で見ることはできません。しかし、不特定多数の人々が出入りする施設では、建物内の空気環境測定が義務付けられているため、法令遵守に努めている建物はある程度、安心だと考えられるでしょう。

その測定内容や基準はどのようなものか、また自分でもできる空気環境の「整え方」について解説します。

空気環境測定とは

空気環境測定とは、建物内の空気の成分(一酸化炭素、二酸化炭素、浮遊粉塵、温度、湿度、気流)を測定することです。「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)」によって、不特定多数の人が出入りする一定規模以上の施設を所有する、建物のオーナーに義務付けられています。

◇建築物衛生法に規定される「建築物環境生管理基準」に準じている
建築物衛生法には「建築物環境衛生管理基準」が定められています。この基準は「環境衛生上、良好な状態の維持に必要な措置」と規定されており、つまりは高水準の快適な環境を目標としたものです。

施設利用者の健康に悪影響をおよぼしかねない事態が発生した際には、都道府県知事から改善命令、もしくは設備などの使用制限・停止を課される場合があります。

◇特定建築物などの建物の所有者に義務付けられている
空気環境観測は、特定建築物とされる施設の所有者やオーナーに義務付けられています。

特定建築物とは、延べ面積3,000平方メートル以上(学校は8,000平方メートル以上)を、事務所や店舗、百貨店、学校、旅館、美術館などとして使う、建築基準法上の建物のことです。また、多数の人が利用する場合は、特定建築物に該当しない建築物であっても、維持管理に努める義務が課せられています。

なお、建物内のテナントや建物の利用者にはその義務はありません。

空気環境測定の測定頻度



では、空気環境測定はどれぐらいの頻度で行なえばよいのでしょうか。

◇原則、2ヵ月に1回(年6回)行なう
建築物衛生法により、空気環境測定は2ヵ月に1回(年6回)と決められています。特定建築物において選任義務がある、建築物環境衛生管理技術者が専門資格を保有する空気環境測定実施者に依頼して行ないます。

◇作業日に1日2回の測定を行なう
空気環境測定は、作業日の午前と午後の1日2回測定します。2回の測定は同じ場所で行ない、その平均値を基準値と照らし合わせて判断します。

なぜ1日に2回測定するかというと、時間帯によって人数や気温、空調の状態など環境が変化し、空気の状態が変わる可能性があるからです。

人流が激しければほこりが舞いやすくなり、建物を利用する人数が増えれば二酸化炭素の排出量が増えます。そこで、同じ日に時間をおいて2回測ることで、より正確な値を測定する必要があるのです。

空気環境測定の内容

ここでは、空気環境測定の項目の詳細や、空気環境の基準について解説します。

◇6項目(一酸化炭素、二酸化炭素、浮遊粉塵、温度、湿度、気流)
空気環境測定では、「一酸化炭素」「二酸化炭素」「浮遊粉塵」「温度」「湿度」「気流」の6項目を検査します。

一酸化炭素
空気調和設備を設けている場合は、10ppm以下(外気に10ppm以上ある場合は20ppm以下)が基準とされています。基準値との差が大きくなると、めまい、頭痛、吐き気などを引き起こすことがあります。その場合は、窓を開けるなどして換気を行ないましょう。

二酸化炭素
空気調和設備を設けている場合は、1,000 ppm以下が基準とされており、濃度が高くなると、耳鳴り、頭痛、吐き気などの症状が出るおそれがあります。そうならないよう、換気して新鮮な酸素を取り込みましょう。

浮遊粉塵
空気調和設備を設けている場合は、0.15 mg/m3以下が基準です。基準値を大幅に超えると粉塵を吸い込みやすくなり、体調不良やアレルギー反応を引き起こすことがあります。

対策としては、高性能な空気清浄機などを取り入れて粉塵を捕集することが挙げられるでしょう。

温度
空気調和設備を設けている場合は、17度以上28度以下に保つ、または室内の温度を外気よりも大幅に下げないように努めなければなりません。室内の温度と外気との差は5~7度が適正といわれており、過度の冷暖房はのぼせや冷えによる体調不良につながります。そのため、空調機の温度設定を適正に保つことが大切です。

湿度
空気調和設備を設けている場合は、40%以上70%以下が基準です。湿度が高すぎると、不快指数が上がり作業効率が落ちやすくなるうえに、カビの発生を促進させることにもなりかねません。一方で低すぎると、鼻や喉の粘膜が乾燥して風邪などの感染症にかかりやすくなります。

適度な湿度を保てるよう、室内の湿度に合わせて加湿器や除湿器を取り入れることが大切です。

気流
空気調和設備を設けている場合は、0.5m/秒以下が基準です。基準値を大きく上回ると、不快感から集中力が低下してしまうことがあります。適切な気流を保つために、空調の吹き出し口からの風が直接体に当たらないように気を付けましょう。

◇空気環境の基準
建築物環境衛生管理基準では、室内の二酸化炭素濃度を1,000ppm以下に抑えるよう定められており、この基準を守るためには1人あたり30㎥/hの換気量が必要です。これは、1時間あたりに必要な換気の回数(Air Change Per Hour)が約2回ということを表しています。

なお、この数値は、厚生労働省が新型コロナウイルス感染症対策の一つとして打ち出した、換気の悪い密閉空間の改善方法のなかで示している指針の一部でもあります。

次章ではこれを前提に、空気環境をより良くするためにできることを見ていきましょう。

室内の空気環境を良くするためにできること



定期的な空気環境測定とともに、日々のちょっとした心がけで、空気環境の改善が期待できます。

◇換気する
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)や一般社団法人 日本環境感染学会によると、1時間あたりの換気回数(ACH)は、6回以上にすることが望ましいとされています。そのため、クリーンエア・スカンジナビアとしても6ACH以上(1時間あたり6回以上)の定期的な換気を推奨しています。

換気には、換気扇など機械の動力を使った「機械換気」と、それらを使わずに空気を屋内に取り入れ、室内の空気を外に出す「自然換気」があります。自然換気は、窓や扉を開け放つことで空気の流れや温度を変えられる、シンプルな方法です。最も取り入れやすい方法ですが、天候・風向きに左右される点に注意が必要です。

◇こまめに掃除する
ほこりや粉塵を捕集し、室内環境を清潔に保つためにも、窓を開けてこまめに掃除することが大切です。

また、換気扇や空気清浄機のフィルターが汚れていると、換気効率が低下したり、雑菌が繁殖して逆効果になってしまったりします。そのため、これらのフィルターも定期的に掃除することが重要です。

◇空気清浄機の活用
建物のなかには、窓が開かないものもあります。そういった建物では自然換気を取り入れにくいため、空気清浄機を活用するのが効果的です。建物に設置されている換気扇などの設備にプラスしてみてはいかがでしょうか。

クリーンエア・スカンジナビアのQleanAir FS 30 HEPA

空気清浄機「QleanAir FS 30 HEPA」は、ウイルスや細菌などの収集が難しい細かく微量な物質も99.995%捕集する「HEPA14 フィルター」を採用しています。これにより、有害物質を最小限に抑え、クリーンな空気の再循環が可能です。

最大音量45デシベルの静音設計により、オフィスや学校、医療施設の現場などでも快適な室内空間をサポートできるでしょう。

処理風量が740㎥/hとなっているので、例えば137㎡(天高2.7mの想定)のスペースであれば1台で2ACHの換気相当になります。

QleanAir FS 30 HEPAに関するより詳しい情報は、こちらのページでご確認ください。

まとめ

建物の衛生管理では、空気環境測定で空気環境の状況を把握すること、点検整備でよりクリーンな空気に近づくよう、建物に合った方法で改善していくことが大切です。特にこの数年、私たちは世界的な感染症の恐怖にさらされてきたため、外出を躊躇してしまう状況もあるかもしれません。

しかし、多くの人流を生むオフィスビルなどの所有者が、法に基づいてしっかりと空気環境を管理していれば、感染リスクを減らす環境づくりができるはずです。その建物に足を運ぶ人々も空気環境を整えるために、換気などできることから始めてみてはいかがでしょうか。