「【要注意】ビルの非常階段での喫煙は違法?管理者が知るべきリスクと防止策」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.7.22 喫煙問題

【要注意】ビルの非常階段での喫煙は違法?管理者が知るべきリスクと防止策

オフィスなどで屋内禁煙を徹底していても、喫煙者が非常階段で喫煙するケースは少なくありません。こうした行為に対し、管理者としてどのように対応すべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。

非常階段は建物の外部に設けられていることが多く、一見すると「屋内」には該当せず、改正健康増進法の規制対象外と思われがちです。しかし実際には、非常階段での喫煙を放置すると、防災上の懸念に加え、受動喫煙による健康被害や管理責任を問われる法的リスクも生じかねません。

本記事では、非常階段での喫煙がもたらす主なリスク、喫煙行為を防止するための具体的な対策、そして代替策としての「屋内喫煙ブース」の設置によるメリットについて詳しく解説します。

なぜ非常階段での喫煙が問題になるのか



喫煙者が人目を避けてタバコを吸う場として非常階段を選ぶケースがありますが、これはさまざまなリスクを伴います。

ここでは、非常階段での喫煙がもたらす代表的なリスクについて解説します。

◇火災・防災面のリスク

まず挙げられるのが、火災や防災上のリスクです。

総務省消防庁が公表した「令和6年版 消防白書」によると、令和5年に全国で発生した火災は38,672件。そのうち、タバコを原因とする火災は3,498件で、全体の約9%を占めています。これは出火原因が特定されている中で最も高い割合です。

さらに、出火の経過別では「不適切な場所へのタバコの放置」が2,287件と最多であり、いかにタバコが火災リスクを高めているかがわかります。

出典:総務省消防庁「令和6年版 消防白書」

非常階段のように喫煙設備が整っていない場所では、吸い殻の処理が不十分になりがちで、ポイ捨てによって他の場所へ火種が移る危険もあります。こうした行為は火災につながる恐れが高く、防災体制の大きな障害となりかねません。

◇健康被害・受動喫煙の懸念

非常階段での喫煙は、非喫煙者への健康被害も引き起こす可能性があります。

例えば、非常階段に通じる扉の開閉などによってタバコの煙が屋内に流れ込むと、建物内の非喫煙者が意図せず煙を吸い込んでしまい、受動喫煙のリスクが高まります。

オフィスビルなどの職場では、受動喫煙による健康被害だけでなく、従業員からの苦情やトラブル、さらには頭痛・めまい・息苦しさといった体調不良を引き起こす恐れもあり、快適な職場環境の維持にとっても大きな問題となります。

◇法的・管理責任

非常階段での喫煙行為は、改正健康増進法や火災予防条例に違反する可能性があり、管理者が責任を問われるリスクもあります。

まず前提として、改正健康増進法では施設を第一種施設(学校・病院・児童福祉施設・行政庁舎など)と第二種施設(第一種施設以外の施設)に分けています。

第一種施設は、単に屋内外で喫煙場所を分けるのではなく、敷地内すべてが原則禁煙とされており、たとえ非常階段が屋外に設置されていても、敷地内である以上は喫煙が禁じられます。したがって、非常階段での喫煙は改正健康増進法違反となります。

一方、第二種施設では、屋外での喫煙は改正健康増進法の規制対象外とされるため、非常階段が完全な屋外空間であれば違反とはならないケースもあります。

しかし注意すべき点として、非常階段が「屋根付き」「側面の壁が半分以上覆われている」といった構造であれば、屋内と見なされる場合があり、その場合は第二種施設であっても喫煙は禁止されます。

さらに、例えば東京都の火災予防条例第23条では、高さ100m以上の建築物などの指定場所における喫煙を禁止しており、こうした条例に違反した場合も問題となります。

このように、法令や条例に反した喫煙行為が確認された際、管理者には指導・是正措置を講じる義務があり、適切に対応しなければ管理責任を問われる可能性もあります。

出典:e-Gov 法令検索 第二十九条 特定施設等における喫煙の禁止等
東京消防庁「第13火の使用に関する制限等」

なぜ喫煙者は非常階段を選ぶのか?

喫煙者が非常階段を喫煙場所として選ぶ背景には、いくつかの理由が考えられます。

例えば、建物内が全面禁煙で身近に喫煙可能な場所がない、あるいは屋外の喫煙所が遠く休憩時間中に戻れなくなるといった事情が挙げられます。また、ビルの管理が緩やかな場合、「注意されにくい」「見つかりにくい」などの理由で非常階段が選ばれてしまうこともあるでしょう。

さらに、管理者側も「外にポイ捨てされるよりはまし」との判断から、非常階段での喫煙を黙認しているケースも見受けられます。形式上は禁止されていても、実際には取り締まりが行き届いていないという実態があるのも事実です。

しかし、こうした黙認には重大なリスクが伴います。前項で解説した通り、非常階段での喫煙は火災のリスクを高め、法的責任や管理責任にもつながりかねません。

次項では、火災リスクの具体的な影響や、ビル管理者が問われる責任の内容について、さらに詳しく見ていきます。

◇火災リスクとその影響

非常階段での喫煙がきっかけとなった火災の実例はいくつか報告されており、タバコの不始末が原因で階段室に煙が充満し、避難経路として機能しなくなったケースもあります。

また、タバコの煙によって煙感知器が誤作動を起こす恐れもあり、これが避難誘導や消防活動の妨げとなる可能性も否定できません。

加えて、非常階段からのタバコの吸い殻のポイ捨てにも注意すべきです。例えば、建物外周部に投げ捨てられたタバコによる出火で、建物半焼1棟、建物部分焼2棟の計3棟が焼損したケースが報告されています。

◇ビル管理者の責任と法的リスク

非常階段をはじめとする喫煙禁止場所での喫煙を黙認・放置した結果、火災や事故が発生した場合には、ビル管理者が管理責任を問われる可能性があります。

また、改正健康増進法に違反していると見なされた場合、保健所からの3回目の指摘で会社名が公表されるため注意が必要です。

さらに、入居者や訪問者に対する安全配慮義務を果たしていなかったとみなされ、損害賠償を請求されるリスクも考えられます。

このような事態を防ぐためにも、ビル管理者には、非常階段を含む喫煙禁止エリアでの喫煙を見過ごすことなく、適切なルールの整備と実効性のある対応が求められます。

非常階段での喫煙を防ぐ3つの対策



非常階段での喫煙を防止するには、一時的な対応だけでなく、継続的かつ実効性のある対策が不可欠です。

ここでは、非常階段での喫煙を抑止するために有効な3つの対策を紹介します。

◇定期的な巡回と注意喚起

まず効果的なのが、管理会社の職員やビル警備員による定期的な巡回を実施することです。非常階段周辺を定期的に見回ることで、喫煙行為の抑止につながり、喫煙を試みる人への即時対応も可能になります。

あわせて、「喫煙禁止」「火気厳禁」などの明確な注意喚起の掲示を設置することも重要です。視覚的なメッセージを常に目に入る位置に掲示することで、無意識の喫煙行動を防ぐ効果が期待できます。

◇防犯カメラや人感センサーの活用

非常階段付近に防犯カメラや人感センサーを設置することで、喫煙常習者に対する抑止効果が期待できます。特に、防犯カメラが視認しやすい位置に設置されていれば、「誰かに見られているかもしれない」という意識が働き、喫煙を控えるきっかけになるでしょう。

さらに、非常階段の利用状況を管理者が把握しやすくなり、喫煙防止のための的確な対策立案にも役立ちます。

◇屋内喫煙ブースの設置による実効性ある喫煙対策

非常階段での喫煙を根本的に防止するには、喫煙可能な環境を屋内に整備することが最も効果的です。その具体策として、屋内喫煙ブースの設置が挙げられます。

喫煙ブースを設けることで、喫煙者はわざわざ禁煙エリアで喫煙する必要がなくなり、利便性・安全性・快適性を兼ね備えた代替スペースの提供が可能になります。近年では、コンパクト場所を選ばずに設置できるモデルもあり、設計の自由度が高い点もメリットです。

ただし、ビルの共用部に設置する場合には、喫煙本数の把握が難しい、利用マナーの周知徹底や清掃の管理負荷が増えるなどの課題もあります。そこで最近では、社員証やICカードによる入室管理を導入し、利用者を限定・記録することで、管理の手間を軽減する運用方法が広がっています。

屋内喫煙ブースの設置にあたっては、喫煙者への配慮と、建物全体の安全性・管理効率の両立を意識した導入と運用が重要です。

喫煙ブースの導入がもたらすメリット



屋内喫煙ブースは、企業や施設管理者にとって単なる「喫煙場所」ではありません。職場の安全性や美観の維持、火災や苦情リスクの低減などの管理面でのメリットに加え、喫煙者の就業満足度やエンゲージメントの向上にも寄与する設備です。

特に、「テレワークから社員をオフィスに戻したい」と考える企業にとっては、喫煙を一つの福利厚生と捉え、快適な喫煙環境を整備することが出社促進の一助となる可能性もあるのです。

屋内喫煙ブースを設置することで、非喫煙者にとっては「喫煙者を探しに行く手間」や「衣服に残る煙草の臭いへの不快感」、「喫煙者だけが休憩を多く取っているように感じる不公平感」などが軽減されます。

一方、喫煙者にとっても、屋外への移動時間が省けることで休憩の効率が上がり、衣服への臭い移りを気にする必要がなくなるなどのメリットが得られます。

このように、喫煙ブースの設置は両者のメリットと共存を図りながら、働きやすいオフィス環境を実現するための重要なインフラの一つといえるでしょう。

以下では、屋内喫煙ブースを導入することによる具体的なメリットについて解説します。

◇法令遵守と企業イメージの両立

改正健康増進法により、屋内は原則禁煙と定められています。ただし、屋内喫煙ブースについては、同法の要件を満たす分煙設備としてメーカーにより適切に設計され、適正に運用されていれば、受動喫煙防止に関する行政指導の対象外となります。

つまり、法令遵守の観点からも、安心して導入・運用することが可能です。

またSDGsの視点からも、分煙対策は「働く人の健康と福祉の向上」に貢献する取り組みとして評価されやすく、企業の社会的信頼性やブランド価値の向上にもつながります。

◇誰にとっても快適な職場づくり

屋内喫煙ブースを導入することで、喫煙者は安心して喫煙できる空間を得られ、非喫煙者は煙や臭気の影響を受けにくくなるため、双方が快適に過ごせる職場環境が実現します。

また、喫煙に関するルールの明文化し、ブース利用を徹底することで、社内のトラブルや苦情の削減といった効果も期待できます。

◇管理・メンテナンスの省力化

屋内喫煙ブースは独立型構造となっているため、基本的に清掃の対象がブース内に限定される点が大きなメリットです。煙や臭気もブース内に留まる設計となっており、周囲への影響を最小限に抑えることができます。

また、脱臭機能や高性能フィルター、自動換気機能などを備えたモデルであれば、日常的な衛生管理の手間も大幅に軽減可能です。加えて、メンテナンスがメーカーによって担保されている場合は、設置主の管理負担も最小限で済みます。

「非常階段での喫煙を防ぐために喫煙スペースを整備したいが、管理の手間が心配」という場合でも、屋内喫煙ブースは効率的かつ実用的な選択肢といえるでしょう。

オフィスや商業ビルに喫煙ブースを設置するなら、クリーンエア・スカンジナビア



非常階段での喫煙防止や、オフィス・商業施設内での分煙対策として屋内喫煙ブースを設置するなら、クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」がおすすめです。

当社の分煙キャビンは、改正健康増進法に基づく「脱煙機能付き喫煙ブース」に該当し、屋内でも法令に則り安心して設置・運用ができます。100V電源があれば場所を選ばず設置でき、優れた分煙性能により捕集が難しいとされるタバコ粒子をほぼ100%捕集、煙に含まれるガス状の成分もほぼ100%除去可能です。

加えて、専門のスタッフによる定期メンテナンス(空気浄化フィルターとタバコの吸い殻の点検・交換)と法律要件に準拠した計測・レポート作成も実施しており、設置主の管理負担の軽減にも貢献します。

まとめ

非常階段での喫煙は、火災の発生リスクや受動喫煙による健康被害に加え、管理者が法的責任を問われる可能性もあることから、決して容認されるべきではありません。

その防止策としては、定期的な巡回や注意喚起、防犯カメラの設置に加え、より実効性の高い対策として屋内喫煙ブースの導入が効果的です。

屋内喫煙ブースを設置する際には、非喫煙者も快適に過ごせる環境を守るため、改正健康増進法に定められた基準をクリアする、煙や臭気をしっかりと制御できる高性能な設備を選ぶことが重要です。

喫煙者と非喫煙者の双方が安心して働ける職場環境の整備に向けて、適切な喫煙対策の導入を進めていきましょう。

屋内喫煙ブースの設置を検討している場合は、ぜひクリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」の導入をご検討ください。