タバコの煙による健康リスクを知ろう!受動喫煙でも体に害はある?

2022.11.8 喫煙問題

タバコの煙による健康リスクを知ろう!受動喫煙でも体に害はある?

タバコの煙には多くの有害物質が含まれており、その影響は喫煙者本人だけでなく、周囲の人々にもおよびます。健康被害を防ぐためには、タバコの煙の健康リスクを理解し、必要な対策を講じなければなりません。

本記事では、タバコの煙が健康に与える影響と、企業が行なうべき受動喫煙対策について解説します。望まない受動喫煙を防ぐためにも、対策を積極的に行なっていきましょう。

タバコの煙の正体とは?



タバコの煙は、喫煙者が吸う「主流煙」と、喫煙者が吐き出す「呼出煙」、タバコから発生する「副流煙」に大別されます。

同じタバコから出る煙でも、煙の種類によって含まれる成分の量は異なり、ニコチンやタールなどの有害物質は主流煙より副流煙のほうに多く含まれています。

副流煙や呼出煙を吸ってしまうことを「受動喫煙」と呼び、主流煙による健康被害と同様に、受動喫煙による健康被害も深刻です。

タバコによる健康被害は、喫煙者だけのものではありません。タバコの煙の有害性を知り、健康被害を発生させないよう努めましょう。

◇タバコの煙のおもな成分
タバコの煙には、一酸化炭素、ニコチン、タール、アンモニア、カルボニル類、窒素酸化物など、約7,000種以上もの物質が含まれています。また、これらの物質のうち70種類以上に発がん性があり、病気との因果関係も証明されています。

加熱式タバコや電子タバコの煙にも害はある?



タバコ葉などを加熱して発生した蒸気を吸う加熱式タバコや、タバコ葉を含まない液体を加熱して発生した蒸気を吸う電子タバコなど、タバコの種類はさまざまです。

加熱式タバコや電子タバコの煙にも、毒性はあるのでしょうか。

加熱式タバコは、販売が開始されてからまだ日が浅く、科学的なデータが少ないため、長期的な健康へのリスクは断定できていません。しかし、加熱式タバコの煙にもニコチンを含む有害化学物が含まれており、紙巻タバコと同等の影響があるとするのが一般的です。

一方、電子タバコでは、電子タバコが原因と疑われる肺疾患等の健康被害症例が、アメリカで報告されています。

加熱式タバコと同じく、電子タバコと健康被害の関連性は明らかになっていませんが、海外の被害報告を見る限り、電子タバコもある程度の健康リスクがあると考えられます。

健康への悪影響を避けるには、加熱式タバコや電子タバコであっても使用を控えるのが無難でしょう。

◇タバコの煙による健康リスク
2016年に公表された厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」によると、喫煙が引き起こすおもな健康リスクは以下のとおりです。

法定耐用年数
レベル1:科学的証拠は因果関係を推定するのに十分である レベル2:科学的証拠は因果関係を示唆しているが十分ではない
喫煙者本人への影響 ・がん(口腔・咽頭がん、喉頭がん、鼻腔・副鼻腔がん、食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん、子宮頸がん など)
・虚血性心疾患
・脳卒中
・慢性閉塞性肺疾患
・2型糖尿病の発症
・歯周病
・ニコチン依存症
など
・がん(大腸がん、乳がん など)
・気管支喘息の発症および増悪
・結核の発症および再発
・歯の喪失
・閉経後女性の骨密度低下
・関節リウマチ
・認知症
など
受動喫煙による影響 ・がん(肺がん)
・虚血性心疾患
・脳卒中
など
・がん(鼻腔・副鼻腔がん、乳がん)
・急性呼吸器症状(喘息患者・健常者)
・慢性呼吸器症状
・呼吸機能低下
など
未成年者への影響 喫煙開始年齢が早いことによる全死因死亡、がん死亡、循環器疾患死亡、がん罹患リスク増加
母子への影響 ・妊婦の能動喫煙と早産、低出生体重・胎児発育遅延
・妊婦の能動喫煙と生殖機能の低下
・妊婦の能動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)
・小児の受動喫煙と乳幼児突然死症候群(SIDS)
など
・妊婦の受動喫煙と低出生体重・胎児発育遅延
・親の喫煙と小児の喘息発症
・小児の受動喫煙と喘息の重症化
・受動喫煙と小児の呼吸機能低下
など

出典:厚生労働省『喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書』

喫煙は喫煙者本人とその周囲の人々に、数多くの健康リスクをもたらします。望まないリスクを負わない・負わせないためにも、喫煙の有無や喫煙の方法について、検討が必要だといえるでしょう。

タバコの煙への対策として、企業が取り組むべきこと

望まない受動喫煙をなくすため、改正健康増進法では受動喫煙防止策を定めています。本章では、企業が行なうべき4つの取り組みを見ていきましょう。

◇喫煙専用室を設置する
喫煙者が一定数いるなかで受動喫煙を防止するには、喫煙する場所を区分し、副流煙を非喫煙者に吸わせない対策が不可欠です。

喫煙専用室を設置すれば、喫煙場所を指定でき、タバコの煙が外へ漏れるのを防げます。喫煙専用室には喫煙専用室と加熱式タバコ専用喫煙室の2種類があるため、目的に合ったものを設置しましょう。

なお、受動喫煙対策として喫煙専用室を設置する場合、財政支援や税制措置を受けられるケースもあります。まずは行政の窓口に相談し、利用できる制度がないか調べてみてください。

◇屋外喫煙所を設置する
屋内を全面禁煙とし、屋外に喫煙所を設置する方法もあります。ただし、屋外喫煙所は、喫煙できる場所が区画されていること、喫煙できる場所であることを記載した標識があること、施設の利用者が通常立ち入らない場所であることなどの条件を満たしているかどうか確認が必要です。

◇喫煙室や喫煙所は、20歳未満の立ち入りを禁止とする
喫煙を目的としない場合であっても、20歳未満は喫煙室の立ち入りが禁止されています。20歳未満の方を喫煙室などへ立ち入らせると、施設の管理者等が指導・助言を受けることになるので注意してください。

◇喫煙スペースには標識を掲示する
喫煙場所をわかりやすくするため、喫煙室の出入口と、喫煙室を設置している建物の主要な出入口には、見やすいように標識を提示しましょう。

喫煙室の標識には「当該場所が喫煙できる場所であること」「当該場所への20歳未満の立ち入りが禁止されていること」を明記します。また、喫煙室を設置している建物の主要な出入口の標識には「喫煙室が設置されていること」を明記してください。

分煙キャビンの設置を検討しているならクリーンエア・スカンジナビア

喫煙室の設置には通常費用や、法律要件をクリアしていることを証明するレポート作成への手間もかかります。しかし、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンなら、改正健康増進法をすでにクリアしており、100V電源を用意することで屋内のどこにでも喫煙スペースを確保できます。

参考:厚生労働省「受動喫煙対策」
喫煙室の設置基準についてはこちら

捕集が困難とされるタバコ粒子をほぼ100%捕集(※1)できるうえ、タバコの煙固有のガス状成分についても、独自開発のガスフィルターでほぼ100%除去可能です(※2)。

設置後は定期メンテナンスも実施しているため、手間なく最高の空気環境を手に入れられるでしょう。

喫煙者と非喫煙者が共存できる企業づくりをしたい方や、喫煙スペースの設置でお困りの方は、ぜひ分煙キャビンの利用を検討してみてください。

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まとめ

タバコの煙には多くの有害物質が含まれており、喫煙者だけでなくその周囲の人々にも影響を与えます。

望まない受動喫煙を防止するためには、喫煙スペースを設けるといった対策が必要不可欠です。どのような対策を行なうべきか企業内で話し合い、喫煙者と非喫煙者がともに気持ちよく働ける環境づくりを目指しましょう。