「煙草珈琲とは?“喫煙できる空間”が再評価される今、求められる喫煙ブースの在り方とは」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.9.16 分煙

煙草珈琲とは?“喫煙できる空間”が再評価される今、求められる喫煙ブースの在り方とは

かつての喫茶店文化では「煙草と珈琲」の共存が当たり前でしたが、改正健康増進法の施行によって現代では屋内禁煙化が進んでおり、共存は難しくなっています。一方で、一定条件を満たせば、カフェや飲食店などの店内に喫煙ブースを設置することは可能です。

この記事では、レトロブームなどで再び注目を集める「煙草と珈琲」の魅力や課題、喫煙者と非喫煙者の双方が快適に過ごせる喫煙ブースの条件をご紹介します。

カフェや飲食店で喫煙スペースの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

なぜ今、煙草珈琲が求められているのか



これまでの喫茶店文化で当たり前に共存していた「煙草と珈琲」の組み合わせが、近年、レトロスタイルの流行やストレス緩和の目的から再評価されています。

さらに、「自分だけの落ち着ける時間」を求めるニーズが高まり、煙草と珈琲を同時に楽しめるパーソナルな空間が大人の嗜みとして改めて注目を集めています。

◇喫茶店文化と“吸える空間”のノスタルジー

昔ながらの純喫茶は、昨今のカフェとは異なるレトロな雰囲気や「家のような居心地の良さ」が魅力で、昭和的ノスタルジーとして若者にも人気があります。

店の看板のフォントやテーブル・椅子、窓の形、マッチ箱、日焼けしたポスターなど、時代の流行に流されない独自のスタンスが逆に新鮮に映り、若者カルチャーの一部として定着しました。

灰皿が置かれたテーブルや漂う煙の雰囲気といった要素も、かつての喫茶店らしさを象徴する風景として語られ、煙草を吸える空間そのものが懐かしさや安心感のイメージにつながっています。

◇現代における“大人の嗜み空間”としてのニーズ

煙草が吸える喫茶店は、喫煙者にとってまさに心からくつろげる場所です。

煙草と珈琲の心地よい香りに包まれ、疲れたときに気分をリフレッシュできる空間は、忙しい日常から離れた「非日常な居場所」として価値が高まっています。

こうした背景から、カフェに喫煙スペースを設けることは、大人がゆったりと過ごせる「嗜みの空間」を提供する取り組みとして注目されています。

煙草と珈琲の相性、そして課題



煙草と珈琲は、互いの香りや苦味を引き立て合う嗜好性が魅力です。しかし現代では、煙や臭気の問題が避けられないため、両者を共存させるには安全かつ快適な空気環境の設計が欠かせません。

ここからは、煙草と珈琲をセットで楽しむことで生まれる相乗効果と、その際に直面する課題についてご紹介します。

◇香りと時間がつくる五感の相乗効果

喫煙できるカフェの利用は、より深いリラックス効果をもたらすとして評価されています。煙草と珈琲を組み合わせることで、珈琲の香りが煙草の煙によって引き立ち、五感が心地よく刺激され、ゆったりとした時間を過ごせます。

フロリダ大学の研究者による細胞ベースの研究でも、喫煙者が朝に珈琲を楽しむ習慣には科学的根拠があることが示唆されています。

具体的には、珈琲に含まれる化合物「n-MP」が、夜間のニコチン離脱状態にある脳内のニコチン受容体に作用し、その機能低下を回復させることで、ニコチンへの渇望を軽減する可能性があると結論づけられました。

このように、煙草と珈琲の組み合わせは、感覚的な満足感だけでなく、生理的なリラックス効果ももたらすことが明らかになっています。

◇課題は“空気”にある

近年、屋内での喫煙は厳しく制限されており、喫煙者と非喫煙者の双方が快適に過ごすためには、清潔な空気環境の維持が欠かせません。喫煙による臭いの拡散や受動喫煙のリスクを抑えるためには、単に喫煙スペースを分けるだけでは不十分です。

また、改正健康増進法においては不完全な分煙は認められておらず、法的にも違法となる点に注意が必要です。

煙や臭いを空間内に封じ込め、浄化したうえで漏れを防ぐ、徹底した空気設計が求められます。

煙草珈琲の共存に求められる喫煙ブースの条件とは



煙草と珈琲を同時に楽しめる空間を実現するには、カフェ店内への高性能な喫煙ブースの設置が理想的です。

具体的には、高性能フィルターによる煙・臭気の遮断、静音設計、透明性の確保など、空間体験を損なわないための設計と性能が求められます。

ここからは、煙草と珈琲を共存させるうえで求められる喫煙ブースの条件を詳しく見ていきましょう。

◇煙・臭気を外に漏らさない構造

喫煙ブースは、煙草の煙や臭いを外部に漏らさない構造のものを選ぶことが重要です。

具体的には、「密閉型ブース」「高性能フィルター」「適切な排気設計」を組み合わせたタイプであれば、煙や臭いを効果的に浄化し、周囲環境への影響を最小限に抑えることができます。

煙や臭いを外に漏らさない喫煙ブースの条件
・密閉型ブース:発生した煙が拡散する前に素早く捕集する。
・高性能フィルター:捕集した煙草の煙を通すことで、空気を浄化する。
・適切な排気設計:煙草の煙の屋外排気に対応したものなら、改正健康増進法に準拠できる。

◇音・照明・デザインも空間価値の一部に

カフェに喫煙ブースを設置する際は、煙や臭いを外に漏らさない設計を大前提としつつ、店内の雰囲気に調和する圧迫感のないデザインや、動作の静音性にも配慮することが大切です。

近年は、喫煙ブースを隠すのではなく、居心地とデザイン性を両立する形での設置が好まれています。

◇設置にあたって満たすべき法的・技術的条件

2020年4月に全面施行された改正健康増進法により、カフェなどの飲食施設で屋内に喫煙スペースを設置する際には、以下の法的・技術的要件を満たす必要があります。

・入口の気流が上・中・下で毎秒0.2m以上(外への漏出防止)
・壁・天井などでしっかり区画されていること(煙の拡散防止)
・煙は基本的に屋外排気(技術的基準を満たせば屋内排気も可)
・喫煙室であることの標識掲示義務・20歳未満は立ち入り不可
・概ね3ヵ月ごとに風速測定・そのレポートを保管(3年間保存推奨)

これらを満たすことで、法的に「喫煙専用室」「加熱式たばこ専用喫煙室」として屋内に喫煙ブースの設置が可能になります。

また、重要な点として、喫煙専用室内では飲食が認められていません。一方で、加熱式たばこ専用喫煙室に限っては室内で飲食が可能とされています。この違いは、コーヒーなど飲み物との両立を考えるうえで押さえておくべきポイントです。

なお、喫煙ブースは屋外排気が基本です。ただし、改正健康増進法の施行時点ですでに存在している建物については、建物の構造上の問題など、所有者や管理者の責任ではない理由で基準を満たすのが難しい場合があります。

このようなケースでは、法律の経過措置として、建物の建築時期を踏まえたうえで当面の間は屋内排気が許可されることもあります。

空間の“香り”と“質”を守るなら、クリーンエア・スカンジナビア

クリーンエア・スカンジナビアでは、改正健康増進法に準拠した喫煙ブース「分煙キャビン」を取り扱っています。を取り扱っています。主な特長は以下のとおりです。

• 煙草の煙と臭いを除去
高性能粒子フィルターを搭載し、従来は捕集が難しいとされていたタバコ粒子をほぼ100%捕集します。
• 屋内のあらゆる場所に設置可能
100V電源があれば、省スペースで屋内のさまざまな場所に設置できます。
• 喫煙者・非喫煙者の交流を促進
煙や臭いが外部に漏れない構造のため、喫煙者は煙草を吸いながらでも非喫煙者と快適にコミュニケーションが取れます。
• 定期メンテナンスによる保守
導入後は専門スタッフが定期メンテナンス、法律要件の計測、レポート作成を実施。清掃やフィルター交換の手間なく、高い性能を維持できます。

まとめ

昔ながらの純喫茶が持つレトロな雰囲気や居心地の良さは、昭和的ノスタルジーを感じさせるとして若者にも人気があります。近年では、こうしたレトロスタイルの流行やストレス緩和などの目的から、「煙草と珈琲」の組み合わせが改めて評価されつつあります。

カフェで喫煙者と非喫煙者の双方が快適に過ごすためには、単に喫煙スペースを分けるだけでは不十分です。煙や臭いをしっかり閉じ込め、浄化する高性能な喫煙ブースの導入が効果的です。

カフェなどの飲食施設で分煙化を進めたい場合は、ぜひクリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」の導入をご検討ください。


■監修者情報

野村 正樹 (のむら まさき)
(株)ローバー都市建築事務所 代表取締役
一級建築士 / インテリアコーディネーター / 宅地建物取引士 / 古民家鑑定士一級

同志社大学法学部を卒業後、京都工芸繊維大学造形工学科へ編入学。(株)NEO建築事務所を経て、2000年「ローバー都市建築事務所」設立。後に、京都工芸繊維大学大学院建築設計学 前期博士課程修了。2006~2018年 毎日新聞京都版 朝刊「きょうと空間創生術」第1回~第274回執筆掲載。

ローバー都市建築事務所の公式ホームページはこちら
https://www.rover-archi.com/