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2019年10月29日

喫煙室の基準(技術的基準)を知ろう!カーテンやのれんによる分煙、フロア分煙及び個室分煙について

2020年4月1日に全面施行が始まる改正健康増進法では、喫煙室(屋内喫煙所)について詳細な技術的基準が定められています。この記事では、2019年2月に発表された改正健康増進法に基づく喫煙室の技術的基準について、くわしくご紹介します。
「喫煙室は設置されているけれど、自店舗の喫煙室が法改正後の技術的基準を満たしているかはっきりしていない」という場合や、「自店舗の喫煙室を、早急に改正健康増進法に適した喫煙室に改装したい」という場合は、まず最新の技術的基準を確認して検討するようにしましょう。

喫煙室の一般的な基準(技術的基準)

・カーテンやのれんによる分煙について

従来、カーテンやのれんなどで喫煙室と非喫煙エリアを区切っていた店舗の場合、最新の技術的基準を満たすかどうかは、喫煙室の開口部(出入口や排気口)で判断されます。
基本的に、喫煙室は出入口や排気口以外の開口部はほぼないことが大原則で、非喫煙エリアと完全に区画されていなければなりません。また、出入口において喫煙室へ向かう気流が風速0.2m/秒以上を満たしている必要があります。

出入口の扉は必ずしも必要ではなく、喫煙室に向かう風速0.2m/秒以上の気流が確保されていれば扉無しでも問題ありません。ただし、それ以外の箇所は壁などで天井から床まで完全に仕切られている必要があります。
また、喫煙室に向かう気流の風速が要件を満たしていない場合に、出入口にカーテン・のれんなどを設置することで風速要件を満たす工夫をすることも可能です。また、扉がある喫煙室の場合であっても、扉の開閉時に風速要件を満たすためカーテンやのれんなどを一時的に使用して対応することは可能です。

・エアカーテンの設置について

喫煙室の出入口にエアカーテンを設けて風速要件に対応することも可能ですが、風向きや風量などの条件次第でさまざまな影響が想定されるため、エアカーテンが生成する空気の壁を調整することが求められます。
エアカーテンを喫煙室の出入口に設置する場合も、開口面(出入口)において喫煙室に向かう気流が風速0.2m/秒以上となるよう、必ず調整しておかなければなりません。

喫煙のフロア分煙の基準

・フロアによる分煙について

階層ごとに喫煙スペースと非喫煙スペースに分ける分煙方法も、改正健康増進法に基づいて取り入れることは可能です。しかし、あくまで「喫煙可能な階の空気が、喫煙できない階へ流れていかないこと」を守る必要があります。つまり、各階層が壁や天井などで完全に仕切られていなければなりません。吹き抜けがあり、そこに階段が設置されている構造の場合は各階層を完全に仕切ることができませんので、フロアによる分煙の対象にはならなくなります。

・上層階を禁煙フロア、下層階を喫煙フロアとする分煙対応について

たばこの煙は上昇する性質があるため、基本的には下層階を禁煙フロアとすることが望ましいとされています。しかし、例として1階と2階が内部でつながっていない場合(各階の扉の外にある外階段などで階層を移動する構造の場合)については、1階を喫煙フロア、2階を禁煙フロアにすることも問題ないとしています。

・店舗が1~2階にあり、3階以上は別の店舗となる場合のフロア分煙対応

3階以上に他の店舗が入っている場合にも、1階を禁煙フロア、2階を喫煙フロアとすることができます。改正健康増進法においては、施設ごとの受動喫煙対策措置について定められており、3階以上の店舗は他施設扱いとなるためです。
ただしその場合も、なるべく3階以上にたばこの煙が漏れることがないよう、対処することが望ましいとされています。

・フロア分煙対応の早見表

フロア分煙の手段 改正健康増進法への対応 備考
吹き抜けがある階層間の分煙 ×
1階を喫煙、2階を禁煙とする 各階が内部でつながっていなければ○
3階以上が別店舗で、2階を喫煙とする 3階以上の店舗に配慮すること

・個室分煙(同一フロアに個室が複数ある場合)の対応について

喫煙可にしない廊下の部分も含め、複数の個室が隣接するエリアを飲食可能な指定たばこ専用喫煙エリアとすることは可能です。ただし条件があり、まずは消防法などの他の法令が遵守されていること、そして喫煙エリアの個室以外の場所に排気設備を設けることが必要です。
もし、各個室のみにしか排気設備がない場合には、喫煙エリアを使用する際には喫煙エリアのいずれかの個室の扉を開放しなければなりません。そのうえで、喫煙エリアと禁煙エリアの境目の箇所で喫煙エリアへ向かう気流を確保してください。
尚、改正法施行日の2020年4月1日時点の既存建築物等であり、管理権原者がどうすることもできない理由によって厚生労働省が定める技術的基準を満たすことが難しい場合には、廊下部分に下記要件を満たした「脱煙機能付き喫煙ブース」を設置することで対処することも可能です。

1.総揮発性有機化合物の除去率が95パーセント以上
2.当該装置によって浄化された室外に排気される空気中の浮遊粉塵の量が0.015mg/㎥以下

まとめ

この記事では、改正健康増進法における喫煙室(喫煙専用室)の技術的基準について、くわしくご紹介しました。
もし、今回ご紹介した技術的基準を満たすことができない場合には「経過措置」としての対応も認められています。本文でも少し触れていますが、厚生労働省が定める要件を満たす「脱煙機能付き喫煙ブース」の設置がそれに該当しています。「当該箇所が技術的基準を満たしていないが、そのための改装工事などをすぐに行えない」という場合には、さしあたって脱煙機能付き禁煙ブースを設置することで一時的な対処が可能となります。
店舗・施設の状況に合わせ、適切な対応を講じて改正健康増進法に対応するようにしてください。