いよいよ2019年9月1日より開始!喫煙室における標識の提示義務

いよいよ2019年9月1日より開始!喫煙室における標識の提示義務

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、2019年9月1日より改正健康増進法に基づく喫煙室における標識の掲示義務が施行されています。
どんな方でも各施設・店舗の「喫煙室」についてすぐに理解ができるよう、ピクトグラムで見やすい標識を店舗や施設の出入口に必ず掲示するというものです。実際に、2019年9月に開催されたラグビーワールドカップを楽しむためにすでに多数の外国人観光客が来日しており、それらの効果のほどが試されています。
この記事では、2019年9月1日から施行されている喫煙室に関する標識の掲示義務について、さらにくわしくご紹介しています。

喫煙室の標識の掲示が定められた背景について

喫煙室を示す標識の掲示が定められた背景には、受動喫煙の健康への悪影響を未然に防ぐという目的があります。また2020年東京五輪に向け、世界的な流れとなっている「禁煙化」を一層促進するという主旨も含まれます。それに加え、海外と比較して特に遅れているといわれていた日本のたばこ対策の、さらなるグローバル化を推し進める意味合いも含まれていると考えられています。

喫煙室を備える店舗・施設すべてで、「喫煙設備の設置状況が分かるよう説明するため」の標識の掲示が義務付けられています。また、店舗・施設のなかでも飲食店では、店内の喫煙環境が分かるよう必ず標識にて示すことが義務付けられるようになりました。つまり、飲食店の場合に限っては「喫煙室がある場合」も、「全面禁煙である場合」も、必ずそれらが目で見てすぐに判別できるよう、標識を掲示しなければならなくなったのです。
実際に、9月1日の施行を控えた前日である2019年8月31日には、日本橋の飲食店街で各店頭に「禁煙」などと記したステッカーを貼る作業が実施され、それが大きなニュースとなりました。

喫煙室の標識の入手方法と作成方法

喫煙室に関する標識は、所定の方法で画像データを入手するか、それを参考に必要事項を記載のうえ、独自に施設が作成することができるようになっています。ここでは、喫煙室に関する標識の入手方法・作成方法についてさらにくわしくご紹介します。

・標識の入手方法
厚生労働省のホームページより、所定の画像データをダウンロードすることが可能です。なお、これらのデータを自治体が印刷して配布した際にかかった費用は国の補助対象となり、その分の補助を受けることができます。
なお、以下のリンクより、各標識の画像をダウンロードすることができます。
https://jyudokitsuen.mhlw.go.jp/sign/

・標識の作成方法
また、標識は施設独自のデザインで作成して掲示することも認められています。必要事項が記載されていれば、施設が独自に作成して掲示しても基本的には問題ありません。看板やサインなどで掲示をする方法のほか、貼るだけで掲示できるシールタイプの標識なども自治体単位で用意されている場合があります。

喫煙室の標識の掲示における注意点

ここでは、改正健康増進法に基づく喫煙室の標識の掲示における注意点についてご紹介します。

・「指定たばこ専用喫煙室」に掲示する標識について
紙巻きたばこではない「新型たばこ」こと、加熱式たばこに限定して喫煙を可能とする喫煙室のことを「指定たばこ専用喫煙室」と呼びます。なお、指定たばこ専門喫煙室を備えた店舗・施設に掲示する標識には、「紙巻きたばこの喫煙は不可」と明示しても問題ないとされています。

・喫煙室にて技術的基準の経過措置を利用している場合はその旨を記載する
喫煙室を設置している場合で、「技術的基準の経過措置」が利用されている場合があります。具体的に説明すると、現在は建築物の構造上の理由などで法令上の技術的基準を満たす対応ができない場合、それと同等の措置で経過対応を図ることを指しています。
技術的基準の経過措置を利用中の場合には、標識にも「脱煙装置を設置のうえ、たばこの煙を十分に浄化し屋外に排出している」と分かるよう記載する必要があります。

・標識の具体的な掲示場所
標識を掲示すべき場所は、施設の出入口ですぐに目に入る箇所とされています。具体的には、以下のような場所が推奨されています。

・施設の出入口
・出入口の扉の表面
・出入口横の外壁部分
・店舗の受付や玄関部分
・外履きを収納する靴箱付近

上記の箇所に標識を掲示する場合も、施設に人が立ち入る際に必ず目に入る箇所を意識して標識を設置する必要があります。

まとめ

この記事では、2019年9月1日から一部施行が開始された改正健康増進法に基づく喫煙室に関する標識の掲示義務について、各標識の入手方法や掲示場所などについてくわしくご紹介しました。
この表示義務は、2020年4月1日から全面施行となる改正健康増進法・東京都受動喫煙防止条例に備えたもので、全面施行以降の施設・店舗内の喫煙可能箇所は、法定の技術的基準を満たすものとしなければならなくなります。全面施行にさきがけ、技術的基準を満たした喫煙室などをすでに設置している場合には、今から2020年4月1日以降の新制度に基づいた標識の掲示を行うようにしましょう。