「受動喫煙が及ぼす影響は?副流煙が届く距離や防ぐ方法について」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.4.22 喫煙問題

受動喫煙が及ぼす影響は?副流煙が届く距離や防ぐ方法について

タバコは喫煙者本人だけではなく、その周りにいる方々にも「受動喫煙」という形で悪影響をもたらします。タバコの点火部から立ち上る「副流煙」が周囲に拡散し、ニコチンなどの有害物質をまき散らしてしまうためです。

受動喫煙防止に向けた対策を講じる場合、副流煙がどこまで届くかという点も意識する必要があります。

本記事では、受動喫煙の基礎知識を踏まえ、受動喫煙が及ぼす健康被害や副流煙が届く距離、望まない受動喫煙を防止するための方法について解説します。また、おすすめの喫煙ブースも紹介するので、ぜひご一読ください。

受動喫煙とは

受動喫煙とは、他人がタバコを吸った際に発生する煙を吸ってしまうことです。「間接喫煙」「セカンドハンド・スモーク」とも呼ばれます。

タバコの煙は約5,300種類の化学物質を含有していますが、そのうち200種類以上が有害物質に該当するものです。特にニコチン・タール・一酸化炭素は「三大有害物質」として有名ですが、他にもアセトン・カドミウム・トルエンといったものがあります。

これらの有害物質は喫煙者本人が吸い込む「主流煙」より、タバコの先から発生する「副流煙」に多く含まれています。誰かがタバコを吸っている場面では、より有害な煙が周りに拡散している状況と言えます。

タバコを一切吸わない非喫煙者にも悪影響をもたらすため、受動喫煙は大きな社会問題となっています。

◇こんな場面でも受動喫煙の危険がある

周りに配慮して換気扇の下でタバコを吸う方がいますが、この方法で受動喫煙を防ぐことはできません。

実際、換気扇の下で喫煙していても、喫煙者がいない世帯と比べて子どもの体内には3倍以上のニコチンが検出されたデータがあり、煙を排除できているわけではないのです。

また、受動喫煙の派生形として「三次喫煙(残留受動喫煙、サードハンド・スモーク)」のリスクもあります。タバコの煙に含まれる有害物質が喫煙者の毛髪や衣類、室内のソファやカーテンに付着し、それが汚染源となって第三者に悪影響をもたらします。

誰もタバコを吸っていない状況でも、周囲の方に健康被害がおよぶ可能性があります。

また、受動喫煙を防ぐ対策として空気清浄機を設置する方法もありますが、一般的な空気清浄機では、たばこの煙や粒子をすべて除去することは困難です。

タバコの煙は「粒子成分」と「ガス成分」で構成され、これらはフィルターをすり抜けてしまうので、煙に含まれる有害物質や臭い成分を完全に除去することはできません。

受動喫煙が及ぼす健康被害

受動喫煙でタバコの煙にさらされ続けた場合、タバコを吸わない方も健康被害を受ける可能性があります。

先述したように、タバコの煙には約5,300種類の化学物質が含まれており、そのうち約70種類は発がん性物質とされ、肺がん・喉頭がん・食道がん・胃がんなどの発症リスクを高める原因です。特に肺がんは、喫煙との因果関係が明らかとなっており、受動喫煙によって発症リスクが約1.3倍に増えると報告されています。

タバコの有害物質は、主流煙より副流煙に多く含まれているため、受動喫煙にさらされる機会が多いと以下のような病気の発症リスクが高まるでしょう。

● 脳卒中
● 虚血性心疾患
● 狭心症
● 心筋梗塞
● 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
● 喘息
● 乳幼児突然死症候群

受動喫煙は単なる迷惑行為ではなく、取り返しのつかない健康被害を生む可能性があることを認識しておきましょう。

◇妊婦の受動喫煙は子どもにも影響を及ぼす

妊婦が受動喫煙にさらされ続けた場合、胎児にも悪影響をもたらします。妊婦と胎児が受ける健康被害は、以下が挙げられます。

● 子どもの発育・発達が遅れる
● 乳幼児突然死症候群のリスク増加
● 早産や低出生体重児のリスク増加
● 生殖能力の低下
● 子宮外妊娠
● 呼吸器疾患

先天性の病気や障がいが発生しやすくなるだけではなく、子どもが命を落としてしまう可能性もあるので、周囲の喫煙者の配慮が欠かせません。

タバコの副流煙はどこまで届く?

副流煙とは、火がついたタバコの先端部分から立ち上る煙のことです。主流煙より多くの有害物質を含んでいるので、受動喫煙は健康に深刻な影響を及ぼします。

日本禁煙学会が公表している資料「喫煙所に対する日本禁煙学会の考え方」によれば、1人の喫煙者によるタバコの煙の到達範囲は、直径14mの円周内(無風の環境下を想定)です。

複数の喫煙者が同一のタイミングで喫煙した場合、直径は2~3倍まで増加するといわれています。

なお、14mはマンション5階分の高さに相当し、マンションの1階でタバコを吸った場合、その煙は5階まで届くとされます。

喫煙者が同居しているケースはもちろん、近所に喫煙者がいるケースでも受動喫煙のリスクはあるので、副流煙が届く距離も考慮し対策を講じる必要があります。

出典:喫煙所に対する日本禁煙学会の考え方|日本禁煙学会

望まない受動喫煙を防止するためには



タバコから拡散する副流煙は喫煙者だけではなく、非喫煙者の健康も損なう可能性があります。そのため、非喫煙者を副流煙にさらさないための対策を講じなければなりません。

例えば、企業なら屋内に喫煙専用室や喫煙ブースを設置したり、屋外に喫煙スペースを設けたりすれば、受動喫煙のリスクを抑えられます。喫煙所を設置するには、法律で定められた技術的基準を満たす必要があるため、事前に確認しておきましょう。

◇喫煙ブースを設置するための基準条件

1. 喫煙所入口の外部から内部への気流が上中下の測定点において毎秒0.2m以上
2. 壁や天井などでの区画分けにより、たばこの煙が喫煙所の外部に漏れていない
3. たばこの煙が屋外に排気されている

なお、喫煙ブースは屋外排気型が基本とされていますが、法律の経過措置により、建物の建築時期に応じて、一部の施設では屋内排気が許可されています。

さらに、施設の出入口および喫煙所の出入口に、以下のような標識を掲示することも義務付けられています。

● 20歳未満は立入禁止
● 喫煙可能な場所であること、20歳未満は立入禁止であることを示す標識を掲示
● 3ヵ月毎の計測と性能評価に基づき、レポートを作成

また、喫煙所を設置する際は工事費や設備費がかかりますが、一定の要件を満たせば、受動喫煙防止対策の助成金を受け取ることもできます。助成率や上限金額などは、詳細は自分の申請したい助成金のサイトや交付要綱をチェックしてください。

喫煙ブースを設置するならクリーンエア・スカンジナビア

分煙対策の一環として喫煙ブースを設置する場合、クリーンエア・スカンジナビアが提供している「分煙キャビン」がおすすめです。

クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、屋内で100V電源があれば、どこでも設置できる手軽さが魅力です。

さらに、高性能フィルターを搭載し、従来は難しかったタバコ粒子とガス状成分の両方をほぼ100%キャッチでき、法令基準を満たした喫煙ブースを設置可能です。

さらに、導入後は専門スタッフによる定期メンテナンスを実施しているため、いつでも快適な空気環境を維持できる点も見逃せません。

まとめ

副流煙はおおよそ14m先まで届くため、たばこの煙が見えない環境でも、受動喫煙のリスクが生じてしまいます。主流煙よりも強い毒性を持つ副流煙から非喫煙者を守るためには、分煙対策が不可欠です。

受動喫煙の影響をふまえて、法令に遵守した喫煙ブースの設置を考えている事業者は、クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンをぜひご検討ください。