ヨーロッパの喫煙率は?日本の喫煙率の推移や、世界の喫煙対策について解説

喫煙に対する規制強化や受動喫煙がもたらす健康リスクの周知により、世界の喫煙率は低下傾向にあります。ヨーロッパの喫煙率も例外ではなく、特にスウェーデンや英国ではかなり低下しています。
一方、日本の喫煙率も低下傾向にありますが、性別や年齢層による差が大きいため、一概に低いとはいえない状況です。
本記事では、ヨーロッパの喫煙率の概要を踏まえ、日本の喫煙率の推移や世界の喫煙対策、分煙の重要性について解説します。また、分煙に欠かせない喫煙ブースも紹介するので、ぜひご一読ください。
ヨーロッパの喫煙率は?
欧州連合統計局が公表した調査データによれば、2019年にEU内に住んでいる15歳以上の成人のうち、毎日喫煙する人の割合(EU27ヵ国の平均)は18.5%となっています。
EU加盟国でも特に喫煙率が低い国は、北欧諸国の一つであるスウェーデンです。同調査データによると、スウェーデンで毎日喫煙している15歳以上の成人の割合は6.4%とEU内で最低水準であり、国際的に見ても極めて低い数値となっています。
さらに、スウェーデン公衆衛生局の統計データによれば、同国の喫煙率は2022年時点で5.6%に減少している状況です。20年前の時点でも喫煙率は20%程度と比較的低い水準でしたが、20年間で約1/4まで低下しています。
上記のような結果を踏まえて、スウェーデンはヨーロッパ初の「スモークフリー・カントリー(禁煙国)」となる日も近いと考えられています。
スウェーデンの喫煙率がここまで低くなった背景には、以下のような施策があります。
● 公共の場(学校・レストラン・バス停など)における喫煙の禁止
● 長期にわたる禁煙キャンペーン
● タバコの広告出稿禁止
● タバコへの課税
● タバコ製品の販売規制
● 禁煙希望者の支援
これらの施策で喫煙率が低下したことにより、肺がん発生率の低下といった健康上のメリットにも繋がっています。
◇英国の喫煙率は過去最低水準に
近年のヨーロッパの喫煙率を語るにあたり、もう一つ外せない国が2020年1月にEUを完全離脱した英国です。
英国国家統計局(ONS)が2024年10月に発表した調査データによると、英国に住む18歳以上の成人のうち、喫煙習慣がある人は2023年時点で約600万人(11.9%)です。この数値は2011年の調査開始以来、過去最低水準となっています。
年齢層別に分類した場合、最も喫煙率が高かったグループは25~34歳で14.0%です。一方、18~24歳のグループの喫煙率は2011年時点だと25.7%でしたが、2023年時点では9.8%まで低下しており、若者のタバコ離れが顕著に現れています。
一方、電子タバコの喫煙率は増加しています。同調査データによれば、2023年時点における英国の16歳以上の人口のうち、電子タバコを毎日吸っている人の割合は5.9%であり、2022年の5.2%から増加しました。
また、電子タバコの喫煙率は16~24歳の若者世代が15.8%と最も高く、紙タバコと対照的な結果になりました。
喫煙率が過去最低水準になっている英国ですが、今でも年間7万5,000~10万人が喫煙関連の病気で亡くなっていることも事実です。亡くなった人のうち、3万5,000人は肺がんが死因であり、英国で最も死者数が多いがんとなっています。
出典:英国における成人の喫煙習慣:2023年|英国国家統計局(ONS)
日本の喫煙率の推移
厚生労働省が2023年に公表した「国民健康・栄養調査」によると、日本国内で喫煙習慣がある人の割合は 15.7%です。性別で分けた場合、男性が25.6%、女性が6.9%となっています。
ここ10年間の推移を見てみると、日本の喫煙率は男女ともに減少傾向が続いています。
出典:令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省
年齢層で見ると、最も喫煙率が高いグループは40~50代男性で33.4%、50~59歳男性が31.5%、30~39歳男性が29.9%となり、中高年男性の喫煙者は今なお少なくありません。
総務省統計局の「人口推計」によれば、日本の成人男性の人口は2023年時点で約4,901万人です。そのうち25.6%が喫煙者ということは、おおよそ1,200万人の成人男性が喫煙者であるという計算になります。
出典:人口推計(2023年(令和5年)10月1日現在)|総務省統計局
一方、 30~50代と比べると、20~29歳男性の喫煙率は年々低下しているため、日本でも若者のタバコ離れが進んでいる状況です。
世界の喫煙対策
WHO(世界保健機関)は1970年頃からタバコの有害性に関する注意喚起を行なったり、1989年には毎年5月31日を「世界禁煙デー」に設定したりするなど、長年にわたって禁煙促進の活動を進めています。
さらに、WHOが「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」を発令した結果、世界各国が喫煙対策に取り組み始めました。
日本では、2003年に健康増進法が施行されたことで、多くの施設や店舗で受動喫煙を防ぐ措置が努力義務として課せられました。2020年4月には改正健康増進法が全面施行され、受動喫煙防止対策がマナーからルールへと変わっています。
世界各国のおもな喫煙対策をまとめたので、以下の表も併せてご確認ください。
国 | 喫煙対策 |
日本 | ・法改正による受動喫煙防止対策の推進 ・喫煙室や喫煙ブースによる分煙の徹底 ・ニコチン入り電子タバコの販売規制 |
中国 | ・公共の場所での喫煙を禁止 ・北京市は原則として屋内禁煙 ・上海市は屋内全面禁煙 |
韓国 | ・学校、病院、公共交通機関、劇場などの禁煙化 ・飲食店の全面禁煙 ・屋外での喫煙を規制する法律は現状なし |
台湾 | ・公共交通機関や施設で3人以上集まる室内は全面禁煙 ・飲食店は原則として全面禁煙(一部喫煙可能) ・歩きタバコは禁止 ・屋外でも屋根がある場所は禁煙 |
タイ | ・冷房がついた室内は原則として全面禁煙 ・タバコのポイ捨ては罰金対象 ・電子タバコは禁止 |
シンガポール | ・屋内は原則として全面禁煙 ・屋外は灰皿がある場所なら喫煙可能 ・屋外で喫煙する際は建物入口から5m以上離れる |
オーストラリア | ・屋内での喫煙はほぼ禁止 ・タバコの税金を段階的に引き上げ |
アメリカ | ・半数以上の州は屋内全面禁煙 ・フレーバータバコはメンソール以外販売禁止 |
ブラジル | ・閉鎖された屋内での喫煙は禁止 ・禁煙希望者への生活指導や薬の提供(無償) ・タバコの税金の引き上げ |
フランス | ・屋内での喫煙は禁止 ・法の基準を満たす喫煙専用スペースは設置可能 ・タバコのパッケージにて健康被害の警告 |
イタリア | ・公共の場所は原則として禁煙 ・私的空間や条件を満たす喫煙者専用空間なら喫煙可能 ・飲食店は床面積の50%まで喫煙スペースを設置可能 |
英国 | ・2009年以降生まれに対しタバコの販売禁止法案の可決 ・公共の場所は屋内での喫煙が一切禁止 ・一部エリアでの歩きタバコは罰金対象 |
喫煙の規制が進む中で、喫煙者と非喫煙者の分煙がより重要に
禁煙・分煙の徹底や一部タバコ製品の販売禁止など、世界各国で喫煙に対する規制が進められています。
このような状況下で喫煙者と非喫煙者がお互いを尊重し、ストレスなく共存するためには、分煙を推進することが重要です。具体的には、企業・飲食店・商業施設・宿泊施設などで分煙環境の充実を図り、喫煙できる場所とできない場所を明示する必要があります。
企業の場合、屋内に喫煙専用室や喫煙ブースを設置するか、あるいは屋外に喫煙スペースを設けるといった対策を講じましょう。
喫煙スペースを設けることで、非喫煙者のタバコの臭いによる不快感や望まない受動喫煙防止だけでなく、職場における健康づくりにも繋がります。
また、企業が労働者一人ひとりの健康を守ることで、労働者の体調やモチベーションが向上し、より生産的に働けるようになるので、離職率低下や業績向上も期待できます。
特に、受動喫煙対策は政府も推進しているため、喫煙ブースなどを導入して、従業員の健康の維持・向上に努めましょう。
喫煙ブースを設置するならクリーンエア・スカンジナビア
クリーンエア・スカンジナビアでは、分煙に欠かせない喫煙ブース「分煙キャビン」を提供しています。
クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、高性能フィルターを搭載し、従来は困難とされていた有害なタバコ粒子をほぼ100%捕集できます。100V電源が使えるなら屋内のどこにでも設置可能で、事業所内のデッドスペースの有効活用につながります。
さらに、導入後は専門スタッフが定期メンテナンスに伺うため、清掃や手入れの手間なく、常に快適な空気環境を実現できます。
喫煙者に配慮しながら、オフィスや店舗の受動喫煙防止対策を進めたいなら、ぜひクリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンをご検討ください。
まとめ
近年、世界の喫煙率は低下傾向にありますが、ヨーロッパだと特にスウェーデンや英国が顕著です。
また、日本でも喫煙率は年々低下傾向にあり、世界各国において喫煙対策が進む中、喫煙者と非喫煙者がお互いを尊重し快適に共存するためには、分煙を推進することが重要です。
クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンなら、喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙環境を構築でき、省スペースで設置できるうえ、浄化能力にも優れているため、ぜひ設置をご検討ください。
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