「電子たばこと加熱式たばこの違いとは?仕組み・特徴と喫煙環境のポイント」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.12.15 喫煙問題

電子たばこと加熱式たばこの違いとは?仕組み・特徴と喫煙環境のポイント

紙巻きたばこに代わる新たな選択肢として、「電子たばこ」や「加熱式たばこ」が注目を集めています。

どちらも煙や灰の発生を抑えられる点では共通していますが、仕組みや使用感、健康リスク、コスト、そして法的な扱いはそれぞれ異なります。

さらに、「どこで吸うか」「周囲にどう配慮するか」などのマナーの面も、選ぶうえで欠かせない要素です。

この記事では、電子たばこと加熱式たばこの違いや特徴を徹底比較し、目的別の選び方や快適な喫煙環境の整え方を詳しく解説します。

電子たばこと加熱式たばこの基本的な違い



そもそも、電子たばこと加熱式たばこには、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いを紐解いてみましょう。

◇電子たばこの仕組みと特徴

電子たばこは、リキッドと呼ばれる液体(香料、グリセリン、プロピレングリコールなどを含む)を、アトマイザーと呼ばれる加熱装置で温め、発生した蒸気(ベイパー)を吸引する仕組みです。

本体にはバッテリーや加熱コイルなどの回路が搭載されており、スイッチ操作や吸気センサーによって通電・加熱が始まります。タバコ葉を使用しないため、灰や吸い殻は発生せず、物理的な燃焼も起こりません。

日本国内では、ニコチンを含むリキッドの販売は薬機法上の許可が必要とされており、市販されている電子たばこ用リキッドの多くはニコチンを含まない仕様となっています。

◇加熱式たばこの仕組みと特徴

加熱式たばこは、タバコ葉を燃やすのではなく、火を使わずに加熱して蒸気を発生させるタイプの製品です。代表的なデバイスには、IQOS(アイコス)、glo(グロー)、Ploom(プルーム)などがあります。

これらのデバイスでは、「スティック」と呼ばれるタバコ葉素材を内部で一定温度に制御しながら加熱します。

加熱温度やデバイスの構造によって吸い心地や風味が変化し、紙巻きたばこに近い使用感を得られる一方で、煙や灰の発生を大幅に抑えられる点が特徴です。

健康リスクと体への影響の違い



電子たばこと加熱式たばこは、含まれる成分や発生する煙(蒸気)の性質が異なるため、体や周囲への影響も変わります。どちらも「完全に安全」とは言い切れないことから、受動喫煙を防ぐための環境づくりが重要です。

◇ニコチン・タール・有害物質の違い

加熱式たばこはタバコ葉を使用するためニコチンを含んでおり、依存性のリスクがあります。タールは紙巻きたばこより少ないとされるものの、ゼロではありません。

一方、電子たばこはタバコ葉を使用せず、燃焼を伴わないため、タールはほとんど発生しません。ただし、リキッドにニコチンが含まれている場合は、依存性のリスクは残るため注意が必要です。

海外では健康影響への懸念や若年層への利用拡大などの問題から、電子たばこの販売・使用を規制する国や地域もあり、安全性が十分に確立されているわけではありません。

また、蒸気には揮発性有機化合物(VOC)や微粒子、金属成分などが含まれる可能性があり、健康への影響については現時点で十分に解明されていない点も多く残されています。

◇受動喫煙・匂いの違い

加熱式たばこは燃焼をともなわないため、紙巻きたばこと比べると副流煙が発生しにくい傾向があります。しかし、呼出蒸気には有害物質が含まれるため、周囲の非喫煙者も曝露する可能性はゼロではありません。

電子たばこは水蒸気が主体で、紙巻きたばこよりも匂いが軽い場合があります。ただし、使用されるリキッドの種類によってはニコチンや微粒子、揮発性有機化合物(VOC)、重金属などが含まれることがあり、周囲への影響が完全にないとは言い切れません。

そのため、共用スペースでは、電子たばこも加熱式たばこも喫煙ブースおよび換気設備の整った場所で使用することが望まれます。また、市区町村や施設の規制を確認し、遵守することも重要です。

コスト・利便性・使用感の比較

電子たばこと加熱式たばこは、価格や日常での扱いやすさといった点でも違いがあります。一方で、喫煙場所の確保は、使用時の快適さを大きく左右する要素です。

◇費用の比較

電子たばこは、デバイスの初期費用に幅があり、比較的安価なスターターキットから高機能で高価なモデルまでさまざまです。

運用時には、リキッドを補充するための消耗コストが定期的に発生します。一方、加熱式たばこの本体価格は一般的なモデルで3,000〜5,000円程度、高機能モデルでは7,000〜1万円前後のものもあります。

そのうえで、タバコスティックなどの消耗品にも継続的なコストがかかります。いずれも吸う頻度によって月々の費用が変動する点は共通しています。

◇使用感・メンテナンス性

電子たばこは、リキッドの補充やコイル交換、アトマイザーの清掃など、定期的なメンテナンスが必要です。これらを怠ると、風味の劣化や故障の原因になることがあります。

一方、加熱式たばこもデバイス内部の加熱ブレードや接点部分の清掃が必要ですが、操作はシンプルで扱いやすいモデルが多い傾向にあります。

清掃のしやすさや手順はそれぞれ異なるため、使用感の感じ方も人によって異なるでしょう。

◇匂いやゴミの違い

電子たばこの場合、灰や吸い殻は発生しません。また、匂いも紙巻きたばこと比べると弱い傾向にあります。

ただし、使用するリキッドの種類によっては、蒸気中にニコチンや微粒子、揮発性有機化合物(VOC)、重金属などが含まれる場合があり、周囲への影響がまったくないとは言い切れません。

加熱式たばこの場合も、灰は出ませんが使用済みスティック(吸い殻に相当するごみ)が発生します。匂いは紙巻きたばこより軽減されるものの、完全無臭ではなく紙たばことは異なる独特な匂いが発生することに注意が必要です。

蒸気や匂い、ごみの拡散を抑えるためには、喫煙ブースや十分な換気設備の整ったエリアを利用することが重要です。

法律・規制と日本での扱い

国内では、電子たばこと加熱式たばこで法的な扱いが異なるため、使用や購入の際には注意が必要です。公共の場では分煙が義務づけられており、喫煙ブースの設置を推奨するケースも増えています。特に加熱式たばこは改正健康増進法の規制対象となっており、施設管理者には受動喫煙防止対策を講じる義務があります。

◇製品分類と販売ルール

加熱式たばこは「たばこ製品」として、たばこ事業法および改正健康増進法の規制対象に含まれます。屋内禁煙ルールや喫煙ブースの設置基準、違反時の過料(最大50万円)や社名公表などの罰則が適用されます。

一方、電子たばこ(特にニコチンを含まないリキッドを使用するタイプ)は、タバコ葉を使用しない「たばこ類似製品」として扱われ、基本的には改正健康増進法の対象外です。

ただし、ニコチンを含むリキッドは薬機法に抵触するため、国内での販売や譲渡は原則として禁止されています。

◇公共の場での利用ルール

改正健康増進法および受動喫煙防止条例により、屋内は原則として禁煙となり、たばこを吸える場所は喫煙ブースや加熱式たばこ専用喫煙ブースなどに限定されています。

飲食店や事務所などの施設管理者は、適切な喫煙ブースを設置し、標識の掲示などを含む受動喫煙防止対策を講じる必要があります。

電子たばこは、法律上は屋内禁煙規制の対象外とされています。しかし、非喫煙者から見た場合、電子たばこと加熱式たばこの違いが分かりにくい場合があります。こうした点を踏まえると、電子たばこを使用する場合も、喫煙ブースや指定エリアを利用することが望まれます。

目的別の選び方ガイド

利用目的によって、電子たばこが適している場合と加熱式たばこが適している場合があります。ただし、いずれを使用する場合でも、使用場所への配慮が周囲の快適さに大きく影響します。

匂いや煙をできるだけ抑えたい場合は、電子たばこが向いています。ただし、蒸気中にニコチンや微粒子、揮発性有機化合物(VOC)が含まれる可能性があるため、喫煙ブースで使用するのが望ましい環境です。

紙巻たばこに近い吸い心地を重視する場合は、加熱式たばこが選択肢になります。紙巻よりは煙や匂いが少ないものの蒸気は発生し、改正健康増進法の対象となるため、多くの場合は喫煙所や喫煙ブースでの使用が必須となります。

健康への影響をできるだけ抑えたい場合は、ニコチンを含まない電子たばこを選ぶ方法もあります。ただし、蒸気中の化学物質の影響が完全に解明されているわけではないため、こちらも喫煙ブースでの使用が安心です。

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まとめ

電子たばこと加熱式たばこには、仕組み・コスト・法規制・使用感・健康リスクなど、さまざまな違いがあります。

加熱式たばこは販売開始からまだ約10年ほどしか経っておらず、長期使用による気道の炎症・心血管系疾患・発がんリスクなどについては研究段階にあり、現時点では明確な結論が出ていません。

匂いや煙をできるだけ抑えたい場合は、紙巻きたばこと比べて匂いが軽い傾向のある電子たばこを選ぶ人もいます。一方で、紙巻きたばこに近い吸い心地を求める場合は、加熱式たばこを選ぶケースが多い傾向があります。

ただし、どちらも蒸気や匂いが発生する点は共通です。

とくに 加熱式たばこは改正健康増進法の対象であり、喫煙専用室または脱煙機能付き喫煙ブース内での使用が(例外を除き)必須です。電子たばこについても、周囲への匂い・蒸気の拡散を防ぐため、指定エリアや専用ブースでの使用が必要です。

クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」を導入すれば、喫煙者も非喫煙者も安心して過ごせる環境を実現できます。

完全分煙を目指す際は、ぜひ分煙キャビンの導入をご検討ください。


■監修者情報

大森真帆
大森真帆麻布十番内科クリニック 院長。医師・医学博士
一般内科、腎臓内科、透析科、抗加齢医学科を専門としている。
生活習慣病(糖尿病や高血圧)等の慢性疾患、花粉症、睡眠時無呼吸症候群など、一般内科の診療を幅広く実施している。
さらに、日本抗加齢医学会専門医の知識を活かして、美容や肥満外来などにも対応している。