「【吸い殻対策】ポイ捨てを防ぐ仕組みと喫煙ブースの役割」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.11.11 喫煙問題

【吸い殻対策】ポイ捨てを防ぐ仕組みと喫煙ブースの役割

望まない受動喫煙を防止するため、日本では2018年に健康増進法の一部を改正する法律(改正健康増進法)が成立し、2020年4月1日より全面施行されました。

2002年10月には、東京都千代田区が全国に先駆けて路上喫煙などを禁止し、違反者には最大50万円の過料や社名公表といった罰則を科す条例を施行しました。これをきっかけに、ほかの自治体でも同様の条例が次々と制定されています。

一方で、喫煙や吸い殻の処分ができる場所が減ったことで、喫煙者による吸い殻のポイ捨てが目立つようになったという課題も生じています。吸い殻のポイ捨ては社会にさまざまな悪影響を及ぼすため、早急な対策が求められます。

この記事では、タバコの吸い殻が社会に与える影響と対策の重要性を解説します。さらに、ポイ捨て防止の具体的な取り組みや、分煙に役立つ喫煙ブースの活用法についても紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

なぜ「吸い殻対策」が必要なのか

タバコの吸い殻は、一見すると小さなごみに思えます。しかし、タバコの葉にはニコチンなどの有害物質が含まれており、フィルター部分は「アセテート」というプラスチックの一種で作られています。そのため、分解にはおよそ10年もの時間がかかります。

吸い殻は町の景観を損なうだけでなく、分解されないまま川や海に流れ出すことで環境汚染の原因にもなります。さらに、ポイ捨てされたタバコに残る火種がごみや枯れ葉、立木などに燃え移り、火災を引き起こすおそれもあります。

このように、タバコのポイ捨ては社会に与える影響が大きく、早急な吸い殻対策が求められています。

吸い殻ポイ捨ての現状と課題



国内の調査によると、ポイ捨てごみの中でタバコの吸い殻が占める割合は非常に高いとされています。その背景には、喫煙所の不足やマナー意識の低下などが挙げられます。
ここでは、ポイ捨ての現状とその課題について詳しく見ていきましょう。

◇国内調査で見える実態

環境省の調査によると、ポイ捨てされることが多い物のうち、タバコの吸い殻は17%を占めています。

さらに、大阪府飲食業生活衛生同業組合が行った大阪市での調査では、ほかの地域と比べて中央区(なんば駅周辺)でのタバコのポイ捨てが際立って多いことがわかりました。特に、観光名所や飲食店が集中するエリアに多く見られます。

また、同調査では、有料駐車場の周辺など、喫煙所が近くにない場所でポイ捨てが増加していることも明らかになりました。

ほかにも、タバコの吸い殻は河川や海岸に流れ込み、清掃困難な場所に堆積するケースも多く報告されています。

出典:
令和5年度 「ポイ捨て」に関する調査 報告書|環境省環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課
たばこの吸い殻ポイ捨て調査|大阪府飲食業生活衛生同業組合

◇喫煙所不足とマナーの課題

国内では、改正健康増進法の施行により、多くの屋内施設で喫煙が禁止されています。さらに、各自治体でも条例によって路上喫煙の禁止などを定めています。

その結果、公共施設や街中の喫煙所など、タバコを吸える場所や吸い殻を処分できる場所が減少しました。その影響で、一部の喫煙者が吸い殻のポイ捨てに及んでしまうケースも見られます。

各自治体では、喫煙所の設置をはじめ、道路への注意表示や市民への周知、巡回指導の強化など、さまざまな啓発活動に取り組んでいます。しかし、喫煙マナーの意識が社会全体に定着するまでには、まだ時間がかかるのが現状です。

国内外で進む吸い殻対策の成功事例

吸い殻のポイ捨てに悩む地域がある一方で、喫煙者の行動変化を促す工夫を取り入れることで成果を上げている国や地域もあります。

◇海外のユニークな取り組み

イギリスでは、投票式の吸い殻入れ「Ballot Bin(バロットビン)」が導入されています。
「Ballot Bin」は投票箱のような形をしており、例えば「ロナウドとメッシ、どちらが上手なサッカー選手?」などの二択の質問が掲示されています。

市民はアンケートに投票するような感覚で、楽しみながら吸い殻を捨てることができます。

この取り組みは高い効果を上げており、第三者機関の調査ではポイ捨てが最大73%減少したことが確認されています。その成果を受け、「Ballot Bin」はイギリス国内だけでなく、世界43ヵ国でも採用され、注目を集めています。

出典:
Ballot Bin|Hubbub

◇国内での取り組み

続いて国内の取り組みを紹介します。

東京都渋谷区では、二者択一の投票型喫煙所「ASK THE TOBACCO」を導入しました。設置前後1週間のポイ捨て状況を比較したところ、約9割の減少が確認されています。

この取り組みをきっかけに、岡山県岡山市では高校生が総合学習の一環として「投票式の吸い殻入れ」を設置し、ポイ捨ての変化を検証するなど、関心は若年層にも広がっています。

また、東京都文京区では「喫煙マナーアップ活動」として、区民や地域団体、事業所などによる自主的なマナー向上の取り組みを支援しています。

さらに、千葉県市原市では近隣16市と連携し、「喫煙マナー向上・ポイ捨て防止合同キャンペーン」を実施するなど、広域での協働も進んでいます。

出典:
投票型喫煙所「ASK THE TOBACCO(アスク・ザ・タバコ)」|株式会社コソド (cosodo inc.)
渋谷でタバコの吸い殻ゴミが9割減った理由|TOKYO UPDATES(トーキョー・アップデーツ)
岡山後楽館高等学校の生徒による「思わず参加したくなるような投票式の吸い殻入れ」の実証実験|岡山市
喫煙マナーアップ活動|文京区
ポイ捨て行為の防止|市原市

実践できる吸い殻対策のアイデア



吸い殻対策においては、「捨てやすい環境」と「行動を変える仕組み」の両立が大切です。ここでは具体策を紹介します。

◇インフラ整備による改善

喫煙者が吸い殻をポイ捨てしてしまう理由の一つに、「公共の喫煙所や灰皿が少ない」ことが挙げられます。特に飲食店の集まる繁華街や有料駐車場の付近では、吸い殻のポイ捨てが増加する傾向があります。そのため、灰皿や喫煙所を利便性の高い場所に設置することが、ポイ捨て防止につながります。

また、喫煙所の定期的な清掃や適切な管理も欠かせません。管理が行き届いていないと、喫煙者だけでなく非喫煙者にも不快感を与える原因となります。さらに、受動喫煙のリスクが高まれば、法的基準を満たせなくなるおそれもあります。

このほか、先述した投票型喫煙所のように、吸い殻入れにデザイン性や遊び心を取り入れることで、利用率を高められる可能性があります。ポスターや看板による注意喚起も、ポイ捨て防止に効果的です。

◇正しい吸い殻の捨て方の啓蒙

灰皿がないからといって、タバコの吸い殻を排水溝に捨てる人もいますが、これは防がなければなりません。灰の混ざった水や吸い殻は排水溝を通じて川や海に流れ込み、環境汚染の原因となります。

屋外では、喫煙所や設置灰皿を利用してもらうことが、環境を守るための大切なマナーです。また、携帯灰皿や携帯吸い殻入れを活用するのもおすすめです。

次の章で詳しく紹介します。

◇携帯吸い殻入れの活用

小型で持ち運びやすい携帯灰皿や携帯吸い殻入れの普及は、外出先で有効なポイ捨て対策の一つです。

蓋をすることで吸い殻を密閉できるため、臭いや火の不始末も防ぐことができます。喫煙者の9割が携帯灰皿を所持しているという調査結果もあり、「持つのが当たり前」という文化をさらに広げていくことが大切です。

ただし、条例で路上喫煙が禁止されている場所では、携帯灰皿を持っていても喫煙はできません。ルールを守りながら、適切な場所での喫煙を心がけましょう。

喫煙ブースが果たす役割

タバコの吸い殻問題を根本から解決するためには、単に灰皿を設置するだけでなく、喫煙ブースを導入することが有効です。喫煙ブースがあれば、吸い殻だけでなく煙もブース内に閉じ込められるため、ポイ捨ての防止と同時に受動喫煙の抑制にもつながります。

喫煙ブースは屋内専用の設計で、建物内や共用スペースなどにも導入できる点が特徴です。定期的な清掃やフィルター交換を行うことで、クリーンな環境を維持することができます。

喫煙ブースの設置は、喫煙者・非喫煙者の双方にメリットをもたらす、持続可能な吸い殻対策の一つです。

喫煙ブースを導入するならクリーンエア・スカンジナビア



クリーンエア・スカンジナビアが提供する喫煙ブース「分煙キャビン」は、改正健康増進法に基づく「脱煙機能付き喫煙ブース」に該当します。以下にその特徴を紹介します。

・タバコの煙と臭いを完全に除去
分煙キャビンは、これまで捕集が困難とされてきたタバコ粒子をほぼ100%捕集できます。タバコの煙と臭いを完全に除去し、クリーンで快適な空気環境を提供することが可能です。

また、従来の分煙技術では除去が難しかったタバコの煙固有のガス状成分に関しても、独自開発のガスフィルターでほぼ100%除去します。

・社内コミュニケーションの活性化を促進
社内に喫煙者と非喫煙者がいる場合、タバコ休憩のための外出など不平等が起こり、2つのグループに分断されてしまいがちです。分煙キャビンならタバコの煙や臭いが外に漏れないため、喫煙者と非喫煙者が互いを尊重しながら共存できます。

・設置スペースは自由自在、大がかりな工事も不要
分煙キャビンは100Vの電源がある屋内なら、どこでも設置できます。設計がコンパクトなため、限られたスペースでの設置も可能です。大がかりな設置工事も不要であり、余計なコストや時間がかからない点もメリットです。

・専門スタッフによる定期メンテナンスで快適な空間を維持
喫煙ブースの管理・運営においては、いかに清潔さを保てるかも重要なポイントです。分煙キャビンなら、導入後は料金内で専門スタッフによる定期メンテナンスと法律要件計測、レポート作成を実施するため、法律要件適合環境を維持できます。

まとめ

タバコ規制の強化により路上喫煙が制限される一方で、吸い殻のポイ捨てといった課題も生じています。吸い殻のポイ捨ては、町の景観を損なうだけでなく、環境にも深刻な影響を及ぼすおそれがあります。

吸い殻対策としては、遊び心を取り入れた吸い殻入れの設置や、マナー向上を目的とした啓発活動などが挙げられます。なかでも喫煙ブースの導入は、吸い殻対策と同時に受動喫煙防止にも効果的な手段です。

事業所での分煙化を促進したい場合には、ぜひクリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」の導入をご検討ください。