「飲食店の受動喫煙対策に注目。エアカーテンは今も選択肢?喫煙ブースが選ばれる理由とは」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.8.8 喫煙問題

飲食店の受動喫煙対策に注目。エアカーテンは今も選択肢?喫煙ブースが選ばれる理由とは

改正健康増進法の施行により、全国の飲食店では店内の禁煙化や喫煙スペースの設置など、受動喫煙対策の実施が義務付けられています。

その対策の一つとして、上から下に風を送り、喫煙エリアと非喫煙エリアの空気を遮断する「エアカーテン」導入・検討している店舗もあるかもしれません。

しかしながら、エアカーテンだけでは十分な分煙効果を得られないケースがあることをご存じでしょうか。

本記事では、飲食店における受動喫煙対策の必要性や、エアカーテンの仕組みと課題について解説します。あわせて、より高い効果が期待される「喫煙ブース」の活用方法についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

飲食店に受動喫煙対策が求められる理由

2020年4月1日より施行された改正健康増進法により、多くの人が利用する施設では、望まない受動喫煙を防止するための対策が義務化されました。飲食店もその対象であり、その対象であり、明確かつ適切な受動喫煙対策の実施が求められています。

とくに、喫煙スペースを設ける場合は、法令で定められた技術的基準に適合した設備であることが必須です。要件を満たしていない設備を設置した場合、違法とみなされる可能性があるため、十分な注意が必要です。

例えば、喫煙室の出入口では、「室外から室内への気流が0.2m/秒以上であること」という基準が設けられています。しかし、エアカーテンのように風を上から下に送り空気の流れを遮断する構造では、この基準を満たさないケースもあるため、設備選びには慎重な検討が欠かせません。

◇受動喫煙防止は“努力義務”ではなく“義務”へ

健康増進法が制定された2002年当時、受動喫煙対策は努力義務(マナー)でしたが、法改正により義務(ルール)に変わりました。飲食店は店舗の規模や業態にかかわらず原則屋内禁煙となり、法定の義務に違反した場合、ペナルティとして最大50万円以下の過料が科される可能性があります。

ただし、以下の技術的基準を満たすことで、店内の一部または全部に各種喫煙室を設置することが可能です。なお、設置の際には、施設と喫煙室の出入口にそれぞれ所定の様式の標識を掲示することが求められます。

【技術的基準】
1. 喫煙室の出入口における、室外から室内への気流が風速0.2m/秒以上である
2. たばこの煙が外部に漏れ出さないよう、壁や天井などで区画されている
3. たばこの煙が確実に屋外か外部へ排出されている

◇従業員・非喫煙客への健康配慮も評価ポイントに

受動喫煙対策は、従業員や非喫煙の来店客の健康に配慮するという観点からも非常に重要です。飲食店では、法令に基づいた以下のような対応が求められています。

・改正健康増進法:
20歳未満の者は、喫煙を目的としない場合であっても喫煙エリアへの立ち入りが禁止されています。これはアルバイトを含む従業員にも適用され、違反があった場合は施設の管理権限者が指導対象となる可能性があります。

・改正健康増進法・労働安全衛生法:
喫煙室を設置している場合は、従業員に対する受動喫煙防止措置を講じることが努力義務として課されています。

さらに、SNSなどでの情報拡散が加速する現代においては、「店内の煙が気になった」といった投稿があっという間に広まり、非喫煙者の来店を遠ざけてしまう可能性もあります。

このように、飲食店における分煙対策は法令遵守だけでなく、顧客満足度や店舗のイメージ維持にも直結する重要な取り組みといえるでしょう。

エアカーテンの役割とその限界



飲食店で多く採用されているエアカーテンは、出入口や喫煙エリアとの間仕切りとして使われることがあります。一見すると空気の流れを遮断できる便利な設備のように思われがちですが、受動喫煙対策としては十分な効果を発揮できないケースも少なくありません。

ここでは、エアカーテンが担う役割と、受動喫煙防止の観点から見た際の限界や注意点について詳しく解説します。

◇エアカーテンの基本的な機能とは

エアカーテンとは、開口部の上部から高速の気流を吹き出し、空間の空気の流れを遮断する装置です。主に、ドアの開閉時に外部から侵入する虫やほこり、冷気・暖気、臭気などを防ぐ目的で設置されます。

飲食店では、厨房からの臭いや、喫煙スペースから漏れる煙が店内全体に広がるのを抑えるために、間仕切りの一部としてエアカーテンを導入するケースも見られます。

◇煙や微粒子は遮断できない

エアカーテンの気流だけで、たばこの煙を完全に遮断することは難しいとされています。

たばこの煙に含まれるPM2.5は、中でも直径1μm以下の微小粒子が多く含まれており、高速気流であってもその隙間をすり抜けて非喫煙エリアに漏れ出す可能性があります。

◇「見た目の仕切り」ではリスクを完全に防げない

実際、エアカーテンを設置しても「たばこの臭いがする」「煙が流れてくる」などのクレームが続くケースは少なくありません。視覚的には空間が分けられていても、実際には煙や臭いが完全に遮断されていないことが多いためです。

また、喫煙室の出入口に物理的なドアやカーテンを設置した場合でも、開閉時に煙や臭いが漏れるリスクは避けられません。このような構造では、従業員や非喫煙客への健康配慮が十分とは言えず、トラブルの火種となる可能性もあります。

本当に必要なのは「密閉+除煙」の仕組み

受動喫煙を確実に防ぐためには、エアカーテンのように空気の流れを遮断するだけでは不十分です。重要なのは、煙を空間内にしっかりと閉じ込め、さらにその空気をろ過・浄化して無害化する「密閉+除煙」の仕組みを取り入れることです。

ここでは、その必要性とともに、具体的な解決策として注目されている喫煙ブースの仕組みについてご紹介します。

◇PM2.5やタール成分は“空気の壁”では止まらない

エアカーテンは、空気の壁をつくることである程度の空気の侵入を防ぐ効果があります。
しかし、すでに述べたように、たばこの煙に含まれるPM2.5やタールなどの有害物質を完全に遮断することはできません。

さらに、店舗の天井高や空調設備の配置によっては、エアカーテンの気流をすり抜けた微粒子が非喫煙エリアに広く拡散するケースもあり、見た目の仕切りだけでは実効性に乏しい状況が生まれます。

たばこの煙に含まれる微細粒子による健康リスクは非常に深刻です。
PM2.5やタールは、気管支炎、肺炎、肺がん、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、さらには乳児突然死症候群(SIDS)など、さまざまな疾患の原因となる可能性が指摘されています。

また、世界保健機関(WHO)も受動喫煙の危険性について強く警鐘を鳴らしており、2010年時点で年間約60万人が受動喫煙によって命を落としていると推定しています。

このように、エアカーテンに頼った対策では、従業員や非喫煙客を継続的に健康リスクにさらしてしまう恐れがあるということを十分に認識する必要があります。

◇「吸って・浄化して・出す」喫煙ブースの仕組み

こうしたリスクを回避するには、空気の遮断だけでなく、たばこの煙を確実に除去・無害化する仕組みが不可欠です。その対策として注目されているのが、高性能なフィルターを備えた「喫煙ブース」の導入です。

喫煙ブースの中には、たばこの煙が室内に拡散する前に素早く吸引・捕集し、微粒子や有害成分を高性能フィルターで除去・浄化する構造を備えたものがあります。これにより、クリーンな空気のみを外部に排出し、煙や臭いの漏れを最小限に抑えることが可能となります。
ただし、すべての喫煙ブースがこのような高水準の性能を備えているわけではありません。製品によって除煙・脱臭性能には差があるため、設置の際には、技術基準への適合や実測データなどを確認することが重要です。

この「吸って・浄化して・排出する」プロセスを確実に実現できる喫煙ブースを選ぶことで、従業員や非喫煙者への受動喫煙リスクを大幅に軽減し、安心できる分煙環境の構築が可能になります。

喫煙ブース導入のメリットと効果



喫煙者と非喫煙者が快適に共存できる飲食空間を実現するうえで、喫煙ブースは非常に有効な設備です。

ここでは、喫煙ブース導入によって得られる主なメリットや期待される効果について確認していきます。

◇分煙対策の信頼性が大きく向上

喫煙ブースは製品によって性能に差はありますが、高性能なタイプであれば、設置するだけで99%以上の煙や臭気を除去することが可能です。煙が空間に漏れにくいため、非喫煙者の不快感や健康リスクを大幅に軽減できる点も大きな特長です。

また、喫煙ブースの導入により、顧客や従業員からのクレームを未然に防ぐことができるほか、「きちんと受動喫煙対策をしている店舗」としての信頼感にもつながります。

その結果、店舗の評価向上やリピーターの獲得といったプラスの効果が期待できるでしょう。

◇法令対応・景観配慮も両立可能

喫煙室や喫煙ブースを設置する際は、厚生労働省が定める技術的基準を満たすことが求められます。あらかじめ煙を封じ込める設計の喫煙ブースを選べば、機器そのものを密閉構造にしなくても、煙の漏れを防ぎながら法令に準拠した分煙設備を、複雑な設計や大規模な工事なしに導入できます。

さらに、喫煙ブースにはコンパクトかつ洗練されたデザインの製品も多く、店舗の内装や外観を損なわずに設置できるのも大きな魅力です。景観や動線に配慮した柔軟なレイアウト変更にも対応できるため、限られたスペースの小規模店舗でもスムーズに導入できます。

エアカーテンより確実に。飲食店の分煙はクリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースで



飲食店における確実な分煙を実現するには、エアカーテンでは不十分なケースが多く見られます。

そこでおすすめしたいのが、クリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」です。この喫煙ブースは、厚生労働省が定める技術的基準に準拠しており、たばこの煙を適切に浄化し、必要に応じて屋外へ排気する構造を備えています。

以下では、「分煙キャビン」の主な特長をご紹介します。

・たばこの煙と臭いを完全に除去
分煙キャビンは捕集が難しいとされるたばこの微粒子をほぼ100%捕集します。また、たばこの煙に含まれるガス状成分についても、独自開発のガスフィルターがほぼ100%取り除き、煙と臭いを完全に除去します。

・100V電源があれば設置可能
分煙キャビンは100V電源があれば屋内のあらゆる場所に設置が可能です。新たな部屋の用意や、大がかりな工事は不要で、店舗の限られたスペースを有効に活用できます。

・専門スタッフによる定期メンテナンス
分煙キャビンの設置後は、専門スタッフが定期的に訪問し、フィルターの交換や吸い殻の処理を行ないます。店舗での手入れの手間がなく、常にクリーンで快適な空気環境を維持できます。

さらに、法律要件計測とレポート作成を代行することも可能です。これらのサポートはレンタル料金にすべて含まれており、安心してご利用いただけます。

まとめ

改正健康増進法の施行により、多くの人が利用する施設では、望まない受動喫煙を防止するための対策が義務化されました。飲食店においても、店舗の規模や業態にかかわらず、原則として屋内禁煙が基本とされています。

ただし、厚生労働省が定める技術的基準を満たし、喫煙エリアから煙が漏れない構造であることを条件に、喫煙室の設置は認められています。

実際、多くの飲食店では喫煙スペースと非喫煙スペースを区切る目的でエアカーテンが採用されていますが、たばこの煙に含まれるPM2.5の中でも直径1μm以下の超微小粒子は、気流だけで完全に遮断することが難しいのが現実です。

さらに、エアカーテン単体では 喫煙エリア入口で必要とされる「0.2m/s 以上の風速」を確保する法的要件には直接寄与せず、法律対応として不十分となることがあります。

受動喫煙を確実に防ぐには、煙を密閉空間内で捕集・浄化し、クリーンな空気として排出する喫煙ブースの導入が有効です。

飲食店における分煙対策として、技術基準に準拠した安心・高性能な喫煙ブースをお探しの方は、ぜひクリーンエア・スカンジナビアの「分煙キャビン」の導入をご検討ください。