喫煙室に空気清浄機を設置するために知っておきたいポイント

2019.2.27 分煙

喫煙室に空気清浄機を設置するために知っておきたいポイント

喫煙室の空気を清浄に保つためには、「空気をしっかり入れ換えること」が重要です。そのために喫煙室内に換気システムを設けることが必要になる場合がありますが、同時に「空気清浄機」を設置してさらにきれいな空気を保ちたいと考えている方も多いでしょう。
そこでこの記事では、喫煙室内に空気清浄機を設置するために知っておきたいことをいくつかご紹介します。空気清浄機の効果や、空気清浄機のほかに有用な分煙アイテムなどご説明します。ぜひご参考にしてください。

空気清浄機はどこまで効果があるのか

・空気清浄機の効果
空気清浄機で除去できる成分とは、空気中の埃や花粉、ハウスダストなどの物質が主体です。また、ペットや食べ物などから発するにおい成分も一部除去できますが、におい成分に関してはすべてを除去できるものではありません。
いっぽう、空気清浄機で除去できない成分ですが、たばこの有害成分の1つである一酸化炭素(CO)などのガス成分については、除去できないものがあります。また、食べ物・建材・ペットなどのにおい成分のなかには、除去しきれないものもあります。

・空気清浄機では分煙出来ない?
たばこの煙が発生したら吸い込み、フィルターを通すことで煙に含まれる有害物質(粉塵、ガス状成分など)
をフィルターで吸着ないしは分解します。有害物質を除去して空気をきれいにした上で、全熱交換器などを通じて外部に排出することで、室内にたばこの煙を拡散させず、空気を綺麗にする効果があります。

・分煙機を設置する上での注意点
空気清浄機の分煙効果についても、ご説明しましょう。実際に、たばこの煙に含まれる成分で空気清浄機によって除去できるのは3%ほどで、実質的にはほとんど除去できていないと考えて良いでしょう。そのため、基本的には「一般的な空気清浄機だけでは分煙できない」とみなす必要があります。
イオン成分を発生させるとされている、「プラズマ式の空気清浄機」なども同様で、空気を浄化するとうたってはいますが、たばこの煙に含まれる物質についてはほぼ除去はむずかしいと考えましょう。
※クリーンエアの分煙キャビンは特殊なフィルターによって、たばこ特有のガス状成分をほぼ100%除去します。(スウェーデン王立研究所2005年7月6日実施)

空気清浄機以外の分煙アイテム

ここでは、空気清浄機のほかの分煙に有用なアイテムについてもご紹介します。

・分煙機
たばこの煙を機器内に取り込むことで、煙を周囲に拡散しないために設ける機械を「分煙機」と呼びます。分煙機は、タバコの煙を吸い込み内部にあるフィルターを通すことで、煙に含まれる有害物質の微粒子などを吸着して空気を清浄にする仕組みとなっています。

・換気扇
こちらは説明不要かもしれませんが、喫煙スペース内に設置する場合には室内のニオイや煙を直接屋外へ排出するための排気装置となります。排気だけでなく吸気についても効果的に行わなければ、積極的な換気が行われず空気をきれいに保てない場合があるので注意しましょう。

・エアカーテン
喫煙スペースと非喫煙スペースの境界に壁を設けず区切る場合に、空気の壁を作ることで煙が漏れないようにする機器です。これだけでは効果的な分煙がむずかしいため、喫煙スペースには適切な換気設備を設けておくことが必要になります。

・壁材や床材
喫煙室専用に、ヤニ汚れを除去しやすいものやにおいの付着を抑えられる効果のある床材や壁材が出回っています。喫煙室は時間が経つとにおいや汚れが付いて取れなくなるものというイメージがありますが、サッと拭けば汚れを落とせて清潔に保てるものや、におい成分の付着を低減できる材質のものなど豊富に選べます。

喫煙室の設置における助成金・補助金

喫煙室の設置には、「受動喫煙防止対策助成金」「分煙環境整備補助金」という制度によって助成金・補助金が出ます。これらを上手に活用すれば、コストを押さえながら分煙化を進めることが可能になります。

・受動喫煙防止対策助成金とは
中小企業の事業主が、受動喫煙防止対策を推進することを目的として喫煙室の設置を行うなどの取組みに対し、その資金の一部を助成するものです。受動喫煙防止対策助成金の対象となるのは、以下の費用となっています。
・喫煙室の設置などにかかる工事費
・設備費
・備品費
・機械装置費

助成率は、基本的にはかかった費用総額の1/2で、また上限額は100万円以下となっています。

・分煙環境整備補助金とは
日本国内を訪れた外国人旅行者が快適に宿泊施設・飲食施設を利用できるよう、施設を運営する事業者が行う分煙環境の整備に対する、資金の補助を目的とした補助金制度です。分煙環境整備補助金制度の対象となる費用は、以下のとおりです。

喫煙所等の設置に必要な経費のうち
・設備費
・機械装置費
・備品費
・工事費
・換気扇、ダクト工事などの給排気設備の整備
・電気工事費 など

助成率は、かかった費用総額の4/5となっており、また上限額は300万円以内となっています。

まとめ

この記事では、喫煙室に空気清浄機を設置する際のポイントをご紹介しました。空気清浄機の設置だけで効果的な分煙を行うことは難しいため、換気設備や他の分煙アイテムとの併用で分煙効果を高めることが大切です。また、空気清浄機本体も定期的なフィルター交換など適宜メンテナンスを行い、性能を維持しましょう。喫煙室の導入コストが気になるという方は、助成金・補助金制度の活用も検討してみてはいかがでしょうか。