「屋内喫煙所の選び方は?種類や設置する際の条件も解説」分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド

分煙対策(喫煙ブース)・空気清浄ガイド
2025.6.26 喫煙問題

屋内喫煙所の選び方は?種類や設置する際の条件も解説

屋内に喫煙所を設置しようと考えた際に、「どのような種類があるのか」「設置にはどのような条件が必要なのか」などの疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

この記事では、屋内喫煙所の基本情報から、屋外喫煙所との違いや種類、設置時に守るべきルールについてわかりやすく解説します。あわせて、企業や飲食店で導入が進んでいる「屋内喫煙ブース」についても、設置基準や選定のポイントを詳しくご紹介します。

屋内喫煙所・屋外喫煙所の違い



喫煙所は大きく分けて、「屋内喫煙所」と「屋外喫煙所」の2種類に分類されます。この区分は、厚生労働省が定める「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」に基づいて定義されています。

屋内 屋外
外気の流入が妨げられる場所として、屋根がある建物であって、かつ、側壁がおおむね半分以上覆われているものの内部 これに該当しないもの

引用: 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」

この定義に基づき、屋内に設置された喫煙所は「屋内喫煙所」、屋外に設置されたものは「屋外喫煙所」とされます。

また、屋内喫煙所は「喫煙専用室」、「加熱式たばこ専用喫煙室(指定たばこ専用喫煙室)」、「喫煙目的室」、「喫煙可能室」の4種類に分類されています。これらの違いや特徴については、次項で詳しく解説します。

屋内喫煙所の種類



屋内喫煙所は4種類に分類され、どの屋内喫煙所が設置できるかは、施設の類型や事業者の分類、設置する場所によって異なります。

◇喫煙専用室

喫煙専用室とは、一般的な事業者が施設の屋内に設置できる屋内喫煙所です。設置される施設には、事務所や工場、ホテル、旅館、飲食店、議員会館などが挙げられます。

その名のとおり喫煙のみが許可されているスペースであり、飲食の提供や喫煙者による飲食はできません。

◇加熱式たばこ専用喫煙室

加熱式たばこ専用喫煙室(指定たばこ専用喫煙室)とは、加熱式たばこなどの「指定たばこ」に限って喫煙できる屋内喫煙所です。喫煙専用室と同様、一般的な事業者が施設屋内に設置できます。

喫煙できるたばこは限定されますが、飲食の提供および飲食が許可されている点が喫煙専用室との大きな違いです。

◇喫煙目的室

喫煙目的室は、たばこの対面販売や喫煙スペースの提供をおもな目的とする「特定事業目的施設」のなかに設置できる屋内喫煙所です。たばこの出張販売許可を取得したのちに、特定事業目的施設にあたるシガーバーやたばこ販売店などを設置することができます。

このタイプの喫煙室では、飲食の提供および喫煙しながらの飲食が認められています。
ただし、提供できる飲食物には制限があり、米飯類・パン類・麺類など、いわゆる「主食」にあたるものは提供不可とされています。

なお、何が「主食」と見なされるかは、地域の文化や食習慣などにより異なる場合があり、個別の実情に応じた判断が必要です。

◇喫煙可能室

喫煙可能室は、2020年4月1日の時点で営業(現存)していた、既存かつ経営規模の小さい飲食店(既存特定飲食提供施設)に限り設置が認められている屋内喫煙所です。ただし、この制度は経過措置として位置づけられており、設置はあくまで限定的です。

なお、これまでご紹介したすべての屋内喫煙室においては、「標識の掲示」が法令で義務付けられています。また、20歳未満の方の喫煙エリアへの立ち入りは一切禁止されており、適切な運用管理が求められます。

施設の種類ごとの喫煙ルール



喫煙ルールは施設の種類ごとに決められており、それぞれ喫煙可能な場所が異なります。喫煙所以外での喫煙は法律違反となる可能性があるため注意が必要です。

施設は、以下の3種類に分けられます。

第一種施設 第二種施設 喫煙目的施設
・学校や児童養護施設
・病院や診療所
・行政機関庁舎 など
・事務所
・工場
・商業施設
・宿泊施設(ホテルや旅館など)
・飲食店
・旅客運送事業船舶、鉄道
・国会、裁判所 など
・喫煙をおもな目的とするバーやスナック
・店内喫煙を可能としているたばこ販売店
・公衆喫煙所


以下では、施設ごとの喫煙ルールについて解説します。

◇【第一種施設】学校・病院・行政機関など

第一種施設には、行政機関や学校、児童福祉施設、病院などが該当します。

これらの施設では、屋内全面禁煙が原則です。ただし、厚生労働省令で定められた必要措置を実施したうえであれば、屋外に「特定屋外喫煙所」を設置し、例外的に喫煙を認めることが可能です。

◇【第二種施設】オフィスや商業施設・宿泊施設・飲食店など

第二種施設には、オフィスの事務所や商業施設、ホテルや旅館などの宿泊施設、飲食店など、多くの人が利用する第一種施設以外の施設が該当します。旅客運送事業における船舶や鉄道の車両なども、この区分に含まれます。

これらの施設では、原則として屋内は禁煙ですが、技術的基準や標識掲示などの条件を満たすことで、「喫煙専用室」や「加熱式たばこ専用喫煙室」などの設置が認められています。

なお、20歳未満の立ち入りは禁止されているため、喫煙室の運用にあたっては十分な管理が必要です。

◇【喫煙目的施設】バー・スナックなど

喫煙目的施設とは、喫煙を主な目的とした施設でありバーやスナック、公衆喫煙所などが該当します。たばこの出張販売許可を取得した上で「喫煙目的室」の設置が認められており、主食を除く飲食の提供も可能です。

ただし、20歳未満の立ち入りは禁止されており、従業員を含めて例外はありません。運営にあたっては、年齢確認などの適切な対応が求められます。

屋内喫煙ブースの設置基準

喫煙ブースを設置するにあたっては、単に喫煙者と非喫煙者を分けるだけでは不十分です。法令で定められた技術的基準を満たすことが義務付けられており、安全かつ適切な分煙環境の構築が求められます。

また、飲食店などを対象に、一定の技術基準を満たした喫煙ブースを導入することで、国や自治体による「受動喫煙防止対策助成金」の対象となる場合があります。

助成制度の活用を検討している場合は、導入前に要件や申請方法を確認しておくことをおすすめします。

ここでは、屋内喫煙ブースを設置する際に満たすべき基準や条件について、わかりやすく解説します。

◇喫煙ブースを設置する際の条件

2020年4月の改正健康増進法の施行により、屋内は原則禁煙となり、オフィスや商業施設、飲食店、宿泊施設などの屋内に設ける喫煙スペースも一定の条件を満たす必要があります。

喫煙ブースを設置する際は、以下の厚生労働省が定める技術基準を満たしているものを選定しなければなりません。

1.喫煙ブースの出入口における外部から内部への気流が、上部・中央部・下部で毎秒0.2m以上であること。
2.壁や天井などによる区画分けによって、たばこの煙が喫煙所の外部に漏れない構造となっていること。
3.喫煙ブース内のたばこの煙が屋外に排気されていること。

参照:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署|職場における受動喫煙防止のために

喫煙ブースは屋外排気が基本となりますが、法律の経過措置により、建物の建築時期を踏まえて屋内排気が認められる場合もあります。

また、喫煙ブースを設置する際は「喫煙可能な場所であること」「20歳未満は立ち入りできないこと」の2点を提示する必要がある点に留意しましょう。加えて、喫煙ブース設置後には、概ね3ヵ月ごとの計測およびレポートの作成、作成したレポートの3年間の保管も求められます。

屋内に喫煙ブースを設置するならクリーンエア・スカンジナビア

オフィス内への喫煙ブース設置を検討している場合は、クリーンエア・スカンジナビアの「喫煙ブース」の導入をご検討ください。

クリーンエア・スカンジナビアの喫煙ブースは、屋内であれば100Vの電源さえあれば設置が可能です。また、厚生労働省が定める技術的基準にも準拠しており、安心して導入いただけます。

また、捕集が困難とされるたばこ粒子をほぼ100%捕集でき、煙とにおいをしっかり除去して快適な空気環境の提供が可能です。

導入後には専門スタッフによる定期メンテナンスと法律要件計測、レポート作成を実施しているため、いつでも快適な空気環境と法律要件適合環境を維持できる点も見逃せません。

【喫煙ブースの導入事例】

エイベックス株式会社
エイベックス株式会社様では、2014年に社内分煙の取り組みの一環として喫煙部ブースを導入されました。

職場環境の向上に向け、喫煙・非喫煙双方にとって快適な空間を整えることが重要であるとのお考えから設置に至ったものです。

導入された喫煙ブースは、シルバーフレームとガラスで構成されたスタイリッシュな外観が、オフィスの雰囲気にも自然に馴染むデザイン。煙やにおいの漏れがなく、非喫煙者からの理解も得やすかったとのご評価をいただいています。

社内の2ヵ所に設置したことで、喫煙スタッフのアクセス性が向上し、喫煙場所を探す手間が省けたことで業務効率の改善にもつながったとのことです。

まとめ

屋内喫煙所の設置にあたっては、第一種施設・第二種施設・喫煙目的施設など、施設の種別に応じた適切な対応が求められます。

また、屋内喫煙所には「喫煙専用室」や「喫煙目的室」など複数のタイプがあり、それぞれの特徴を理解したうえで、自施設の目的や利用環境に合ったものを選定することが重要です。

特にオフィスに設置する場合は、喫煙専用室としての「喫煙ブース」の導入が現実的な選択肢の一つとなります。導入にあたっては、厚生労働省が定める技術的基準を満たしているかを事前に確認することが不可欠です。

快適で安全な分煙環境の構築を目指すなら、クリーンエア・スカンジナビアの「喫煙ブース」の導入をご検討ください。