分煙について

2019年01月07日

飲食店の分煙・禁煙について解説

ここ数年の間で、飲食店において分煙・禁煙化が進められています。2019年から2025年にかけて日本国内で国際的大規模イベントが開催されることを背景とした健康増進法の改正により、2020年4月の完全施行へ向けて取り組みが進められているためです。
この記事では、多くの施設のなかでも喫煙の可否が来店客層などに大きく左右されるといわれている飲食店の分煙・禁煙についてご紹介します。「自分の経営する店舗は改正健康増進法対策が必要なのだろうか」「よく行くあの飲食店に今後分煙化の予定はあるのだろうか」など、気になっている方はぜひご参考にしてください。

受動喫煙対策が強化される

2018年3月9日に健康増進法の改正案が閣議決定され、7月18日に可決されました。これにより、多くの人が集まる施設(オフィスや飲食店)は原則屋内禁煙とし、学校・病院・行政機関は敷地内すべてにおいて禁煙とされることになります。例外となるのは厚労省の場合、個人または資本金5,000万円以下の中小企業経営で客席面積100㎡以下の飲食店の場合は標識表示で店内喫煙が認められることになります。また、東京都ではさらに厳しく、従業員を使用していない飲食店のみ禁煙・喫煙を選択することができます。
この改正健康増進法は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年の4月に全面施行される予定となっており、該当する施設は2020年4月までに屋内または敷地内の禁煙化が必要となります。

なぜ、飲食店で分煙・禁煙が注目されているのか

飲食店における分煙・禁煙が叫ばれる理由は、2019年のラグビーワールドカップ~2020年の東京オリンピック・パラリンピック、そして2025年の大阪万博と国際規模のイベント予定が続き、外国からの渡航者が増えると見込まれていることが大きな理由の1つです。
WHO(世界保健機関)の、受動喫煙政策の普及状況を示す指標においては、日本は4段階中最低ランクに位置しており、さらなる受動喫煙防止策が必要と実際に指摘を受けています。受動喫煙対策が日本よりもはるかに進んだ国々から多くの人が訪れる機会を控え、後れを取っている分煙化・禁煙化をこの機会に進めていこうという流れになっているのです。
また、WHOやIOCは「タバコのない五輪」を目指していることもあり、開催国として分煙・喫煙化が不十分な状態のまま開幕を迎えることは避けたいという意向もあるでしょう。

【国内での喫煙率も低下している】

また、近年の日本国内における喫煙率の低下も、分煙・禁煙化の追い風になっています。厚生労働省の調査結果によると、国民の喫煙率は年々低下の一途をたどっており、特に成人男性の喫煙率はピーク時の1/4程度までに低くなっています。

飲食店別の分煙・禁煙の規制対象とは

気になる飲食店の分煙・禁煙に関する規制ですが、ここでは店舗の業態別にどのように規制に対応しているかについて、その現況をご紹介します。

【居酒屋】

全席禁煙化が難しいとされがちな居酒屋ですが、大手居酒屋チェーンでは全席禁煙化に踏み切る店舗も現れています。「串カツ田中」では2018年6月にほとんどの店舗を全席禁煙化しましたが、客層が変わることで売上が落ちることもなくおおむね業績は堅調とのことです。

【ファミリーレストラン】

ファミレス大手の「サイゼリヤ」「ココス」は、それぞれ2019年9月までに全店舗を禁煙化することを決めました。従来分煙をしてきた店舗については改装して全面禁煙化を図り、新規開店予定の店舗については分煙を想定しない完全禁煙の店舗とすると発表済みです。「ロイヤルホスト」は2013年に全面禁煙化していますが、来店客層の幅が広がって新規顧客の来店機会を増やすことにつながっています。

【カフェ・ファーストフード】

「マクドナルド」は2014年に全店舗禁煙化を達成しています。また、「ケンタッキーフライドチキン」も、2018年3月までに直営店を全店禁煙化しています。

【小規模店舗】

改正健康増進法や東京都受動喫煙防止条例の規制の対象外となっている店舗に置きましても、特色や客層に応じて分煙・禁煙を実施している店舗も少なくありません。また、東京都の「受動喫煙防止条例」では小規模であっても規制対象となる店舗も数多くあるため、分煙化が義務付けられるお店は東京都内に限っては全体の8割以上にも及ぶといわれています。

【新店舗】

新規開業の飲食店は、店舗規模の大小にかかわらず原則禁煙としなければなりません。店内で例外的に喫煙が認められるのは、室内で飲食ができない「喫煙専用室」を設置した場合に限られます。

まとめ

この記事では、改正された健康増進法における分煙・禁煙強化の背景や、飲食店の分煙・禁煙化の現状についてご紹介しました。飲食店において、分煙化を図るには大幅な改装を要する場合もあります。しかし最近では店内に設置するだけで喫煙室が設けられる分煙キャビン(ブース)なども普及しつつあるため、全面改装よりも低コストで安心の分煙化が実現できる場合もあります。また、分煙対策には助成金制度が利用できる場合もあるため、2020年4月の改正健康増進法完全施行に向け、分煙化未実施の飲食店経営者様は早めに対策を講じておくことをお勧めします。