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2019年04月26日

喫煙場所を提供する施設について~飲食店の分煙~

2018年に改正された健康増進法に基づく店舗や飲食店の分煙化が、いよいよ2020年4月1日から完全施行となります。店舗・飲食店を経営する方や小売業・飲食事業を営む方は、完全施行に向け自社店舗の分煙化をどのように進めるか、すでに計画・実行を進めている状況かもしれません。
しかし、小売店や飲食店のなかには「喫煙を目的とした施設」も存在します。それらの店舗・施設に関しては、分煙化の流れに対しどのように対処することが求められるのでしょうか。この記事では、喫煙場所を提供する施設における、法令改正にともなう分煙化の流れについてご説明します。

喫煙場所を提供する施設について

店舗・飲食店などの施設のなかには「喫煙場所を提供する施設(喫煙目的施設)」が存在します。ここでは、改正健康増進法に基づく「喫煙場所を提供する施設(喫煙目的施設)」にはどのような施設が該当するのかについて、ご紹介します。

・喫煙目的施設の対象

1.喫煙を主たる目的とするバー、スナック

バーやスナックなどの一部飲食店は、お客さまに喫煙を自由に楽しんでもらうこともサービスの一環とみなされています。これらの店舗は「喫煙目的施設」とみなされ、受動喫煙防止の構造設備基準を満たす場合に限り、室内に喫煙目的室を設置することができます。
ちなみに、住居やホテル、定住・滞在型福祉施設の個室など居住を目的とした場所についてはこの規制の対象外となっています。

2.店内で喫煙可能なたばこ販売店
店内で喫煙を楽しめるスタイルのたばこ販売店も、喫煙を主目的とした施設とみなされるため、喫煙目的施設の対象となります。この場合もバーやスナックなどと同様に、受動喫煙防止の構造設備基準を満たす場合に限り、室内に喫煙目的室の設置が可能になります。
喫煙場所を提供する施設のフロア分煙

ここでは、前の項目でご紹介した「喫煙目的施設」の具体的な分煙化についてご紹介します。これらの施設では「フロア分煙(階層ごとに喫煙可能な階と禁煙階に分ける分煙方式)」の形で分煙化を図るケースが多いと考えられるため、本項目でもおもにフロア分煙についてご説明します。

・喫煙室の標識について

1.施設内に喫煙目的室があることを示す標識

施設内で分煙の実施はされていますが、喫煙目的室が施設内にあることが分かるようになっている標識です。施設入り口などに設け、喫煙目的室があると訪問者に認知してもらう目的で掲示します。

2.喫煙目的室自体を示す標識

その部屋が喫煙目的室であることを示す標識です。グラフィックにはたばこの図柄のほかグラスの絵が表記され、飲食物の提供も室内で行われていることを示しています。また、喫煙目的室には20歳未満の方は入室できないことを意味するグラフィックも併記されています。

3.施設自体が喫煙を目的としていることを示す標識

店内が全面喫煙可のたばこ販売店や公衆喫煙所など、その店舗・施設自体が喫煙を目的としていることを示す標識です。施設の入り口などに掲示し、店舗・施設内では全面喫煙可であることを認知してもらいます。また、喫煙目的店には20歳未満の方は入店できない旨のグラフィックも併記されています。

【フロア分煙に関する要件についての疑問とそれに対する現況について】

・階段やエレベーターホールとの間に壁を設ける上で気流の構造基準を適用すべき?

禁煙フロアに喫煙フロアの空気が流れていかないための措置が必要なため、それに関する施設の構造基準が設けられています。具体的には各フロアの間は必ず壁や天井、扉などで区画されていなければなりません。

・喫煙階と禁煙階を分けた場合でも風速要件と屋外排気の要件の上通常は密閉して使用することを明記すべき?
これに関しては、上記で説明済みの「各フロアを壁や天井、扉などで区画する」ことで対処可能と考えています。また、その旨留意事項として通知を行う予定となっています。
・たばこの煙は上に向かう性質があるため、上階を喫煙フロア、階下を禁煙フロアとすべき?
法令上は上の階を喫煙フロアに、下の階を禁煙フロアとすることを想定して要件を定めています。しかし、各施設で構造は異なる場合もあるため、具体的な指示や要件の提示まではしないこととしています。
・フロア分煙の場合、喫煙フロアにいる従業員の受動喫煙対策はどうするの?
従業員の受動喫煙対策については、今後ガイドラインを提示する予定があります。
・フロア分煙に関するくわしいマニュアルがほしい
フロア分煙の手引きについては、追って提示する予定があります。
まとめ

この記事では、喫煙場所を提供する施設「喫煙目的施設」に関する定義や概要、そしてそれらの施設で用いられる標識や、階層ごとに分煙を行う「フロア分煙」についてご説明しました。
喫煙を主目的とした施設であっても、改正健康増進法に基づいた標識の掲示が求められ、施設によっては適切な分煙化が必要となる場合があります。自店舗がどのような対応を採るべきか早期に決めておき、来るべき全面施行に備えておくようにしましょう。