喫煙時のたばこの煙の種類とは?知っておきたいがんや身体への影響

2020.10.8 喫煙問題

喫煙時のたばこの煙の種類とは?知っておきたいがんや身体への影響

「たばこの煙は人の健康に悪影響を及ぼす」ということは、喫煙者の方のみならず喫煙しない方や未成年の方もよくご存じでしょう。しかし、人がたばこを吸っているときに出る煙にはいくつかの種類があり、その違いによって性質も異なる場合があります。
この記事では、喫煙時のたばこの煙の種類についてご説明しながら、たばこの煙が及ぼす健康への悪影響などについてもご紹介します。

喫煙時のたばこの煙の種類

喫煙時に出るたばこの煙は、煙の出る場所によって以下の3種類に分けられます。ここでは、たばこの煙の種類についてくわしくご説明します。


・主流煙
たばこを吸う人がフィルター経由で直接たばこから吸い込む煙を指します。


・呼出煙
たばこを吸う人が一旦吸ってから吐き出す煙を指します。


・副流煙
たばこの火がついている部分から立ち上る煙を指します。


喫煙者がたばこを吸っている室内や周辺の空気中には「呼出煙」と「副流煙」とが混ざり合って漂っていますが、その煙は「環境たばこ煙」と呼ばれています。また、上記3種類の煙のいずれにも有害物質が含まれています。
また、たばこの火がついた箇所から直接出る「副流煙」は、たばこのフィルターを通すことなく出る煙であるため、有害物質の含有量も多いとされています。

たばこの煙の有害成分

たばこの煙に有害成分が含まれていることは広く知られていますが、具体的にはどのような成分を含んでいるのでしょうか。ここではたばこの煙に含まれる有害な物質についてご説明します。


【たばこの煙に含まれる三大有害物質とは?】

・ニコチン
ニコチンは、たばこが持つ依存性に大きくかかわる有害物質です。たばこを吸うことで血液中のニコチン濃度が高くなり、その影響で依存が生じます。たばこを沢山吸えば吸った分だけ依存性は高くなりますし、喫煙により上昇した血液中のニコチン濃度は2時間程度で半減します。ニコチン依存に陥ると、血液中のニコチン濃度を維持するためひっきりなしにたばこを吸い続けたくなってしまいます。
ニコチンは依存の形成以外にも、血圧を上げたり血管を収縮させたりするなど、さまざまな健康への悪影響を及ぼす原因になるとされています。特に心臓への負担が大きくなるとされるほか、ニコチン代謝物が発がん性を持っていることも分かっています。


・タール

たばこの煙に含まれる粒子状成分のうち、一酸化炭素やガス状成分以外の物質を総じてタールと呼びます。タールはニコチンをはじめとする有害物質や発がん性を持つ物質を含むとされています。


・一酸化炭素

有機物(炭素を含む物質)が不完全燃焼する際に発生するガスで、たばこの燃焼によっても発生します。たばこの煙における一酸化炭素の含有量は3パーセントほどとされますが、非常に毒性が強いため注意が必要です。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと非常に結びつきやすく、呼吸によって酸素がヘモグロビンと結びついて血液中に運ばれることを強力に阻害します。このため喫煙した人の血中では酸素濃度が急激に低下し、酸素が不足することで起こるさまざまな症状の原因となります。


【その他の有害物質】
三大有害物質と呼ばれるニコチン、タール、一酸化炭素以外にも、たばこの煙には数多くの有害物質が含まれています。たとえば殺虫剤に含まれるヒ素や溶剤として使われるトルエン、塗装の剥離剤として利用されるアセトンや自動車のバッテリーに使用されるカドミウムなどがあります。これらはいずれも人体に対して強い毒性を持つ物質であり、これら以外にもたばこの煙は200種を超える有害物質を含むとされています。また、発がん性を持つ物質も50種を上回るといわれています。

喫煙が引き起こす病気

喫煙によって健康を損ないやすくなることは、多くの人に知られています。ここでは喫煙によって引き起こされる、さまざまな病気についてご説明します。


【喫煙者が引き起こしやすいがん】
たばこの煙には多くの有害物質や、発がん性を持つ物質が含まれています。人体のさまざまな部位に発生するがんのなかで、喫煙との因果関係があるものはおもに以下の通りです。


・肺がん
・胃がん
・喉頭がん、口腔がん
・食道がん
・鼻腔・副鼻腔がん
・肝臓がん
・すい臓がん
・膀胱がん
・子宮頸がん


上記のがんの中には、細菌やウイルスの感染が原因の一つとされているものもあります。しかしそれに加え、喫煙との因果関係も明らかになっています。


【受動喫煙による病気のリスク】

たばこを吸う人にがんなどの病気になるリスクがあることは勿論ですが、たばこを吸わない人も「受動喫煙」によって健康に悪影響を受ける可能性があります。
受動喫煙とは、たばこを吸っていない人も空気中のたばこの煙(環境たばこ煙)によって有害物質を吸い込んでしまうことです。受動喫煙によって引き起こされるとされる病気は、おもに以下となっています。


・肺がん
・脳卒中
・虚血性心疾患


上記以外にも、まだ確実に明らかにはなっていませんが、鼻腔・副鼻腔がんや乳がんも受動喫煙の影響と因果関係がある可能性が指摘されています。

受動喫煙を起こさないための工夫

受動喫煙によって悪影響を受ける可能性がある人の中には、本来たばこを吸わない未成年者も含まれます。このため、近年は「健康増進法」という法律の改正によって受動喫煙を防止するための対策が徹底されるようになりました。
2020年4月1日からは改正健康増進法が全面施行され、「多数の者が利用する施設における喫煙の禁止等」の項目などによって望まない受動喫煙の防止が従来以上に強化されています。


・分煙キャビンの活用
改正健康増進法に基づき飲食店などの施設内でも、受動喫煙防止のために経過措置対象となる一部施設を除いて分煙化が義務付けられました。現在は経過措置対象となっている施設についても、今後分煙が義務化される可能性があると考えられます。法令に基づいて適正な分煙化を図るためには、大掛かりな改装が必要となる場合も少なくありません。改装を最小限に抑えて法令に準拠した分煙化を行うためには、分煙キャビンの活用も一案です。
クリーンエア・スカンジナビアの分煙キャビンは、厚生労働省が定める「脱煙機能付き喫煙ブース」の技術基準に適合しています。空きスペースに設置するだけで、効果的な分煙を測ることが可能です。


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まとめ

この記事では、たばこによるさまざまな健康への悪影響についてご説明するとともに、たばこの煙に含まれる有害物質や受動喫煙を防ぐための対策をご紹介しました。
たばこを吸うその人だけではなく、吸わない人の受動喫煙によっても深刻な健康被害が引き起こされる可能性があります。店舗など多くの人が集まる施設では適正な分煙化を図り、訪れる人たちの健康を守るための対策を積極的に実施することが求められるでしょう。